骰子の眼

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東京都 新宿区

2016-05-10 17:30


『リップヴァンウィンクルの花嫁』の作り方、1万3千字 岩井俊二監督インタビュー

映画、テレビ、ネット、小説とマルチ・プラットフォームで展開するクリエイティブな発想とビジネス面の探求
『リップヴァンウィンクルの花嫁』の作り方、1万3千字 岩井俊二監督インタビュー
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二監督

劇中、黒木華演じる七海が家庭教師を行っている少女がパソコンの向こうから七海に話しかける「東京ってどんなところですか?」。
岩井俊二監督の『リップヴァンウィンクルの花嫁』はその少女の問いの答えとして描かれているようだ。「東京ってこの映画のようなところだよ」と。
そして、今回の映画の公開の仕方は、「これが今の映画の公開の仕方」とでも言うように、映画館、テレビ、ネット、小説とマルチ・プラットフォームで物語が展開されている。
岩井監督にこの映画が出来るまでのバックグラウンドを聞きたいと思い、インタビューをオファーし、公開からひと月経った頃実現した。
『リップヴァンウィンクルの花嫁』の作り方から、世界の中の日本映画、そしてその問題点と突破口の可能性までを一気に語ってもらった。

戦略としてこのバージョンのここが違うという
情報発信をしなかった

──今回の『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、小説と映画とネット、テレビ、と様々なプラットフォームで発表するスタイルですが、これははじめから岩井さんが考えていた計画だったのですか?

そんなに緻密な計画があったわけではなくて、途中からですね。

──どれくらいの期間で撮ったのですか。

約1年を通して4、5回に分けて撮影しました。第1期を撮って、数ヵ月待ち時間があったので、その間に脚本をまた直して、次を撮る、という方法をとりました。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』岩井俊二監督
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』撮影現場の岩井俊二監督

──映画を撮りながら、小説も書いていったのですか?

小説は最初に書いたバージョンはあったけれど、ロケハンしたり撮影が全部終わったあとに、全部書き直しました。ロケハンや撮影には、例えば結婚式場がこうなっているとか、小説にフィードバックするのにうってつけの情報がいっぱい入っているんです。そこで、撮影と並行して小説自体を肉付けして、進化していくような作り方でした。

──小説にアウトプットしよう、というのは撮影のときから頭にあったということですね。

そうです、でも小説のフルサイズを映画にすると、2時間や3時間では済まないので、全てのシーンを撮影するかしないか、という判断が必要でした。そこで、プロデューサーの宮川朋之さんに「テレビドラマなら、そちらで反映できるから」と言われて、ドラマ分も撮れそうだということで、現場で撮れるだけ全て撮って、その後でどのバージョンをどうするかを考えるようにしました。

──それぞれのバージョンの違いは?

3時間の劇場版と2時間の配信限定版、そして全6話のドラマ版は劇場版より長いですけれど、映画のクライマックスが入っていなかったりする。つまり、どれを観ても完結しないようになっています。さらに、海外版は2時間ですがまた違っていて、いろんなバージョンを観られない人のために、ひととおり全ての要素を盛り込みました。

──去年の9月に日本でもNetflixがローンチして、hulu、Amazonプライムも台頭し、ネットで映画やテレビドラマを観る人が多くなっていますが、そこは視野に入れていたのですか?

既にそうした環境になっているので、ではどう楽しませるか、というときに、これだけプラットフォームが増えて、現場でも収集がつかなくなっているんです。ありがちなのは、制作者が「どれを観せたらいいのか」と考える。でも、全てのプラットフォームを観てもらわないと済まないような宣伝をこちらはしたかった。結果的にお客さんはひとつしか観ないかもしれないけれど、それをこちらが先読みして「どれかひとつを観てください」という言い方をしたら、必ず個別に観られてしまうし、いちばん観せたいものを観せられないという状況も生まれてしまう。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──そのために、具体的にはどんな仕掛けを考えたのですか?

まず、「このバージョンはここが違う」といった詳しい情報発信をこちらからせずに、あるバージョンを観たけれど、他の情報をみるとあれ、こんなシーンなかったけど?と観た人が気づいて焦るような仕掛けを作りました。

ひとりで書くという胆力がないと
脚本は書けない

──2005年からロサンゼルスを拠点に活動をされてきましたが、Netflixやhuluは利用されていましたか?

そうですね、普通にあるものでした。日本がいちばん遅れていますね。

──アメリカで、映画館に行って映画を観る観客について感じたことはありますか?

