骰子の眼

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東京都 渋谷区

2016-06-07 19:45


公開までは編集を変え情報源を徹底防御!監督が語る『シチズンフォー スノーデンの暴露』

国家による国民監視を内部告発した一人の若者──その証言の一部始終を見せる歴史的ドキュメント
公開までは編集を変え情報源を徹底防御!監督が語る『シチズンフォー スノーデンの暴露』
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

アメリカ政府のスパイ行為を告発したエドワード・スノーデンを巡る事件を迫い、第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が6月11日(土)より公開。webDICEでは2014年のニューヨーク映画祭上映時に実施されたローラ・ポイトラス監督のQ&Aの模様掲載する。ポイトラスはこのQ&Aのなかで、制作の経緯や、作品の軸となる香港のホテルでのスノーデンへの緊張感溢れるインタビューの様子などを解説している。

スノーデンは「匿名のままでいる気はない」と言った

──ローラ・ポイトラス監督、ご参加ありがとうございます。

この作品を映画祭で上映いただけて光栄です。質問を受ける前に、映画に出ていた人にお礼を言いたいの。

まずはグレン(・グリーンウォルド、ジャーナリスト)に。いる?(元NSA職員ウィリアム・)ビニーにも。ユーウェン(・マカスキル、英ガーディアン)もいる?デビッド(・ミランダ、グレン・グリーンウォルドのパートナー)は?

今日 ここに来てるのは以上よ。たぶんね。あと 昨晩のプレミア後にできなかったのだけど、この映画を支援してくれた出資者にもお礼を。彼らはあり得ない条件下で出資を決めてくれた。彼らに出資をお願いした時は、映画とその内容に関して口外しないよう頼んだし、カットを見る時はベルリンまで来てもらった。完成版がどうなるかも不明だったわ。

情報源を守るため、公開までは編集を変えてた場面もあった。ニューヨーク映画祭の実行委員会に見せる時も、予定してた上映場所から移動したり、エンディングを変えたりした。

この映画の支援者は、心から私たちを信頼して、お願いしたとおり秘密を守ってくれた。公開まで私たちが安全に制作できるようにね。だから全支援者に感謝してるわ。この映画に必要だったことを理解もしてくれた。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』ローラ・ポイトラス監督
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』ローラ・ポイトラス監督

支援者の名前を挙げるわね。まず何より配給会社のラディアス。トム・クインが2月にベルリンに来て、この映画に関わりたいと言ってくれた。数シーンを見せたら、全面的に支援してくれたわ。配給会社としては、公表したいでしょうに、私たちの要望を聞いて、できる限り秘密を守ってくれた。パティシパント・メディアのダイアン・ワイアーマンは、何年も前から知ってて、友人なの。イラクで撮った映画『My Country, My Country』(2006年)も支持してくれた。バグダッドから帰国して、サンダンスで会って、イラクでの経験で参ってた私を彼女は応援してくれた。一緒に仕事したいとずっと思ってて、ベルリンでこの映画の話をしたら、彼女が“協力できる”と。ジャーナリズムの映画だしね。それで同僚にこう言ってくれた。「出資するけど内容もタイトルも聞かないで」とね。それで出資してくれた彼らの信頼には感謝してるわ。

HBOドキュメンタリー・フィルムズのシーラ(・ネビンズ)は?誰か来てない?彼らが協力してくれたのは大きかったわ。シネマ・ヴェリテ(作り手の存在が映画から排除される虚構上のトリックを排し、映像の作り手が被写体の人々と関わる行為そのものをも記録し、映画をより真実に近づけようとする手法)擁護者のシーラがこの映画を気に入って、劇場映画にしたいという私の希望も支持してくれた。

バーサ・ファウンデーションも支援を。BRITDOCのジェス(・サーチ)は、配給に尽力してくれた。英国のテレビ局チャンネル4も支援してくれて、デビッド・メンチェルも、彼は製作総指揮で 進歩的なドキュメンタリーを支援してる。

あと3つだけ言わせて。NDR(北ドイツ放送)とBR(バイエルン放送)は、ドイツの放送局で、すぐ支援を申し出てくれた。私が関わった報道は ほとんどベルリンから発信してて、彼らは全力で私を支えてくれたわ。あとシネリーチ(映像作品へサポートを行うニューヨークの団体)とサンダンスにも感謝を。皆様に感謝します。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

──質問はいろいろありますが、まずは多角的に考えた上での質問を。バランスを取るのは難しくなかったですか?新事実を報道して、その一部でいながら、映画も作ったわけですよね。

質問はつまり、報道と映画制作のバランスということ?

