骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2016-02-05 15:15


今年も北欧から注目映画が続々!ノーザンライツのスタッフおすすめの3本

北欧監督が四ッ谷の坊主バー、ベルイマン愛、プリンシパル西野麻衣子さんの映画など
今年も北欧から注目映画が続々!ノーザンライツのスタッフおすすめの3本
映画『グッバイ!ベルイマン』より

北欧の映画界から注目の映画作家と作品を紹介するトーキョーノーザンライツフェスティバル2016が2月6日(土)より12日(金)まで渋谷ユーロスペースほかにて開催。この映画祭は、アップリンクが行なう配給サポート・ワークショップの参加者が2011年に立ち上げ、企画と運営を行なっている。日本ではなかなかスクリーンで観ることのできない旧作や劇場未公開作がラインナップ。音楽イベントやカフェレストランとの連動企画もあり、北欧のカルチャーを様々なかたちで楽しむことのできるフェスティバルとなっている。

開催にあたりwebDICEでは、映画祭のスタッフ湯川暁子さんと雨宮真由美さん、笠原貞徳さんによるオススメの作品のレコメンド文を掲載する。




劇場初上映

『“糸”~道を求める者の日記~』

フィンランドのホンカサロ監督が日本の坊主バーを描く

映画『“糸”~道を求める者の日記~』より
映画『“糸”~道を求める者の日記~』より

四ッ谷・荒木町の坊主バー。店主である僧侶の藤岡は夜な夜なカウンターで客の悩みに耳を傾ける。かつてボクサーだった彼は致命的なケガを負い、リングを下りて仏門に入ったが、東京の夜の街を彷徨う彼自身もまた過去に捕われ、悩みを抱えているのだった……。若い僧侶が人々と向き合い、対話をしながら、人生の意味を模索していく姿を追う。

東京がこんなに美しい夜の顔を見せたことがあっただろうか。日本橋、四谷、渋谷……業深き人々の悩みに耳を傾けながら、若き僧侶は誰よりも道に迷い、支えを必要としている。時折挿入される九相図にある通り、やがて肉体は朽ち果てる。だからこそ死に至るまで人は迷い、肉体は輝くのかもしれない。主人公はもちろん、本映画に登場する人物はぞくぞくするほど色っぽい。監督の演出は途中から大きく転換し、人の話を聞く側だった主人公は、大切な人物との対峙を通して、今度は観客に話を聞かれる側となる。ドキュメンタリーとフィクションの境界を超越したホンカサロ監督の傑作。同監督の他2作品と合わせ必見。(湯川暁子)

原題:ITO - Seitti - Kilvoittelijan päiväkirja/英題:Ito: A Diary of an Urban Priest
監督:ピルヨ・ホンカサロ(Pirjo Honkasalo)
2008年/フィンランド、日本/111分/フィンランド語、日本語(Finnish, Japanese)
字幕:日本語

◎上映スケジュール
2月8日(月)11:30~、2月11日(木)16:30~
*2月11日(木)16:30~上映後、主演の藤岡善信さん、シネマアナリストのまつかわゆまさんのトークショーあり





ジャパンプレミア

『グッバイ!ベルイマン』

ハネケやスコセッシがベルイマン愛を語る

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映画『グッバイ!ベルイマン』より

ウディ・アレン、コッポラ、スコセッシ、ウェス・アンダーソン、ハネケなど数十人におよぶ有名監督、俳優たちが、カメラの前でベルイマンへの愛の告白とも言える想いを吐露していく。ベルイマンとの抱擁に泣き崩れるアン・リー、抱腹絶倒の精神分析に巨匠への愛憎が露呈するトリアーなど、ベルイマンファンならずとも必見の貴重な記録。

イングマール・ベルイマンが89歳で亡くなるまで暮らしたフォーロ島。映画にもたびたび登場する見覚えある家と目の前に広がる海岸は、彼の映画を愛する者にとっては聖地のような場所であろう。『グッバイ!ベルイマン』は、そこに足を踏み入れた世界に名だたる映画監督たちの証言と高揚する様子が収められた貴重なドキュメンタリーである。また、生前のベルイマンの姿を同じフォーロ島に追った『ベルイマン・アイランド』(日本未公開/英語字幕のみ )も、代官山「晴れたら空に豆まいて」にて、ノルウェーのジャズピアニスト、ヤン・グンナル・ホフの生演奏とトーク付きで特別上映!一夏を恋人と島に遊ぶ奔放な少女の生態を描き、ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちに大きな影響を与えた初期の傑作『不良少女モニカ』とともにベルイマンへの旅をお楽しみください。(雨宮真由美)

原題:Trespassing Bergman/英題:Bergmans video
監督:ヤーネ・マグヌッソン、ヒネク・パラス(Jane Magnusson, Hynek Pallas)
2013年/スウェーデン/113分/英語(English)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】

◎上映スケジュール
上映日時:2月7日(日)19:00~、2月9日(火)14:00~、2月10日(水)21:10~
*2月9日(火)14:00~上映後、映画評論家の町山智浩さんのスカイプによるトークショーあり