海外にいると、本来こうあるべき、という自分のセンサーがあまり働かなくて、それが正しいか、正しくないかの判断がつけづらい。例えば「安保法案反対」と言われると、日本人だとすごく分かるけれど、アメリカでそういう問題になっていても、他人事というか、所詮関係ないから入り込めないし、入り込む気もないし、というのがあって。だから、向こうのインフラも「こういうものなんだ」と思うだけだし、ショップでのビデオの売られ方も「そういうものなんだ」と、わりと客観的に見ていました。そのうち、レコード店もなくなっていったし、書店にもお客さんがぜんぜんいなくて、スターバックスも店のなかに人がいないので、大丈夫なのかなとは感じていました。

──海外ドラマでハマった作品はありますか?

そんなには観てなかったですけれど、当時は『ヒーローズ』くらいですかね。それから、ちょうど『ヴァンパイア』(2012年公開)のときに『トゥルーブラッド』をやっていて、観たらポルノみたいなベッドシーンがちゃんとあるような作りになっているんです。ペイTVだと、ケーブルによっては最初からそうした層狙いで、これが評判になってるのか、と驚きました。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──岩井さんの脚本の書き方は、最初にプロットを箱書きのように書くのですか。

いろいろです。プロットから始めてシナリオに移行する時もあれば、いきなりシナリオを書く場合もあるし。どうやれば映画として成立するのか、という試行錯誤は学生時代からあって、20代から40代の間ずっとそれに費やしてきました。取材したら良くなるわけでもないし、そこは自分のなかで解けていないパズルです。だからこそ、脚本を書くのは苦しくて大変な作業です。ただ、完成した作品の出来栄えは、お客さんが観て「これはつまらない」「これはおもしろい、すごいや」と分かるくらい、誰でも分かることです。だから僕もそこに照らしあわせて、実感しながら、仕上げていく。この企画も「ぜんぜんダメだな、何かが足りない、何が足りないのか」「このファクターを入れたらどうだろう」と何年かずっと苦しみ続けてきました。

──それはひとりで行う作業で、途中で誰かに読んでもらうということはしないのですか?

仕事上見せるという段取りはありますが、基本的にはひとりです。脚本は共同制作は無理です。作家が書く物語というのは、全てが繋がった一本の糸だと思うんです。コラボする場合、その糸を維持しなければいけなくて、他の人の意見を入れてしまった時点で糸が切れてしまう。そうすると、あまりうまくいかない。一見うまくいっているように見えても、持続力がなくなってしまう。黒澤明監督も数々の名作を複数のライターとのコラボで作っていたけど、メンツが変わり、やがてひとりで書くことになると、その時点ではもう、ひとりで書く、という胆力がなかったような気がします。その理由は僕は痛いほどよく分かります。あれだけたいへんな作業を人の手を借りてやったら、二度とひとりで書けなくなってしまいます。我慢して、あまりはかばかしくなくても、自分が作れる話としてここが限度、というところで終わりにしないと、次に繋がらない。漫画家さんも小説家さんも、それでやっているわけだから。そこは映画は怠けてはダメだと思います。

──脚本を、ここで書き上がった、というのは自分のなかでどこを基準にして決めるのですか?

「ここをよしとするか」という直感に近くて、100点満点の脚本はあまり作りたくないですね。むしろ60点、70点で終わりにしたいという感じはあります。そうしないと、現場がコンプリートするためだけの場所になってしまうし、誰が撮っても同じになってしまう。ただ、これでぜったい行ける!必ずこのポイントを通ると映画になる、というところは読んでいます。

──では、その脚本という道しるべを持って撮影に挑んで、そこから先は個人の胆力ではなく、映画制作は一気にチームワークになりますよね。

そうでもないですね。結局、この作品が良くなるか、悪くなるか、というのを把握しているのは監督しかいないので。みんなの手も借りますけれど、誰もそこの責任は負ってくれないですから。誰も完成形が見えているわけではないし、そこをシェアしているわけでもない。依然監督としては孤独なんです。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

カメラも照明も仕上げも自分でやってます

──プロデューサーとしての岩井さんのポジションは、クリエイティブな部分とファイナンスの部分の両方なのですか?

ほぼ全域に及ぶと思います。もちろん契約書の部分もやっています。プロデューサーとしてクレジットされている日本映画放送株式会社の宮川朋之さんは全体のディストリビューションが中心です。クリエイティブな部分は僕が全部コントロールしています。

──6Kで撮影していて、神戸千木くんがカメラを担当していますが、岩井さんもカメラをまわしているのですか?

