骰子の眼

music

2015-07-22 00:00


ニール・ヤングが新作でモンサントほか巨大企業を痛烈批判、その内容とは

「コーヒーは飲みたいが遺伝子組換食品は嫌だ」ニュー・アルバムの歌詞対訳掲載
ニール・ヤングが新作でモンサントほか巨大企業を痛烈批判、その内容とは

ニール・ヤングのニュー・アルバム『ザ・モンサント・イヤーズ』が7月29日(水)日本で発売。webDICEでは収録曲の歌詞を掲載するとともに、彼が今作で行っている問題提起について紹介する。

ニール・ヤングは、アメリカのヴァーモント州で2014年の5月に成立した遺伝子組み換え作物(GMO)を含んだ食品の表示を義務づける法律に対し、米モンサント社や米スターバックス社など約300企業が加盟する全米食品製造者協会が、表示義務の差止め訴訟を起こしていることに反発。スターバックス・コーヒーの商品をボイコットすべきだという声明を同年11月に自身のホームページで発表した。

ニール・ヤング公式サイトより
ニール・ヤング公式サイトより、反スターバックスのメッセージ

今回リリースされる『ザ・モンサント・イヤーズ』は彼の反GMOの運動の一貫となる作品で、ウィリー・ネルソンの息子ルーカスとマイカ・ネルソンが在籍するバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルと共に制作された。

アメリカでは既に6月29日にリリースされており、米モンサント社のロバート・フレーリー最高技術責任者(CTO)がソーシャル・ネットワーク・サービス、リンクトインの自身のページで、今作でのモンサントへの言及が的外れであることを指摘し「会社に招待し、対話したい」と声明を発表している。

ニール・ヤングは、7月18日にも公式サイトで声明を発表。遺伝子組み換え作物が安全だという主張に用いられる「実質的同等性」(遺伝子組み換えの作物と普通の作物を、見た目や主要成分、性質などが同等であれば安全性も元の作物と同じだとする考え)について、米マサチューセッツ州・統合システム国際センターのシステム生物学グループのレポートを紹介し指摘。「この研究結果は、遺伝子組み換えそれ自体が、作物に酸化ストレスを生じさせるとともに、グルタチオンという最も重要な抗酸化物質を枯渇させ、発がん性のあるホルムアルデヒドを蓄積させることを明らかにしている。遺伝子組み換え作物と非遺伝子組み換え作物が『実質的に同等』ではないことの証明だ。議論は終わりだ」と書いている。

今回紹介する4曲の歌詞からも明らかなように、ニール・ヤングはモンサントやスターバックスだけでなく、シェヴロンやウォルマートといった大企業も名指しで批判している。

皆が聴きたいのは
愛の歌
愛の話を聞きたがっている

シェヴロンの大金の話などするな
パイプライン絡みの政治家に流れているけれど
皆が聴きたいのは愛の話なんだから

「ピープル・ウォント・トゥ・ヒア・アバウト・ラヴ」より


ウォルマートでパートで働いている人達は
必ずしもその恩恵を受けない
ウォルマートの正社員にもなれないかもしれない
待ち続けている、電話で仕事に呼び出されるのを

企業には感情がある
企業には魂がある
だから人間と似ているんだ
ただ、手綱を握るのはより難しい
失敗したくないから
失敗する時は
人を踏みつけにする

巨大すぎて潰れるわけにはいかず
金持ちすぎて投獄もされず

首都から板張りの商店街に至るまで
角々に感じられる企業の気配
口にする食べ物から着る服からテレビ画面に至るまで
呼吸する空気から燃やす燃料に至るまで

「ビッグ・ボックス」より


そう、コーヒーは飲みたいが
遺伝子組換食品は嫌だ
一日を始めたいから
モンサントに力を貸すことなしに

モンサントよ
我らが農家に育てさせてやれよ
彼らが育てたいものを
ヴァ―モントの人たちが
食品に遺伝子組み換え表示を投票で決めたのは
何が入っているか知りたかったからだ
農家が何を育てているかを
モンサントとスターバックスは
食品製造業者と手を組んで
ヴァ―モント州を訴えた
人々の意思を覆そうと