──あなたは、あのホテルにいて映像を公表して、ニュースの一部でしたが、同時に映画制作が念頭にあった。

確かに自分の役割は複雑だったわ。スノーデンからメールが届き始めた時期は、監視に関する映画を作ってて、彼のことも入れようと思ったの。

私にとって彼はあくまでも情報源で、彼は「NSA(アメリカ国家安全保障局)による監視の証拠を持ってる」と。でも、そのうち、彼に会って 私が状況説明をすることが明確になった。ずっと メールの相手は匿名で、誰か知ることもないと思ってた。受け取る文書を発表するだけだと。でも確か4月に彼から連絡があって、「やがては名乗り出る」と。「匿名のままでいる気はない」と言われたの。どうせ突き止められるし、隠れたくはなかったのね。そう言われて 私はこう返した。映画監督としてね。「では会って、あなたを撮らせて」。最初、彼は断ってきたわ。

話の中心は彼でなく“監視”だから、「監視の問題に焦点を絞ってほしい」と。それで私は言った。「これは命懸けの暴露だと皆に知らせることが大事よ」「命を懸ける理由はあなたしか答えられない」。でも彼は、かなり心配もしてたの。暴露のために大きなリスクを冒したから、私たちが会うその場で計画を潰されて、暴露に失敗するのを恐れてた。つまり私たちの安全を心配してたの。でも今回の行動の動機を説明する重要性は理解してもらえた。それにマスコミは結局、彼のことを報道するしね。それで彼と会うことになったの。

グレンとユーウェンと香港に行った時、私はドキュメンタリー作家として行った。文書を精査したり、公表する気はなかったわ。私は、ただジャーナリズムの現場を記録しに行ったの。グレンとユーウェンが、どう情報源と協力して、情報をもらって報道するかをね。私の仕事は、その状況を伝えることで、あとはグレンたちに任せようと思ってた。彼らが書く記事が、報道されて、新たなニュースになる。私は香港でのやり取りを記録するだけよ。私は自分の役割をそう思ってた。報道はしないとね。

でもスノーデンの潜伏後、ベルリンに戻ると、報道する義務を感じた。彼が冒したリスクの大きさを思い起こして、報道に関わることにしたの。それでデア・シュピーゲル誌(ドイツの週刊誌)や他の報道機関と組んだ。でも自分の立ち位置は微妙だったわ。メルケル首相の件を公表しつつ、撮影も続けて、この映画に関連する全てが絡み合ってた。だからこそ、この映画には、主観的な声が必要だと思ったの。私も映画の中で起きる出来事に加担してると分かるようにね。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

この映画は、一人称で作った初めての作品

──その件ですが、この映画は9・11以降の3部作の3本目ですよね。ですが、この映画は他の2本と違う。特に違うのは、あなたが出来事に参加してる点です。他の2本には、あなたは出てきません。そこに至るまでの考えを伺いたい。

スノーデン同様、私も映画に出たくはなかったわ。でも、登場しなければならないのは明白だった。私も物語の一部だと観客は知る権利がある。だけど、どう主観を入れるかが問題だったの。イラクの映画の時は、現地の一般市民を撮影した。当時、イラクは危険で、私は“紛争地域の欧米人監督”に焦点が当たるのがイヤだった。

共感してほしいのは、私にではなく、現地の一般市民だったからね。だからイラクでは、自分の仕事環境やリスクに注目が集まらないようにしたの。映画の趣旨は、観客にイラク人と米軍自身から見た“米軍”を理解してもらうこと。私の存在は消したの。カメラで撮ってるのだから、私が そこにいることは明らかだしね。