今回はほとんどないですね、ほぼ2カメで、神戸くんがメインキャメラでした。

──撮影はすごくよかったです。撮影は監督がコントロールしている部分なのですか、それともカメラマンの人とシェアしてしまうのですか?

現場ではさんざん怒りました(笑)。カメラをひとに委ねた瞬間に、画は7割くらいでOKを出さないと、ほんとうに入りたい構図に入れない。それをやりたかったら、スケジュールに余裕があれば自分で撮ったほうがいい。『ヴァンパイア』は3カメのうち1カメを僕が撮りましたが、ほかのふたりもいいカメラマンだったので、納得できない画はほとんど発生しなかった。ただ、自分がカメラをやってしまうと、フォーカスとかも担当することになって、現場を見ていられなくなるというデメリットがあったので止めたんです。自分の思惑通りの画というのは、こういうアングルで、という話ではなくて、プロのレベルでしっかり撮ってくれれば、それ以上の要求はありません。でも、日本に戻ってくるとそのクオリティが出づらい。今回は、画になったところだけを使って、あとはほとんどゴミみたいな素材、そのぐらい使えなかったです。編集の妙みたいになっているけれど、裏の画をみたら使えないものだらけですよ。日本に帰ってきたらこういう目に遭うのかと思いました。

現場のなかにカメラがいる、ということ自体をまだ分かっていない。芝居中なのに自由に動きすぎてしまうし、助手は「ここにいていいんだろうか」と逆にビビっている。だから彼には「ドキュメンタリーをやれ」って教えてるんですけれどね。ドキュメンタリーであればぜったい中断できないですから。まだ若いですし、これからじゃないですかね。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──現場のスタッフは何人だったのですか?

2カメの撮影部だけで6、7人いて、照明部がうちはいなくて僕が自分でやっています。録音も基本2人くらいで正規の録音部ではなく、アフレコ前提で撮っています。全ての音を録って帰る、と決めてしまうと、撮影現場が止まってしまう。音はここで録らなくても後でどうにかなる。もちろん使える音もあるので、そんなにアフレコは多くなかったです。低予算の場合、そういうことまで考えないと撮れないです。撮影って1時間で安くても20万円ずつくらい消えていってしまいますから、超高いタクシーか銀座のクラブですよ。無駄なことで現場を止めることがどれだけリスキーか。そんな中でスタッフに委ねすぎると監督のための時間ってほとんどなくなってしまうんですよね。だから照明も自分でやるようになったし、録音も最少人数にした。そうすると、やっと役者と監督の時間が充分とれるようになって、撮りたいものが存分に撮りきれる。どの監督にも有効とは思いませんが、僕にとってはこれが一番スッキリしたやり方でした。

──タランティーノの『ヘイトフル・エイト』に参加したプロダクション・デザイナーの種田陽平さんにインタビューしたときも「日本では録音部の力が現場で大きい」と話していました。

そこまでではないとは思いますが、現場に不満はいろいろありますよね。監督のために奉仕しない、というと意外かも知れませんが、いわゆる「おもてなし」という意味では欧米でもアジアでも海外の方が格段に監督を「おもてなし」してくれますね。日本の場合、あんまり口出しして欲しくないようなムードがある。まずは自分の仕事を全うしたい。そんな感じです。

──岩井さんが照明の機材をいじるのですか?

カメラも照明もいじるし、仕上げも全て、ProTools(音響ソフト)まで自分でやっています。基本、ひとりでできることが前提です。そのうえでひとに任せれば、どこが必要でどこが無駄か分かる。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

日本の映画の現場はもっとスリム化できる

──撮影現場ではモニターを見ているのですか、それとも役者を見ているのですか?

モニターが完成品なので、モニターですね。フォーカスが合ってなかったらOKを出せない。これを他に見る人はいないので、役者の芝居を見ているだけじゃなくて、素材として成立しているかをチェックまでしなければいけない。それでも2カメになってくるとなかなか見きれないですけれどね。これが次の課題です。