「ア・ロック・スター・バックス・ア・コーヒー・ショップ」より


芽を出したら、この種も
農薬を浴びることになる
ラウンドアップが毒の波を連れてやって来る
モンサントから、モンサントから

農家は知っている、売れるものを育てなければいけないと
モンサント、となればモンサントだ
遺伝子組換作物の契約をし、人生は地獄と化す
モンサントと、モンサントと道連れに

毎年、彼は例の特許付きの種を買う
毒は準備完了
それこそが企業が必要とするもの
モンサントが、モンサントが

「モンサント・イヤーズ」より

(以上、『ザ・モンサント・イヤーズ』日本盤歌詞対訳より抜粋)



ニール・ヤング(Neil Young) プロフィール

1945年カナダのトロント生まれ。66年にロサンゼルスに移り、リック・ジェイムス率いるマイナー・バーズを経て、スティーヴン・スティルスらと共にロサンゼルスでバッファロー・スプリングフィールドを'67年に結成するも、翌年'68年に解散。同年、ソロとなったニールはアルバム『ニール・ヤング』と、クレイジー・ホースをバックに従えた『ウィズ・クレイジー・ホース』の2枚を発表。また同年夏には、S・スティルスがデヴィッド・クロスビー(元ザ・バーズ)、グラハム・ナッシュ(元ホリーズ)と共に結成したクロスビー、スティルス&ナッシュ(CS&N)に参加、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSN&Y)としての活動も並行して行ない、『ウッドストック』にも出演、また'70年に発表された『デジャ・ヴ』は全米1位に輝いたが、その後バンドは解散してしまう。

その後ソロとして'70年に『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』、'72年には『ハーヴェスト』を発表し、シンガー・ソングライターとして際立った存在感を見せつけ、人気を決定づける。その後もソロ名義、クレイジー・ホース名義の他、CSN&Yの再結成など精力的に活動を続け、孤高のレジェンドとしての地位を確立していく。パール・ジャムとのコラボレーションや、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンに捧げる曲、ニルヴァーナのカート・コバーンに捧げる曲を発表するなど、時代の流れを捕えつつ、若手との交流を続けながら既成の枠にはまることなく革新的なギター・プレイ/サウンドを生みだし続けている。




【関連記事】

モンサント、ニール・ヤングへ声明「私達の共通点」(2015-07-02)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4775/

ニール・ヤング新曲「スタバとモンサントいらない」(2015-05-23)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4711/

ニール・ヤング 反モンサント歌う新アルバム発表(2015-04-22)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4673/

N.ヤング、GM表示法反対の「スタバにさよならを」(2014-11-25)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4484/

ニール・ヤング監督の原発風刺コメディ完全版上映(2014-08-28)
http://www.webdice.jp/topics/detail/4359/




『ザ・モンサント・イヤーズ』

『ザ・モンサント・イヤーズ』
ニール・ヤング+プロミス・オブ・ザ・リアル
2015年7月29日リリース

[DISC 1: CD]
1. A New Day For Love / ア・ニュー・デイ・フォー・ラヴ
2. Wolf Moon / ウルフ・ムーン
3. People Want To Hear About Love / ピープル・ウォント・トゥ・ヒア・アバウト・ラヴ
4. Big Box / ビッグ・ボックス
5. A Rock Star Bucks A Coffee Shop / ア・ロック・スター・バックス・ア・コーヒー・ショップ
6. Workin’ Man / ワーキン・マン
7. Rules Of Change / ルールズ・オブ・チェンジ
8. Monsanto Years / モンサント・イヤーズ
9. If I Don’t Know / イフ・アイ・ドント・ノウ

[DISC 2: DVD]
◆アルバム全曲分のレコーディング・パフォーマンスに加え、ボーナス映像を収録(約76分、日本語字幕付)

3,324円(税込)
WPZR-30662/3
ワーナーミュージック・ジャパン
Amazonでの購入は下記より
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YNO2228/webdice-22

▼Neil Young + Promise Of The Real - The Monsanto Years: The Message

▼Neil Young + Promise Of The Real - A Rock Star Bucks A Coffee Shop




映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』
渋谷アップリンク他全国順次公開

監督:ジェレミー・セイファート
出演:セイファート監督のファミリー、ジル=エリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ
配給:アップリンク
2013年/英語、スペイン語、ノルウェー語、フランス語/85分/カラー/アメリカ、ハイチ、ノルウェー

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/gmo/


レビュー(0)


コメント(0)