[写真:上段左より『Fire at Sea』『A Lullaby to the Sorrowful Mystery』下段左より『Death in Sarajevo』『Things to Come』]
第66回ベルリン国際映画祭の受賞結果が2月21日に発表された。メリル・ストリープが審査員長を務めた今年は、『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』のイタリアのジャンフランコ・ロージ監督がヨーロッパの難民問題をテーマに、多くの難民が辿り着くイタリアのランペドゥーザ島を舞台にしたドキュメンタリー『Fire at Sea (Fuocoammare)』が金熊賞とエキュメニカル審査員賞に輝いた。
その他、『鉄くず拾いの物語』のダニス・タノヴィッチ監督が、サラエボの一流ホテルを舞台に第一次世界大戦勃発のきっかけとなった「サラエボ事件」について描く『Death in Sarajevo』が銀熊賞・審査員グランプリと国際批評家連盟賞を受賞。また銀熊賞のアルフレッド・バウアー賞にはフィリピンのラヴ・ディアス監督の新作『A Lullaby to the Sorrowful Mystery』が選ばれた。そして、昨年日本でも『EDEN/エデン』が公開されたミア・ハンセン=ラヴ監督作でイザベル・ユペールが哲学教師を演じる『Things to Come (L’avenir)』が銀熊賞・監督賞を受賞した。コンペティション部門の受賞結果と各作品の予告編・ティーザー動画を以下に掲載する。
なお、パノラマ部門の国際アートシアター連盟賞を、桃井かおりが出演、東日本大震災後の福島が題材のドリス・ドゥリー監督作『フクシマ・モナムール(Fukushima, mon Amour)』が受賞している。
【金熊賞】
ジャンフランコ・ロージ監督『Fire at Sea (Fuocoammare)』[イタリア・フランス]
*エキュメニカル審査員賞、アムネスティ・インターナショナル賞、「ベルリーナー・モルゲンポスト」紙読者審査員も受賞
【銀熊賞・審査員グランプリ】
ダニス・タノヴィッチ監督『Death in Sarajevo (Smrt u Sarajevu / Mort a Sarajevo)』[フランス・ボスニア ヘルツェゴビナ]
*国際批評家連盟賞も受賞
【銀熊賞・アルフレッド・バウアー賞】
ラヴ・ディアス監督『A Lullaby to the Sorrowful Mystery (Hele Sa Hiwagang Hapis)』[フィリピン・シンガポール]
【銀熊賞・監督賞】
ミア・ハンセン=ラヴ監督『Things to Come (L’avenir)』[フランス・ドイツ]
【銀熊賞・女優賞】
トリーヌ・ディルホム(トマス・ヴィンターベア監督作『The Commune (Kollektivet)』[デンマーク・スウェーデン・オランダ])
【銀熊賞・男優賞】
マジ・マストゥーラ (モハメド・ベン・アッティア監督作『Hedi (Inhebbek Hedi)』[チュニジア・ベルギー・フランス])
*第1回作品賞も受賞
【銀熊賞・脚本賞】
トマシュ・ヴァシレフスキ監督『United States of Love (Zjednoczone Stany Miłości)』[ポーランド・スウェーデン]
【銀熊賞・芸術貢献賞】
リー・ピンビン(ヤン・チャオ監督『Crosscurrent (長江図)』[中国]撮影)
【パノラマ部門・国際アートシアター連盟賞】
ドリス・ドゥリー監督『フクシマ・モナムール (Fukushima, mon Amour)』[ドイツ・イギリス・日本]
【ベルリン国際映画祭公式サイト】
PRIZES OF THE INTERNATIONAL JURY
https://www.berlinale.de/en/das_festival/preise_und_juries/preise_internationale_jury/index.html