──現場にはいろいろまだフラストレーションがあるようですね。

日本の現場で意味不明な幻想論をさんざん耳にしてきたけど、何の根拠なの、それって、ということばかりでした。映画に必要なものが必要だったものであって、そこに使われないものはいらないもの。そうした取捨選択をしていくと、もっとスリム化できるんです。みんなから煙たがられながら、日本でもそうしたスタイルでやっていたけれど、ハリウッドは案外僕のやり方によく似ていたし、むしろさらに合理的ですよ。本番を「よーいスタート!」とはじめて、途中で切らずに一周ぜんぶ芝居をするんですよ。でも日本ではシーンの頭から撮って、5秒くらい経つと切ってカメラポジションを変えたり、カットごとに分けてしまう。僕はぜったいそんなことはしなかったです。だってその間、次の準備までに何分取られるのか。アングル変えて計4、5回、4、5分のシーンであればカバーショットという足りないところやキメを撮っても2、3時間で終わりなのに、日本では1日かかってしまう。『Love Letter』のときは2日とかかかっていましたから。こんなムダはないですよ。だから粛清がいるなと、自分のやり方を通していったんです。最初は役者から「ワンシーンのセリフを全部覚えてないから一言ずつ撮ってくれ」とか抵抗されましたが、「うちはこうやってるんで」と言うと、みんな渋々、ぜんぶやるようになりました。

アメリカでは途中で止めるなんて考えもないし、本番中に助監督がやってきて「もう1回やるか?」と聞くんです。「ではもう1回」と言うと、カットをかけずに、2周目が始まる。役者も元の位置に戻って、3回でも4回でもやるんです。なぜ途中で止めないかというと、メイクが入ってきたりするのがいやだから。消え物とかがあるときは止めますけれど、なければそのまま何度でも撮ります。

──それは1カメではもったいないですよね。そういう場合は2カメ以上使っているのですか?

2カメもありますし、ステディカム1台のときもあります。本気で撮ろうと思ったら突っ込んでいかないといけないので、他のカメラが写ってしまい使えなかったりします。それでも1カメをメインにしておかないと。そのカメラがひとまず自分がほしい画をぜんぶ撮るので。Bカメはたまたま写っていないところに入って返しを撮るというかたちで使っているので、その面では役に立ちます。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

日本人はよくも悪くも職人気質

──海外と比べると日本の映画制作は、何がいちばん問題なんでしょうか?

やっぱり、サービスということにプロフェッショナリズムを持っているかどうかなんです。自分たちがなんのためにいて、誰にサービスするためにここにいて、なんでお金をもらっているのか。海外の人はプロだから、みんな分かっている。日本人はよくも悪くも職人気質。みんなてんでに自分の仕事をしたがるし、そこを邪魔されたくない。最近の若い人は少し違うかもしれないけど。上の世代なんかはみんなそうでしたね。

──でも岩井さんも、きちんとスタッフがやっていればいろいろ言わないわけですよね。

でも、そのコミュニケーションのやり方だと、思い通りには作れないです。勝手にやってもらってるだけで、こっちは何も楽しくないし、「これでいいですか」だけ言われるから。だんだん邪魔になってくるから、自分でやったほうが早いやと。そういう意味ではハリウッドシステムも僕には無用の長物かも知れません。実際『ヴァンパイア』の時は相当自分流にカスタマイズさせてもらいました。監督にたっぷり使える時間がある、というのとぜんぜん無い、というのでは、作れるものが違ってくる。その点ではハリウッドもユニオンとか制限がたくさんあって決して使いやすいシステムではないけど、監督のカスタマイズできる部分とできない部分がはっきりしているから分かりやすい。この分かりやすいというシステムが大事です。

──俳優とのコミュニケーションについては、日本と海外は違いますか?

あまり変わらないですね。男性は日本人でも外人でもコミュニケーションを取りたがります。「筋が通ってないと」みたいなことが、監督からすると、いろんな仕事をやっていてなかなか対応できないこともある。女性は、何も言わない人が多いですね。直感でやって、直せと言われれば直す。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──6Kで撮影されたのは、後で仕上げを2Kでやるならば、後で素材をいろいろ切り取れるからですか?

そういう意識は今回あまりなかったです。『なぞの転校生』という、長澤雅彦くんとやった深夜ドラマは、2日で1本ずつ撮っていかなければならないスケジュールだったので、さすがに寄りはトリミングで切り取ろうと、引きだけ撮ることにしたんです。今回はそこまで厳しくなかったので、必要な素材は全部撮れと言いましたが、ただ手ブレがやたら多かったので、それを補正するためにトリミングしたというのはたくさんありました。スタビライザーをかけて止めるとか。普通こんなに揺れてたらダメだろって。

映画のスタッフの仕事は「全体」が分かったうえでの「部分」

──さて、その後の編集は全て自分でやるのですか?

取り込みはアシスタントがやりましたけれど、素材の編集はプレミアでぜんぶやりました。4K、6Kになると、ファイナル・カットだと10までバージョンアップしないと無理で、評判がよくないので、いまはプレミアに切り替えました。新しいソフトに切り替えるのは大変なんですけれど、すぐ慣れましたね。編集には3、4ヵ月くらいかかりました。

──脚本を書く作業と同じで、まったくひとりでやる作業ですか?

