「ツイード・ラン・東京 2015」より ©Tweed Run Tokyo 2015
イギリス発祥の自転車イベント「ツイード・ラン・東京 2015」が、からりと晴れた秋晴れの下、今年も10月18日(日)に東京で開催されました。
ロンドンで2009年にスタートした「The Tweed Run」は、その名の通り、参加者は全員ドレスコードであるツイード服に身を包んで、都内を自転車で走るというイベント。
ツイード服の着こなしを楽しみながら街を走ることで、自転車の正しい乗り方やマナーも向上していこうというイベントで、現在はイギリス(ロンドン)のほか、ニューヨーク(アメリカ)、フィレンツェ(イタリア)、ビクトリア(カナダ)、シドニー(オーストラリア)など、世界各都市で開催されている秋の風物詩。東京には2012年に初上陸して以来、今年で4回目の開催となりました。
「ツイード・ラン・東京 2015」より
今年は代官山 蔦屋書店をスタートして、表参道や渋谷を通り、代々木公園でひとやすみして、代官山へ戻るという約9キロのルート。約150名が参加しました。モデルの宮本彩菜さん、まつゆうさんなど女性ゲストもイベントに登場。一般の参加者にも女性の姿がかなり増えた印象です。
代々木公園で一休み中、女性は自転車もキュートにデコレーション
参加者同士での交流もはずみます
偶然通りかかった和装の女性と海外ゲストが記念撮影
サイクリング用ビンディングシューズを販売しているPATRICKチームはこの日のためにユニフォームを製作
The Tweed Run Tokyo 実行委員長を務めているユナイテッドアローズの栗野宏文さんは、「ツイードって特別な服と思っている方もいらっしゃいますが、イギリスではもともと狩りの時に着るスポーツ服だったんです。だから保護色に近い自然の色合いが多いし、機能的で自転車との相性がいい。このイベントを通じて、普段着として遊び心を持った着こなしを楽しんでいただけたら嬉しいし、ファションを楽しむシーンが日常に広がったら嬉しいですね」と話していました。
The Tweed Run Tokyo実行委員長の栗野宏文さん
こだわりのツイードファッションと自転車をきっかけにあちこちで交流が生まれていました
ベストドレッサー賞に輝いた戸村宇里さん(芸術学校教諭) 「自転車の交通ルールを身につけるきっかけになる、とてもいいイベントだと思います。やはり、交通ルールとマナーを守ってこそ、真の紳士になれると思いますしね」
ベストドレッサー賞受賞に至った審査理由のひとつは「遊び心」、ツイード製のうさぎも手作りだそう
おしゃれ&便利!と思ったのが乗馬用のゲートル これを付ければ、スーツで自転車に乗っても裾が巻き込まれる心配はありませんね
アンティークの双眼鏡とカメラ……と思いきや、カメラはiphone入れでした
「クルマが多い都内を自転車で走るのはちょっと怖いけど、みんなと一緒なら安心」と女性の参加者のみなさん
ゴール後には、紅茶とビスケットや軽食を楽しむ英国風ティーパーティが開催。その合間に「ベストドレッサー賞」や各賞が発表され、参加者の皆さんはそれぞれ素敵なツイードの着こなしを楽しんでいました。
代官山のレストラン「GARDEN HOUSE CRAFTS-LOG ROAD DAIKANYAMA」で紅茶と軽食を楽しむ
さらに今年はウール素材の羊年を記念して、11月7日には愛知県一宮市を中心としたウール産地として知られる尾州でも開催されたそう。
Norwegian rainのデザイナー・T-マイケル氏に「どうしてツイードで自転車なのでしょう?」と聞くと、「Go Back To Basicだからさ!」という答えが返ってきた、ツイード・ラン・東京 2015。
この時期の東京ではツイードはまだ少し暑い気もしましたが、参加者のみなさんは、上手に重ね着を楽しんでいて、気持ち良くコースを走っていた姿が印象的でした。また、帽子やコート、手袋、ぬいぐるみなどの小物や乗馬用のゲートルなど、街乗りをするときのおしゃれで便利なアイディアもたくさん見ることができて、見学だけでも充分楽しめたのではないかと思います。
「速く」ではなく「おしゃれに楽しく」を目的とした自転車のイベント。自転車とツイードという「古き良き時代の伝統を楽しもう」というこのイベントが、今後どんな形で発展していくのか楽しみです。
(文・写真:鈴木沓子)
ツイード・ラン公式サイト:http://tweedruntokyo.com