骰子の眼

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2015-01-09 19:48


さらなる地獄へ!ロドリゲス×ミラー最強タッグがモノクロ3Dで贈る『シン・シティ 復讐の女神』

ロバート・ロドリゲス監督がフィルム・ノワールの世界に挑んだシリーズ続編語る
さらなる地獄へ!ロドリゲス×ミラー最強タッグがモノクロ3Dで贈る『シン・シティ 復讐の女神』
映画『シン・シティ 復讐の女神』より、ナンシーを演じるジェシカ・アルバ ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.

2005年に公開され人気を博した『シン・シティ』シリーズの第2弾『シン・シティ 復讐の女神』が1月10日(土)より公開となる。今作は、原作者フランク・ミラーのグラフィック・ノベル「シン・シティ」から、エピソード2話「A Dame To Kill For」と「Just Another Saturday Night」、そして新たに書き下ろした2話「The Long, Bad Night」、「Nancy's Last Dance」を元に、ミラー自身が脚本を担当。腐敗した街のストリップ・バーのダンサー、ナンシーを中心に、このバーにたむろするアウトサイダーたちの復讐劇が描かれる。

今回は前作から9年を経て、再び原作者のフランク・ミラーを共同監督に迎え今作を完成させたロバート・ロドリゲス監督のインタビューを掲載する。

モノクロの映像に3Dを使えばより視覚に訴えかけられる

──なぜ続編を作るまでに長い空白があったのですか?また、前作からの進歩や変化良くなったことはありますか?

別のプロジェクトを抱えていたり、続編に取り入れたい要素が整うのを待っていたから時間がかかったんだ。その間もファンはずっと続編を待ってくれていてすごく励みになった。1作目から数年経っていても続編が望まれてたんだ。最善のキャスト、時期、技術、すべての機が熟すのを待っていたが、製作が決まってからは急展開でことが進んだよ。

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映画『シン・シティ 復讐の女神』のロバート・ロドリゲス監督

僕は3Dが登場した初期からのファンで、『シン・シティ』の1作目の前、2003年の『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』で初めてジェームズ・キャメロンが開発した3Dのためのカメラ「フュージョン・カメラ・システム」を採用した。今回3Dにした理由は、原作のスタイルに合うと思ったからだ。情報が必要最低限で映像がモノクロな分3Dを使えば、より視覚に訴えられる。

──9年ぶりの『シン・シティ』の撮影現場はいかがでしたか?

撮影の感覚は一瞬で戻ってきた。俳優たちは前回よりさらに素晴らしかった。グリーンバックの前での演技は1作目では誰もが不慣れだった。頑張ってくれたけどね。でも今回は前作を経ているし、他作品でも経験しているから、みんな要領を得ていて演技も10倍よかった。3Dの使い方も前作より理解して臨めたよ。

映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited.  All Rights Reserved.
映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.

──原作者であり、脚本に加え共同監督にもなっているフランク・ミラーについては?

フランクと僕の関係は結構変わっていると思う。最初はアーティストとしてただ尊敬していた。漫画家だった僕は彼のすばらしい作品が大好きだった。ラインアートやグラフィックアートをシリーズで描く苦労はよく知っていた。彼はさらにコミックを描き、世界的に有名だった。僕が映像科の学生なら、彼は世界的な監督だ。そのくらい違った。彼は常に師匠のような存在だった。そんな彼と『シン・シティ』で、同じ環境で作業ができることになった彼がメガホンをとるのは、僕にとって必然だった。

ジェシカ・アルバ演じるナンシーがいちばん変化したキャラだ

──では、キャラクターについておうかがいします。魔性の女、エヴァ・ロードを演じたエヴァ・グリーンについて教えてください。

エヴァはミラー監督が最も愛する登場人物の1人であるし、しかも難しい役どころを担うため、役者探しは難航したが、ある1人の役者に対して2人の意見が一致したんだ。それがエヴァ・グリーンだった。彼女なら見事にエヴァを演じてくれると思ったし、確かに“殺しを犯してまでも手に入れたい女”でもあると思った。これに付け加えてミラー監督は、エヴァ役を演じる役者は、この魔性の女が持つ多面的な性格を肉体化しなくてはならず、我々はエヴァ・グリーンの中にその多面性を見いだしたんだ。

映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited.  All Rights Reserved.
映画『シン・シティ 復讐の女神』より、エヴァ・ロード役のエヴァ・グリーン ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.

──フランク・ミラーが今作のために新たに書き下ろしたキャラクター、ギャンブラーのジョニーを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットについては?

昔からジョセフの大ファンだ。俳優として優れているだけでなく、独創的な人物でずっと注目してきた。僕ら製作側の作業を見て何やら感心して、学び取ったものを応用するタイプだ。逆に僕は彼から様々な技を教えられた。ジョニー役は彼しかできないと思った。年齢、外見、内面……すべてが合ういつも以上の演技も見せてくれた。

映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited.  All Rights Reserved.
映画『シン・シティ 復讐の女神』より、ジョニー役のジョセフ・ゴードン=レヴィット ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.