そうですね、自分で撮って帰ってきているので、その素材が何か知っているから、記録用紙がいらない。ナンバリングとか関係なく、撮ったときの日付だけあれば、繋いでいける。今まで困ったことはないです。

──音については、ダビングに入るまでの効果音などは?

助監督がやりますね。日本の音響ともやったことはあるけどあまりうまくいった試しがない。結局映画って、全体が分かったうえでの部分なんです。部分だけ知ってる人に頼んでも、だいたいトチ狂っている、それがいちばんの問題。映画はなんのために撮影があって、音にはこういう必要がある、ってどんな年寄りが来ても最後はこれを説明しなくちゃいけない。オールラウンドで勉強していない。脚本を書いたことはあるのか?カメラで何か撮影したことはあるのか?ProToolsのマニュアルを最後までちゃんと読んだことがあるのか?僕は怒るとほんと怖いですよ、呼ばなきゃよかった、これでこんな金とるのかよ、お前、って怒りながら相手が可哀想になってくる。揉め事は避けたいですよ。だから助監督に効果音を録音させるんです。

──それは日本の映画業界には、プロフェッショナルが少ないということですか?

そうとも言えないとは思いますが、プロにオーガナイズされた、プロの組織のなかにいないとなかなか体系的な教育は難しいでしょう。僕もプロじゃなかったけれど、庵野秀明さんたちと同じで、学生のときに全部自分たちで作ったことがあるというところからスタートしているので、全体が分かる。ところが、専門学校でひとつのパートだけ学んでそのまま現場に来てしまうと、それ以外のなんの知識もない。それでそのまま行ってしまっては危険ですよ。スタッフは業界によっていいとこ悪いところがあったりもします。自分に合ったスタッフを探すのも大切。制作はテレビドラマをやっている人に頼むし、カメラはできるだけドキュメンタリー系から頼んだり、照明がどうしても必要なときは、CMから呼んだり、と分けています。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──全て音の素材が助監督から来て、音楽も揃ったあと、ダビングはどこで行ったのですか?

今回ドルビーアトモスを使ったので、最終ミックスは東映のスタジオに入りました。その手前の仕上げまではハウススタジオで、僕と田辺さんという『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の頃からやっている友達とProToolsでやります。東映のスタジオではセッティングだけしてもらって、オペレーターが触ることはなく、僕らが1日とか2日で終わりです。その段階で大きな問題があったら、自分のスタジオに引き上げてしまいます。そしてまた持ち込むという。予算があまりなかったので。ドルビーアトモスはすごいですよ、音像がステレオと5.1chくらい空間の感じが違います。

日本映画界はプロデューサーがクリエイションに幻想を持ちすぎる

──配給を東映に頼んだ理由は?

プロデューサーの紀伊宗之さんが、当時はティ・ジョイで、途中から東映に変わりましたが、『花とアリス殺人事件』を一緒にやっていて、相性もよかったので、面白い人だし一緒にやることになりました。彼も革命児的で、日映の宮川さんもそうですけれど、既存を破壊できる者同士が集まれたので作れました。

──ディストリビューションに関しては、日本と海外の違いはありますか?

そんなに大きな違いは感じないです。というのは、やっぱり見積もりあっての世界、数字の世界だから、幻想のたてようがない。そういうときほど人間ってクリアになることはなくて、そこはアメリカ人とやるときでも、中国人とやるときでもそう。中国はいま国が映画製作に入ってくるので、国の意向や供託とかややこしいことはいっぱいあるんだけれど、そのひとつひとつの項目を民間の人たちが分析しきっているので、課題は分かっていて、仕事は前に進む。でも今までの日本映画は、そこがグレーな感じが多すぎたんだろうと思うんです。例えば撮影中止が起こると、確実に1社、2社が倒産の危機になる。今までのケースを見ていて、たくさんいろんな名だたるインディペンデントのプロデューサーたちがお金問題で消えていったじゃないですか。映画界にとって重大な問題です。

──どこが問題なのでしょう?