『The Oath』(2010年)に関しては悩んだわ。最初は、やはりシネマ・ヴェリテとして作った。でも編集のジョナサンが、完成前に試写をした時に観客が困惑してることに気づいたの。軸の関係でカメラの存在を感じられず、“カメラはどこ?”と私の存在が不明で、観客が物語に入り込めないと気づいた。それで彼が私の声を入れたの。

今回の映画の冒頭は確か“私”から始まるわよね。この映画は、一人称で作った初めての作品よ。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

驚くべき映像を捨てるしかないのがツラい局面もあった

──この企画は、どうやってできたのでしょう?スノーデンが現れる前は、どんな企画だったのでしょう?当初は“監視”がテーマでしたよね。難解で目に見えない、大きなテーマです。『The Oath』を終えて、スノーデンが現れるまで、何をしてたのでしょう?追っていた数名は、この映画に出ていたようですが。

そうね。この映画の企画は、2011年の春に始まったの。“監視”に興味があってね。ウィキリークスも出てきて、興味深かったし、ジャーナリズムに関係してた。それで考え始めたわ。だいたい私の仕事は、興味深いテーマがあって、そこからどうやってそのテーマを追うか……。何が導いてくれるかを考えるの。

2011年春には、糸口が不明だったけど、Salon.comのある人に興味がわいた。それで、彼はリオにいて、私は彼の記事を読んでた。彼の記事は激しくて、主流派から完全に外れてたわ。そこがよかった。どんな映画になるか不明だけど、とにかく彼に会ってみようと思ったの。

それで初めてグレンを撮った。撮影監督のカースティンとね。その映像が映画のオープニングになった。あの時、彼が書いてたのは、NSAの内部告発者に関するメイヤーの記事について。その内部告発者は、スパイ活動法違反に問われてて、皮肉にもそれが最初の撮影だった。そして、ザ・ニューヨーカー誌に記事が出た直後に、リオからビニーに連絡して、全てが動き出した。

範囲を広げて、ジュリアン・アサンジとウィキリークスも撮った。ジェイコブ・アッペルバウムもね。監視と、対する抵抗運動と、活動家の行動に興味があったの。

当時はアラブの春の最中だったから、ジェイコブがいたチュニジアとエジプトでも撮影したわ。その後、マチルダ・ボネフォイと編集してたら、スノーデンからメールが届き始めた。

それで最終的には、映画が2本あると編集室で気づいたの。つまり、香港でのスノーデンの映像が映画の大きな部分を占めると分かったし、映画の方向性を決めてた。香港に行く前に、既に素材はたくさんあったから、切り替えが大変だったわ。途中で新しい物語が始まっちゃったのよ。それで、この映画の中心はスノーデンにしようと決めたの。でも、何と言うか……それは編集室で決めたことよ。映画2本分の素材があると分かってね。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

──ホテルの映像の構成について伺います。あのシーンは、1時間にわたりますよね?時系列に並んではいましたが、構成がすばらしかったです。ユーモアも織り交ざってて、シーンが進むにつれ、サスペンスの要素もあった。撮影にかけた時間は?

映画の構成に関しては、会場にいるマチルダが力になってくれたわ。香港での撮影は、あまりに衝撃的だった。ホテルでの緊迫感もすごくてね。だから彼女に最初に映像を見てもらったの。私は彼女が選んだ映像を見たのよ。

マチルダ・ボネフォイ:素材の量は、計算してないけど、たぶん20時間分ぐらいね。もう少し少ない可能性もあるかしら。それで、映像は全て桁外れだから、大変だった。全部、すばらしかったの。どの映像も衝撃的で、美しかった。だから取捨選択をすることが何より難しかったわ。驚くべき映像を捨てるしかないのがツラい、そんな局面もあった。でもすぐに、別の必要性にも気づいた。明確な物語の流れが必要だと気づいたの。シネマ・ヴェリテ風に物語を展開させて、時系列に追うのよ。そうしていくうちに、行ってはいけない方向も分かるようになった。例えばスノーデンの意見や発言を避けるべき時もあったわ。美しく力強い言葉でもね。彼はとても明敏で、思慮深い人間だから、映画に入れたい発言が多かった。でも後で使えないと気づくの。物語の形式から外れてしまうからよ。これが私たちが発見した重要な事柄の1つね。その後、ムダを省いて、今、見ていただいた形にしたの。