──屈強な身体と優しい心を持つマーヴは前作に続きミッキー・ロークが演じています。

前作での彼の演技はすばらしかったが、本作ではさらに磨きがかっている。彼は全力で演じてくれているので、あらゆるシーンでこちらが望む以上のものを見せてくれるんだ。

映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited.  All Rights Reserved.
映画『シン・シティ 復讐の女神』より、マーヴを演じるミッキー・ローク ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.

──最後に、ジェシカ・アルバが演じる場末のストリップ・バーの女神ナンシーについては?

前作で、ジェシカの演技にすっかり魅せられて、フランクはジェシカの役を膨らませた。それで、女性の役では初めてナレーションを入れることにした。1作目の最後につながる彼女のその後を語るストーリーだ。あれから10年後のナンシーがどうなっているのか。彼女はハーティガン(ブルース・ウィリス演じる刑事)の死を知らない。彼が死んだところにいなかったからだ。彼の死を知ってどう反応し対処したのか……彼女の復讐の物語だ。ナンシーが一番変わった。無垢な少女だったのに、闇に染まってしまった。シン・シティならではの地獄に落とされたんだ。

映画『シン・シティ 復讐の女神』より ©2014 Maddartico Limited.  All Rights Reserved.
映画『シン・シティ 復讐の女神』よりナンシーを演じるジェシカ・アルバ(左)とハーティガン役のブルース・ウィリス(右) ©2014 Maddartico Limited. All Rights Reserved.
(オフィシャル・インタビューより)



ロバート・ロドリゲス(Robert Rodriguez) プロフィール

1968年6月20日、米テキサス州サンアントニオ生まれ。テキサス大学で映画を学び、16ミリの自主制作短編作『Bedhead』(91)は国内外の映画祭で数々の賞を受賞。92年、製作、監督、脚本、撮影、編集、録音のすべてを手がけた製作費7000ドルの低予算作品『エル・マリアッチ』でデビュー。その後、アントニオ・バンデラス主演の『デスペラード』(95)の製作、監督、脚本、編集を手がける。オムニバス映画『フォー・ルームス』(95)の一話で、再びアントニオ・バンデラスを起用し、脚本、監督、編集を手がける。それが縁でクエンティン・タランティーノと組み、ホラー・アクション『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(96)で、監督、編集、製作総指揮を担当、タランティーノは脚本、主演を務めた。その他の監督作は、『パラサイト』(98)『スパイキッズ』(01)『スパイキッズ2 失われた夢の島』(02)『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』(03)『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(03)『シャークボーイ&マグマガール 3-D』(05)。2007年には盟友のタランティーノ監督と共作した『グラインドハウス』、『プラネット・テラーinグラインドハウス』、そして、その『グラインドハウス』内のフェイク予告編がきっかけで製作された痛快B級バイオレンス・アクションの『マチューテ』(10)、『マチューテ・キルズ』(13)がある。




映画『シン・シティ 復讐の女神』
2015年1月10日(土)、TOHOシネマズ スカラ座他 3D/2D 全国ロードショー

映画『シン・シティ 復讐の女神』ポスター

太陽も朽ち果て、闇に抱かれたこの街に、男たちの荒んだ心を照らす一人の女神がいる。場末のストリップバー“ケイディ”のダンサー、ナンシーだ。だが、彼女のなかにも闇がある。愛するハーティガン刑事を死に追いやった街の支配者ロアーク上院議員を、必ず殺すという誓いだ。心優しき野獣マーヴは、そんなナンシーを見守り続けていた。ロアークは非道な手で、果てしない欲望を叶え、街は加速度的に腐敗。稀代の悪女エヴァの台頭など、虫ケラのようにアウトサイダーたちは踏みつぶされていく。そんな隆盛を誇るロアークに挑戦者が現れる。傲慢なギャンブラー、ジョニーだ。彼はポーカーで大勝ちするが、仕返しに黄金の指を叩き潰される。一方、エヴァは、かつて恋人だった私立探偵のドワイトを大富豪の夫殺しに利用しようとしていた。遂に、ならず者たちの怒りが頂点に達した。一匹狼として生き抜いてきた彼らが、燃えたぎる憎しみで共鳴した時、激烈な復讐がはじまる。

監督:ロバート・ロドリゲス/フランク・ミラー
原作:フランク・ミラー
脚本:フランク・ミラー
出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ロザリオ・ドーソン、ブルース・ウィリス、エヴァ・グリーン、パワーズ・ブース、デニス・ヘイズバート、レイ・リオッタ、ジェイミー・キング、クリストファー・ロイド、ジェイミー・チャン
撮影&編集:ロバート・ロドリゲス
キャスティング:メアリー・ヴァーニュー
音楽:ロバート・ロドリゲス/カール・シール
衣装:ニナ・プロクター
美術:スティーヴ・ジョイナー/ケイラ・エドレブル
提供:ハピネット/ギャガ
配給:ギャガ
原題:Sin City: A Dame to Kill For
アメリカ/2014年/カラー/ビスタ/5.1CH/103分

公式サイト:http://sincity.gaga.ne.jp/
公式Facebook:https://www.facebook.com/gagajapan
公式Twitter:https://twitter.com/gagamovie


▼映画『シン・シティ 復讐の女神』予告編

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