ふたつあって、ひとつはプロデューサーに資金的な責任を負わせすぎている。そういうことをやっていると、クリエイティブな才能を持っていても、潰れていってしまう。もうひとつは、その人たちの中にはちゃんとお金の勉強をしていない人も多い。それはしくじるのは当たり前だよっていう。クリエイションに幻想を持ちすぎて、現場の人たちと一緒に映画を作ってる幻想に酔いすぎていて、現実的な問題を何も把握していないから、現場のウケはいいからその期待に答えようとして情に走ってやっちゃいけない一線を踏み越えたり、いろんなことをしてしまう。そこはあくまでドライに、お金の問題として、エクセルのセルをひとつずつ勘定するようにやっていけば、失敗するはずないのに、と僕なんか思います。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──岩井さんはクリエイティブな部分とビジネスの部分、両方自分でやる。クリエイティブの部分は自主映画から続けてきたことで分かりますけれど、ビジネスの部分はどこで覚えたのですか?

それは現場です。実際に次々目の前に現れるので。それをしっかりやった結果だと思います。それは何も不思議ではなくて、映画を作るって結局、映画のなかに出てくる事象に関しては徹底的に調べて現実化していかなければいけない。自分の持ってるものさしが正しいのかどうかを確かめるには、ビジネスの領域も触ったほうがいい。ビジネスの面で自分の技術が成立するとなれば、小説で書いても間違いないはずだし。経済的裏付けを知らないで小説を書いたら、だいたい嘘になります。この主人公相当自由人だけど、どうやって生きてるの?みたいになっても困るわけで。常にほんもののビジネスの場で、自分たちがやっているビジネスを学ぶ。お肉屋さんであればお肉屋さんのビジネスをしっかり全うできていれば、ちょっとした大きな企業の論理も分かってくる。お金のことがぜんぜん分からないまま、いろんな人を取材やリサーチしても、なにも分からないですよ。でも周りをみるとなかなかそこまで及んでいる人はいないです。

──監督ではあまりいないでしょうね。

日本はそういうところがすごく子供っぽくなってしまうんですよね。それで書けるんだから、よっぽどみんな頭いいんだと思います。僕は実体験しないとぜんぜん分からないので、書けないですよ。常日頃、会社を運営したり、新しいアプローチとして海外でプロジェクトと組んだりすると、面倒くさい契約書がいっぱいくるし、見積もりも見なくてはならない。でも、それをやることでみんながどう仕事しているかというリアリティが分かって、大人社会を理解することができると思うんです。

プロで脚本をやっていたり、小説をやっていたり、助監督もそうですが、リサーチを怠るということはぜったいあってはならないことです。その技術で以って自分たちの業界をリサーチするのは当たり前だと思います。企業を舞台にした映画を作るとなったら企業を取材してできる限りつまびらかに解読するのに、自分たちの業界がどういう仕組みになっているか、案外そういう所にはなかなか踏み込まない人も多い気がします。この業界にいながら自分たちの居場所しか知らない人があまりにも多すぎる。それはまったくクリエイティブじゃないですよ。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──そうですよね、照明もいまは小さいLEDで光量が強いものがどんどん出てきているので、予算のないインディペンデントだったら、ちょっと置くだけでいくらでもいい画を作っていけるはずだから。

顔に少しやわらかい光をあてるのに、今までだったらHMIライトの5キロを持ってきて、白い膜を貼って遠目から当てて、ということをわざわざやっていたけれど、至近距離からLEDをさっと当ててあげたら、片手でOK。それは、両方のやり方を知ってるからできるんですけれどね。ただそれは経験して、手品のアイディアを考えるように、なにかうまい手はないかな、と裏をかく手はないかなと常に考えていると、こうすればいいじゃない、というのが出てくるんです。

『Love Letter』では、光が変わっていくのを止めるために、デイシーンなのに、ある屋敷を全て黒で覆って、照明を当てて作っていた。そのシーンは2日かかったんです。でも、ドラマでは同じような撮影が1時間で撮りきれていた。だからそっちに戻したらいいだけの話だ、と思えたかどうかなんです。そうするとそこの装置は全ていらなくなる。それだけで2日、3日余裕が生まれて、5、600万の貯金が貯まるので、ときどき天候待ちしても大したことないんです。

『Love Letter』のときは、それを誰も与えてくれてなかったので、好きにやっていい、と言われて、最後のほうに予算がなくなったので、大事なシーンが撮れなくなりそうになったことがあったんです。お金の計算をちゃんとプロデューサーしてくれない悲惨さを痛感したので、それから、そういうシステムはやめて、ちゃんと自分でコスト管理もするようにしました。重要なシーンは最後に回さずに後半の前半くらいにして、最後はお金がなくなったときに友達と手弁当で撮れるシーンしか残さないようにしたりとか。