急いで記事を発表することが重要だった

──では質問を受け付けます。

(観客)スノーデンは2回ドローンに言及しています。ドローンが彼の決断にどう影響したかも、そのことや、彼があなたに接触した理由をもう少し聞かせてください。

それに関しては映画で見てもらったとおりで、彼の動機の1つが、NSAでドローン計画の拡大を見てたことだった。彼の言葉によれば、計画が縮小されることを望んだけど、そうはならず、かえって拡大した。彼の言葉に関しては、映画で見せたとおりよ。

彼が暴露をした原因の1つが、ドローン計画だった。だから最後にも出てくるスノーデン以外の情報提供者が現れて、ドローン計画について暴露しようとするの。

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras
映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』より ©Praxis Films ©Laura Poitras

(観客)勇敢な映画制作に感謝します。スノーデンはロシアでの生活をどう思ってるのでしょう?

彼の気持ちの代弁は避けたいんだけど、でも恐らく政治亡命ができたことに感謝してると思うわ。ロシアの政治に賛同してはいないだろうけどね。でも彼は選択したの。アメリカに居続けるという選択肢は彼には、なかった。だから彼は……でも同時に、彼の亡命を受け入れてくれる他の国があれば、考えると思うわ。

(観客)なぜホテルにいる間に、急いで記事を発表したのでしょう?一刻を争うような内容ではないと思えたのですが。つまり、なぜもっと計画を練らなかったのでしょう?スノーデンの安全のためにです。なぜ突然、状況が変わることをしたのでしょう?分かります?それに関連して、映画で見た以上の計画は本当になかったのですか?スノーデンの行動に関してです。

なるほどね。時間軸に関しては、思い返してみると……。彼が米国を出たことは、事後に知ったの。私はニューヨークに戻ってくる気だった。メリーランド州とかで彼に会うためにね。そしたら彼は出国してて、その瞬間、時計が動き出したの。

NSAで働いてて出国すれば、すぐにバレるわ。それで、それまでより少し急ぐ必要が出てきたの。記事の発表をね。彼の不在がバレるからよ。

彼の次の行動について、どこまで知ってたかだけど、それに関しては、それまでの私の経験では、彼は二段階で情報を伝えてくる人だった。

例えば“情報を渡す”と言って、“ここからダウンロードを”と。だから私が思ってたのは……彼の次の行動は分からなかったわ。見たとおり……。私たちは香港で知ったのよ。

彼の計画は、香港で完結したとね。あれが彼の計画の最後だった。香港の弁護士たちは、力を貸してくれたわ。彼が地下に潜伏できるようにね。とにかく時間に関しては、グレンも知ってるけど、急ぐ必要があったの。急いで記事を発表することが重要だった。報道されるようにね。全世界の人々に事実を知らせることが必要だった。

もう1つあるわ。彼が名乗り出ることに決まって、私たちは政府より先に彼の正体を明かしたかった。ベライゾン社の記事を出すと、政府はすぐに彼とリンゼイの家に来たわ。つまり彼がいないことがバレたのよ。私たちは彼に暴露の動機を一番に説明させたかった。

ドローン計画は言語道断

(観客)今回、帰国するにあたり、問題に遭遇しましたか?今回のことで政府からの嫌がらせを受けたりは?

