今年のPFF更新「SF・怪奇映画特集」で上映される『ダーク・スター』
1977年にスタートし、今年で36回目を迎える「PFFぴあフィルムフェスティバル」が9月13日（土）より、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催される。コンペティション「PFFアワード」では、応募総数528作品から入選した21作品を上映。その他、鶴岡慧子監督による第23回PFFスカラシップ作品『過ぐる日のやまねこ』のプレミア上映や、ドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』にも登場する、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が今作を観て『DUNE』の特殊効果をダン・オバノンに依頼したというエピソードでも知られるジョン・カーペンターの『ダーク・スター』などカルトSF・怪奇作品のフィルム上映も実現。そして、世界的に再評価の高まる羽仁進監督の特集上映や、山下敦弘監督と石井裕也監督という現在第一線で活躍する両監督による登壇など、新しい才能の発見の場としてだけでなく、映画制作の現場を多角的に知ることのできる企画が多数行われる。
webDICEでは開催にあたり、映画祭事務局スタッフによる各企画の見どころを掲載する。
PFFアワード2014
16歳の高校生から46歳の社会人までが入選、多様な物語を体感
昨年の第35回PFFアワード授賞式より
今年上映される入選作21作品は、作品のフォーマット、長さ、ジャンル、応募者の年齢、性別、国籍、学歴などに一切の制限のない、“最も自由なコンペティション”である「PFFアワード」ならではの、多様性に富んだラインナップ！短編、中編、長編、ドラマ、ドキュメンタリー、アニメーションと、上映時間もジャンルもかつてないほどバラエティ豊かに、16歳の高校生から46歳の社会人まで、年齢も職業も様々。並べてみると、東京に居ながら、日本全土で起こっている多種多様な物語を体感できるプログラム！最終日の25日には表彰式がおこなわれ、グランプリをはじめとする各賞が発表されます。会場の観客の投票で決まる「観客賞」に、ぜひ参加してみて！
アワード各作品上映
2014年9月13日（土）～19日（金）
表彰式＆グランプリ作品上映
2014年9月25日（木）16:30
第23回PFFスカラシップ作品『過ぐる日のやまねこ』プレミア上映
『くじらのまち』の鶴岡慧子監督最新作
映画『過ぐる日のやまねこ』より
第34回PFFにて、グランプリ＆ジェムストーン賞（日活賞）のW受賞を果たした鶴岡慧子監督。受賞作品『くじらのまち』が、第63回ベルリン国際映画祭への正式招待をはじめ、世界10カ国で上映されるなど、世界的に注目される女性監督です。そんな鶴岡監督がメガホンを取り、故郷長野県上田市で撮影された『過ぐる日のやまねこ』は、東京の喧騒から逃れ、かつて暮らした田舎町に辿り着いた女が、そこで孤独な毎日を過ごす男子高校生と出会い、封印した記憶と向き合う物語。主演を演じるのは、『共喰い』の木下美咲と、ドラマ『白夜行』の泉澤祐希という若手実力派。園子温監督や内田けんじ監督、石井裕也監督らに続く、PFFスカラシップ最新作のお披露目上映です！
2014年9月24日（水）18:00
世界が湧いた「羽仁進監督特集」
革新的なアイディアと実験精神に満ちた5作を上映
『初恋・地獄篇』より
羽仁進監督
ウィーン映画祭、NYリンカーンセンターなど、海外で大規模な特集が続き、評価の高まる羽仁進監督。国内でも『そして父になる』の是枝裕和監督をはじめ、多くのファンを持つ羽仁監督を改めて特集！カメラをまるで意識しない子供たちのみずみずしい姿を捉え、ドキュメンタリストたちの神話となった記録映画や、寺山修司と共同脚本で作り上げた『初恋・地獄篇』、無名の不良少年たちに自分たち自身を演じさせ、『アクト・オブ・キリング』を50年先取りした『不良少年』など、その革新的なアイディアと実験精神は多くの映画人に衝撃を与えた諸作を特集上映。ドキュメンタリーと演技の垣根を飛び越えて、その人物の「かくれた、ほんとう」を浮かび上がらせる羽仁監督に仰天！諏訪敦彦監督、和田誠氏ら、豪華ゲストも登壇します！
『恋の大冒険』
2014年9月23日（火・祝）11:30
『初恋・地獄篇』
2014年9月23日（火・祝）14:30
『教室の子供たち』
2014年9月21日（日）12:00
『不良少年』
2014年9月21日（日）18:00
『教室の子供たち』
2014年9月24日（水）12:30
映画監督への道 ～私を駆り立てるもの～
山下敦弘監督＆石井裕也監督が語る創作の秘訣
山下敦弘監督 cHako Hosokawa
石井裕也監督