コストに関しては、監督は知る権利はないので、教えてもらえないことも多い。プロデュースにコミットすることで初めて予算が開示される。委員会にコミットすることでようやくすべての情報が手に入る。『スワロウテイル』の時、アメリカで上映が決まりそうになったときに日本サイドの委員会から待ったがかかって、で結局うやむやで終わってしまったんですよ。これはなんだろう?と思っていろいろ文句を言っていたりしたんだけれど、そこで、出資して委員会にコミットしないと、そこの情報は開示されないし、コントロール権もないんだということが分かったので、『四月物語』以降はセルフプロデュースに変えて、最低限そこに干渉できる位置をとりながらやってきました。本気で、急にギアチェンジやハンドルチェンジして右に曲がりたくなったときに、動かせるためのポジションとりはすごく大事で、それは監督じゃ無理なのが、やってみて分かりました。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

YouTubeやiPhoneを使った新しい子たちが
日本の映画の突破口になる

──いまは、中国での活動をされているのですか?

2つの作品をこれまでプロデュースしてきて、今度3つめをプロデュースするんです。若手の育成が主な目的です。

──そこにはロックウェルアイズがプロダクションとして関わっているのですか?

関わってないです。僕個人が行っています。なかなか同じやり方では難しくて、むしろひとりで行って見聞を広める段階です。ほんとうに、システムがどんどん変わるので、頭がいいんです。ラッキーな状況になってくるととたんに国が介入してきて、レギュレーションを変えてくる。国益を守るという意味だとほんとうにすごい国だと思います。中国では、FacebookもTwitterも使えないので後進国だと思っている人が日本では多いんですけれど、とんでもない話で、外国産のSNSを輸入していないだけなんです。共産国でそこは自由にコントロールできてしまうので、新しいものがでるとそれを全部コピーして、自分たちのオリジナルにする。YouTubeであればYoukuを出す。日本は、自由貿易のなかの闘いで負けているわけですよ。

──岩井監督はアジアの若手の支援をしているのですか?

そういう依頼は多いですね。でもあんまり教えることがないんですけど。みんな既にいろいろ知ってます。ハリウッドで勉強して帰ってきたという人も多いし。でも意外と彼らはハリウッドかぶれしていなくて、監督が脚本書いて当たり前、何なら絵コンテも描いてしまう。ハリウッドにはない発想です。「なぜそんな考え方をしているの?」って聞いたら、「みんな岩井さんの真似しているんですよ」って(笑)。そこはしたたかで、いいとこ取りなんですよ。むやみに真似しているのではなくて、ハリウッドをみてきてもなお、岩井はこう撮ってるからいいんだ、というそのしたたかさだなと思いました。日本人だと、そこから習うとそれが正しいと洗脳されて帰ってきて、それ以外の発想にならない。日本人はどこかずっと受け身なんですよね。魂を何かに預けるのが好き。人に認めて貰うのが好き。そうやってアイデンティティを形成してきた歴史があるからなかなかそこから脱却するのは難しい。

とにかく国内需要を盛り上げることについては、中国政府は積極的だから、これからしばらくは繁栄するだろうという印象を持っています。そこで日本もそれを真似しようとなったときに悩ましいのは、シネフィル的に成熟している国で政府が資金的な助成すると、観客のニーズからは確実に逸脱する。ヨーロッパでもあった現象です。資金援助を興行の失敗の尻ぬぐいに回した。作家はより自分の好きなものを自由に作れる。聞こえはいいけど、それは成熟したクリエイターの本質を知らない。観客に迎合するものなんか本当は作りたくもないのが作家ですからね。韓国も中国も,観客とクリエイターが同時に成長するタイミングと政府の支援が合致した。これが重要なポイントです。英語ではよく喩えでダイナソー(恐竜)といいますが、恐竜化した状態からどう進化していけばいいのか、というのが今後の日本映画の課題かも知れません。

──そこから抜け出るためには、どうしたらいいかを考えます。

僕も『スワロウテイル』をやったときに思いましたけれど、自分のスタイルでお客をこれ以上広げるのであれば、ぜったいどこかを劣化させなきゃ無理だって、体感で感じていたので、アメリカやアジアに行ってみたんです。同じ趣味の人間は世界中にいるはず。ならば足りないぶんは海外で補おうと。そうすれば、より自分の好きなものを自由に作れる(笑)。悪い兆候です。