何年も出入国の際に止められてきたけど、2012年以降は尋問されなくなったの。グレンが記事にしたらパタッとやんだわ。帰国に際しても問題はなかったわ。今回の件に関して政府から連絡はないわね。

(観客)私たちはドローン攻撃による民間人の犠牲者の代理をしています。映画の最後の図で一番下の人たちです。映画の中で不明な点が1つありました。あなた方が暴露したシステムは最先端で強力、つまり私たちは刑務所にいる感じですよね?ですが、民間人の犠牲者が出るのはシステムの限界で、メタデータをどれだけ集めても過ちはあります。でも私が理解できないのは、なぜ過ちが起きるかです。監督はどう思いますか?イエメン等の人々の死に、米国政府が無関心だからか、技術の限界ゆえか、それとも両方か。

ええと……私の意見としては、ドローン計画は言語道断よ。ドローンで人間を狙って殺すなんて、あり得ないわ。メタデータに基づいてようが関係ない。ドローン計画は民主主義国家の法の支配に反するわ。米国政府に関しては、実際、民間人の命に無関心よ。イラクでも米国政府は、民間人の犠牲者に無関心だった。それが変わるといいわ。私たちの報告がきっかけで、関心が高まるといい。ドローン計画と、民間人の犠牲者に関してね。

(2014年10月、第52回ニューヨーク映画祭でのQ&Aより)
▼映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』ローラ・ポイトラス監督ニューヨーク映画祭Q&A(字幕付き)




ローラ・ポイトラス(Laura Poitras) プロフィール

1964年2月2日生まれ。ドキュメンタリー映画作家。ジャーナリスト。アーティスト。彼女の映画は世界中の映画祭で上映され、ジャーナリストとして獲得したピーボディ賞など諸々の栄誉に加えて、アカデミー賞とエミー賞にもノミネートされた経歴を持つ。本作にて第87回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。イラク戦争に焦点を当てた“My Country My Country”(2006年・日本未公開)はアカデミー賞、インディペンデント・スピリット賞、エミー賞にノミネートされた。グアンタナモ収容所を題材にした“The Oath”(2010年・日本未公開)ではサンダンス映画祭撮影賞、エディンバラ国際映画祭ドキュメンタリー部門審査員賞、ゴッサム・インディペンデント映画賞ドキュメンタリー賞を受賞。上記の2作品は9.11以降のアメリカを描く3部作の前編と中編であり、このトリロジーの完結編となるのが『シチズンフォー スノーデンの暴露』である。彼女の作品は2012年のホイットニー・ビエンナーレに選出され、2016年2月5日~3月1日ホイットニー美術館で初の個展を開催した。エドワード・スノーデンから入手した文書に基づいたポイトラスのNSAリポートは、ガーディアンとワシントン・ポスト紙にピューリッツァー賞公益賞をもたらす一助となった。




映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』ポスター

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』
6月11日(土)より、 シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

ドキュメンタリー映画作家ローラ・ポイトラスの元に重大な機密情報を持っているとコンタクトしてきた者がいた。コードネームは、CITIZENFOUR。2013年6月、香港でのインタビューに現れたのは当時29歳のNSA職員エドワード・スノーデン。彼の告発とは、米国政府によって一般国民全ての通信は監視されているという衝撃の事実だった。世界を駆け巡った暴露“スノーデン事件”の始まりと真相、スノーデンの亡命までを克明に記録する。

監督・脚本:ローラ・ポイトラス
エグゼクティブ・プロデューサー:ジェフ・スコール、スティーブン・ソダーバーグ、ダイアン・ワイアーマン
プロデューサー:ローラ・ポイトラス、マチルダ・ボネフォイ
編集:マチルダ・ボネフォイ
製作:ダーク・ウィルツキ―
出演:エドワード・スノーデン、グレン・グリーンウォルド、ローラ・ポイトラス
原題:CITIZENFOUR/2014年/アメリカ・ドイツ/英語・ポルトガル語・ドイツ語/114分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル
字幕翻訳:中沢志乃
字幕監修:濱野大道、武藤陽生
監修協力:田口俊樹
原作:「暴露 スノーデンが私に託したファイル」(新潮社)
提供:ギャガ、松竹
配給:ギャガ・プラス

公式サイト:http://gaga.ne.jp/citizenfour/

▼映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』予告編

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