『もらとりあむタマ子』の山下敦弘監督、『舟を編む』の石井裕也監督という、現在第一線で活躍する若手監督2名が語る、“ここだけの話”。2人が「映画監督とは何か？何が映画を撮らせているのか」を明かす特別企画！山下監督回は、監督セレクトの「大切な1本」である『BU・SU』（市川準監督）を上映し、独特のリズムとオフビートなユーモアに包まれた作風がどこから生まれたのかを解き明かします。石井監督回は、渾身の『ぼくたちの家族』を上映し、一作ごとに急速に進化するその創作の秘訣に迫ります。ここでしか聞けないマル秘トーク＆質疑応答もたっぷり！特に、映画監督を目指す人は必見のプログラム！
山下敦弘監督に聞く「自分の得意分野をどう見つけるか？」
上映作品『BU・SU』
2014年9月21日（日）14:15
石井裕也監督に聞く「不安は克服できるのか？」
上映作品『ぼくたちの家族』
2014年9月23日（火・祝）18:00
“見えない特撮”って何？「素晴らしい特撮の世界」
犬童一心監督、樋口真嗣監督らが特撮への偏愛を語る
昨年2013年の「特撮企画」の模様
特撮＝怪獣だけではありません！ 「ミニチュア撮影」や、風・雨などの自然現象を演出する「操演」など、映画の中の“見えない”ところで使われている特撮に焦点を当て、その舞台裏、見えない苦労、裏話を完全公開！映画まるまる2本の上映（約4時間）と、豪華ゲストによる約2時間に及ぶトークという、「今どき拘束時間長すぎ！」な狂ったボリュームでお届けするプログラム。ナビゲーターに犬童一心監督、パネラーに、「仮面ライダー」シリーズの佛田洋特撮監督、『進撃の巨人』が控える樋口真嗣監督、『WOOD JOB！～神去なあなあ日常～』の矢口史靖監督ら豪華ゲストが集結！CG全盛の時代に敢えてこだわる手仕事の魅力と特撮への偏愛を語りつくします！予測不能の爆笑トークは必見！
第一部：『WOOD JOB！』のひみつ大公開
上映作品『WOOD JOB！～神去なあなあ日常～』
2014年9月20日（土）11:00
第二部の上映作品は間もなく発表
ワンピース20周年記念企画「ようこそワンピース体験へ！」
矢口史靖監督＆鈴木卓爾監督コンビによるヒネリの効いたショートフィルム一挙上映
矢口史靖監督、鈴木卓爾監督
「ワンピース」とは、矢口史靖監督＆鈴木卓爾監督の2人が、“暇で金がない”時代に、「とにかく映画を撮り続けたい！」と編み出したミニマル映画製作術。1999年トロント映画祭、2000年ベルリン国際映画祭などで上映され、カナダでは同様のプロジェクトが立ち上がるなど、国内のみならず海外にも一大ブームを巻き起こしました。“予算と時間を割かずに撮る”ため、①固定カメラで撮る、②撮影中はカメラに一切触れない、③1話1シーン1カット完結、④アフレコ・音楽ダビング・編集はしない、というルールのもとで制作。あらゆる知恵と工夫がつまった画面からは、映画の純粋な楽しさがほとばしる！自薦ベストや未公開作、撮りおろしの最新作まで一挙上映！矢口＆鈴木監督もゲスト登壇し、誕生秘話や制作の裏側を語ります！
2014年9月20日（土）18:00
上映作品の詳細は公式HPまで
SF・怪奇映画特集
タルコフスキー『惑星ソラリス』などカーペンター『ダーク・スター』など全てフィルムで上映
映画『不思議惑星 キン・ザ・ザ』より
映画『ダーク・スター』より
アート、哲学、警鐘、予言、ファンタジー……SFって幅広すぎ！現実をちょっと飛び越えて、炸裂するイマジネーションに身を任せてみて。自由な発想が形になってゆく喜び、比喩の中にこっそり潜ませた皮肉、観る者や時代によって様々に変化する解釈。SFそして怪奇映画の魅力を再確認！カルト的人気を誇る『不思議惑星キン・ザ・ザ』や、タルコフスキーの『惑星ソラリス』＆『ストーカー』、ジョージ・ルーカス幻の処女作『THX 1138』や、鬼才ジョン・カーペンターの長編デビュー作で、アレハンドロ・ホドロフスキー監督が今作を観て『DUNE』の特殊効果をダン・オバノンに依頼したという『ダーク・スター』まで、全部フィルムで上映します！アナログ、なのに壮大な魅惑の世界を堪能せよ！
『アエリータ』
2014年9月20日（土）12:00
『宇宙飛行』
2014年9月20日（土）14:00
『惑星ソラリス』
2014年9月20日（土）15:45
『火を噴く惑星』
2014年9月21日（日）13:00
『妖婆、死棺の呪い』
2014年9月21日（日）15:00
『不思議惑星 キン・ザ・ザ』
2014年9月21日（日）17:00
『エバンス博士の沈黙』
2014年9月21日（日）17:00
『死者からの手紙』
2014年9月23日（火・祝）15:00
『ストーカー』
2014年9月23日（火・祝）17:00
『THX 1138』（15分版）『ダーク・スター』
2014年9月24日（水）15:00
（以上、すべて小ホールにて上映）
（作品紹介：沼尾真未［ぴあフィルムフェスティバル事務局］）
第36回PFFぴあフィルムフェスティバル
会期：2014年9月13日（土）～25日（木）［月曜休館］
会場：東京国立近代美術館フィルムセンター
公式サイト：http://pff.jp/36th/
公式Facebook：https://www.facebook.com/PiaFilmFestival
公式Twitter：https://twitter.com/pff_award