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

──でも今回は、内容は劣化させずに、ヒットしています。

そのインディペンデントの枠では、です。映画市場がどんどんシュリンクしていくなかで、新しい映画を好きになってくれる人をどう生み出していくかは、ほんとうに課題です。僕らが若いころに大林宣彦さんが出てきたとき、カルチャーショックで、貪るように観たんです。でも、今観るとなぜっていうくらい、子供だましみたいな部分で喜んでいた。でも子供だから騙されたんですよね。面白かったんです。逆に、良くできた映画って、介入のしようがなくて、楽しめなかった。その楽しめない映画を、時間をかけて、ビスコンティとかシネフィルの人たちに教えてもらったという経験があって。でもそれって、教育の名の下には成立するけれど、いきなりは無理だし、YouTuberが作る馬鹿なんじゃない?というレベルから再スタートしないと、リセットできないのかもしれない。

稚拙なコマ撮りでも合成でもいいからどんどん遊んで、そのなかにちょっとしたこだわりや情緒や楽しさがあるような作品を、次の若い子たちがやればいい。だから僕らは悪い例で、悪い先輩だったんです。子供だましじゃないものを変に気取って、真面目なものをやったりしていたから。YouTubeやiPhoneを使った新しい子たちが新しい突破口になって、おりこうさんで世界の賞をもらうなんてことを目指さずに、広く大衆に受ける楽しいものをもっと作ってほしいなと思います。

(インタビュー:浅井隆 構成:駒井憲嗣)



岩井俊二 プロフィール

1963年生まれ。1998年よりドラマやミュージックビデオ、CF等多方面の映像世界で活動を続け、その独特な映像は“岩井美学”と称され注目を浴びる。映画監督・小説家・作曲家など活動は多彩。監督作品は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(93)『Love Letter』(95)『スワロウテイル』(96)『四月物語』(98)『リリイ・シュシュのすべて』(01)『花とアリス殺人事件』(04)海外にも活動を広げ、『NewYork, I Love You(3rd episode)』(09)『ヴァンパイア』(12)を監督。2012年復興支援ソング『花は咲く』の作詞を手がける。2015年2月に初の長編アニメーション『花とアリス殺人事件』が公開し、国内外で高い評価を得る。




映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』
全国順次ロードショー公開中

映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ
映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』より ©RVWフィルムパートナーズ

声の小さな皆川七海は、派遣教員の仕事を早々にクビになり、SNSで手に入れた結婚も、浮気の濡れ衣を着せられた。行き場をなくした七海は、月に100万円稼げるというメイドのバイト斡旋を引き受ける。あるじのいない大きな屋敷で待っていたのは、破天荒で自由なもうひとりのメイド、里中真白。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出すが……。

監督・脚本:岩井俊二
出演:黒木華、綾野剛、Cocco、原日出子、地曵豪、和田聰宏、佐生有語、金田明夫、毬谷友子、夏目ナナ、りりィ
エグゼクティブプロデューサー:杉田成道
プロデューサー:宮川朋之、水野昌、紀伊宗之
撮影:神戸千木
美術:部谷京子
スタイリスト:申谷弘美
メイク:外丸愛
音楽監督:桑原まこ
製作:RVWフィルムパートナーズ(ロックウェルアイズ、日本映画専門チャンネル、東映、ポニーキャニオン、ひかりTV、木下グループ、BSフジ、パパドゥ音楽出版)
制作プロダクション:ロックウェルアイズ
配給:東映

公式サイト:http://rvw-bride.com/

■「リップヴァンウィンクルの花嫁 serial edition【全6話】」
BSスカパー!(BS241ch)、スカパー!4K総合(CS595ch)にて放送
※放送は終了しております

■「リップヴァンウィンクルの花嫁【配信限定版】」
各配信動画サイトより絶賛配信中
※4K版は「ひかりTV」にて独占配信中

詳細は公式サイト「on Air&Online」より各プラットフォームのサイトをご確認ください
http://rvw-bride.com/#section11

▼映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』予告編

小説『リップヴァンウィンクルの花嫁』

小説『リップヴァンウィンクルの花嫁』
著:岩井俊二
発売中

1,512円(税込)
文藝春秋
300ページ

Amazonでの購入は下記より
http://www.amazon.co.jp/dp/4163903771/webdice-22

レビュー(1)


  • 天見谷行人さんのレビュー   2016-09-01 13:12

    リップヴァンウィンクルの花嫁

    2016年8月6日鑑賞 岩井監督が仕掛けた3時間の罠 多分、文学少女の気質を持ったまま、大人になってしまった人たちが、岩井俊二監督作品に引き込まれて行くんだろうなぁ~、と思う。 「花とアリス」 https://www.youtube....  続きを読む

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