ジャパンプレミア

『Maiko ふたたびの白鳥』

ノルウェー国立バレエ団のプリンシパル西野麻衣子さんの生き様を追う

映画『Maiko ふたたびの白鳥』より
映画『Maiko ふたたびの白鳥』より

15歳で日本を離れ、25歳でノルウェー国立バレエ団のプリンシパルとなった大阪出身の西野麻衣子。ダンサーとして充実した時期での妊娠・出産を経て、再び「白鳥の湖」の主役に挑戦する姿を追う。キャリアと出産の間で揺れる30代女性の等身大の姿、復帰を支える家族や仲間、そして北欧の生活と社会をノルウェー人女性監督が描く。

ノルウェー国立バレエ団で、出産を経てもなお同バレエ団のプリンシパルを務め続けた日本人ダンサー・西野麻衣子。彼女が夢を叶えるまでの闘いの日々をノルウェー人の女性監督が記録したドキュメンタリー。15歳で英国にバレエ留学した時、両親は家を手放してまで彼女の夢を応援したが、母は一切の甘えを許さなかった。その母の厳しさがバレリーナMaikoを生み出し、その母を越えるほどの強さを手に入れた彼女は、プリンシパルでありながら母になるという厳しい道を選択する。常にトップを狙う若手が群雄割拠するバレエ界で、産後の復帰はバレリーナ生命を失うかもしれない賭け。自身の夢を結実させるため、支えてくれる家族とスタッフとともに、Maikoが復帰作『白鳥の湖』に挑む。彼女のストイックで一途な生き様に痺れます。(笠原貞徳)

原題:Maiko: Dancing Child/英題:Maiko: Dancing Child
監督:オセ・スベンハイム・ドリブネス(Åse Svenheim Drivenes)
2015年/ノルウェー/70分/英語、ノルウェー語、日本語(English, Norwegian, Japanese)
字幕:日本語
提供:ハピネット、ミモザフィルムズ

◎上映スケジュール
2月7日(日)14:00~
*主演の西野麻衣子さんの特別インタビュー映像上映あり

(文:湯川暁子、雨宮真由美、笠原貞徳[トーキョーノーザンライツフェスティバル・スタッフ])



音楽イベント

アイスランド音楽の現在vol.6 期待の新人&フェスツアー映像特別レポート
2月13日(土)渋谷アップリンク・ファクトリー

アイスランド音楽の現在vol.6

毎年好評の独自ドキュメンタリーでは、定番のフェスのレポートに加え、今回で10周年を迎えた人気ツアーの様子を織り交ぜながら、ソロとして始動したムームのシッラや期待の新人等を徹底取材。この一年間で、アウスゲイル、ソーレイ、シン・ファン、オブモンスターズと来日が相次ぎ、2016年はシガーロスの新譜も期待され益々注目されるアイスランドの音楽シーン。今回も現地直送のフレッシュな情報をたっぷりお届けします。

【1回目】15:45開場/16:00開演(18:00終了予定)
【2回目】18:45開場/19:00開演(21:00終了予定)
※各回同じ内容です。各回受付開始時刻は開場の1時間前から
料金:1,800円(別途ドリンク代500円)
ナビゲーター:小倉悠加

ご予約は下記より
http://www.uplink.co.jp/event/2015/41913




カフェ/レストラン

Tabela(タベラ)
ノーザンライツフェスティバル スペシャルメニュー

ニシンサンド

【こけもものジャムとディルポテトでたのしむ北欧ニシンマリネのサンド】

マイルドな酸味が特徴の北欧のマリネ。ニシンのふくよかな味わいとこけもものジャムとの相性が抜群です。厨房で粉から作ったライ麦入りの自家製パンに、付け合わせのディルポテトとジャムをはさんでお召し上がりください。

・単品:1,000円(税込)
・ランチセット(ドリンク付):1,200円(税込)

【提供期間】 2月14日(日)まで平日16:00~、土日祝12:00~
※土日祝 ランチライム(12:00~16:00)のみ
※ドリンクは、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、グレープフルーツジュースから選べます。

カフェ/レストラン Tabela(タベラ)
平日:ランチ11:45~16:00 ティータイム16:00~18:00 ディナー18:00~23:00
土日祝:ランチ12:00~16:00 アフターランチ16:00~17:30 ディナー17:30~23:00
※ラストオーダー22:30
定休日なし・連日営業
東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F [地図を表示]
TEL 03-6825-5501
http://www.uplink.co.jp/tabela/




「トーキョーノーザンライツフェスティバル2016」キービジュアル ©Chisato Tanaka

トーキョーノーザンライツフェスティバル2016
2016年2月6日(土)~12日(金)渋谷ユーロスペースほかにて開催

公式サイト http://tnlf.jp/
公式twitter http://twitter.com/tnlfes


▼映画『“糸”~道を求める者の日記~』予告編

▼映画『グッバイ!ベルイマン』予告編

▼映画『Maiko ふたたびの白鳥』予告編

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