映画『水の声を聞く』より、ミンジョンを演じた玄里
山本政志監督の新作『水の声を聞く』が8月30日(土)よりオーディトリウム渋谷にて公開される。昨年プロデューサーを務めたヒットを記録した『恋の渦』と同じく、山本監督が主宰する「シネマインパクト」に参加した俳優陣を起用。新宿コリアンタウンを舞台にして、新興宗教の教祖となった主人公ミンジョンを中心に、彼女を巡る人間模様を描いている。今回は監督の1987年の『ロビンソンの庭』のプロデューサーを務め、監督とは旧知の仲の浅井隆が、『恋の渦』で得た収益を全て投入して完成させたという今作について聞いた。
なお、『水の声を聞く』の上映とともに、オーディトリウム渋谷では9月3日(水)より山本政志監督の過去作品を上映する『メガ盛MAX山本政志—山本政志監督作品全集—』も開催される。
大根仁が俺に火を付けてくれた
──プロデュースした大根仁監督の『恋の渦』で儲けた金を、家建てたりフェラーリ買うみたいなバカなことしないで、この作品につぎ込んだというのは潔い、山本のインディー精神は腐ってないなと思ったよ。いくらぐらいこの作品に入れたの?
宣伝費を入れて1,200万とか1,300万くらいかな。
映画『水の声を聞く』の山本政志監督
──『恋の渦』で久しぶりに配給をやってみてどうだった?
日本の映画業界は前と変わってないと思う。オーディトリウム渋谷はフットワークが軽いからやりやすかった。『恋の渦』は最初から入ると思っていたから、「シネマインパクト」の特集上映の後、単独での上映も決めていたんだけれど、公開して入ったのでパルコからも話が来たりした。
──興収で3,000万くらい?
いくらかは忘れたけど、そんなにはいっていない。ビタ一文残さず全部『水の声を聞く』の製作費に入れたから、今月収入はゼロだよ。
──「シネマインパクト」はもう止めたそうだけど、なぜ止めたの?
うまくいっていたんだけど、あんまりやって縛られるのもどうだろうなと思って。気が変わって、またやるってのもありだけど、今の時点ではってとこ。
──それは健全だと思う。かたや石井岳龍は神戸芸術工科大学の教授になって学校で映画を作って、山本は自力でワークショップを始めて、自腹で儲けた金で映画を作る。時代は変わったなと思った。「シネマインパクト」はやってみてどうだった?
1年目は参加した監督とずっと戦争しているような感じで特に面白かった。12人みんな「あいつより面白いモノ作ろう」という意識でやってたから。明らかに監督中心のワークショップ、作り手同士がどんな映画を作るかということをやりたかった。他の監督も、もうちょっと過激にやってよかったんだけど、大根がいちばん獰猛にやった。
予算はみんな一緒で、監督のギャラ入れて60万くらい。大根の作品は単独で上映すると決めてたから、仕上げにちょっと金をかけた。それでも100万くらい。ほんと効率よくやったと思うよ。インディー出身じゃない大根がいちばんいい作品に仕上げたことがちょっと癪にも障るけど、まず2時間の作品を作るというのもすごいし、元となる舞台よりは映画のほうがぜんぜん面白かった。大根がやったのを見て、撮りたくなってきたな。あいつが俺に火を付けてくれたよ。
『ロビンソンの庭』『熊楠 KUMAGUSU』ラインは
ずっとやりたい世界だった
主役のミンジョンを演じた玄里(ヒョンリ)も、もともと大根のクラスに来ていたんだけれど、作品に必要だったのがチャラけたキャラクターだったからキャスティングに合わなかった。でも大根は「玄里の芝居いいんですよね」と言ってたんだ。
映画『水の声を聞く』より、ミンジョンの友人・坂井美奈役の趣里(左)
俺のクラスは、他のクラスで出演できなかった受講生を受け持つことにしていた。受講料も取ってない。ハンディを背負って勝つっていう試合をやりたかったから(笑)。それで玄里がいたから、なにしようか、というところからこの『水の声を聞く』が始まったんだ。
──「シネマインパクト」の参加者が出演しているので、キャスティングが今の日本映画にない変な感じが全体に出ていて、新鮮さがあった。
顔が売れてないからな。ワークショップをやって適性を見ながら役にあてて、脚本も書いていたから。「シネマインパクト」からは教団の夫婦役や信者役など8人くらい出てる。あの夫婦もプロローグ部分(2013年、本編制作の前に『水の声を聞く-プロローグ-』としてまとめられ、大根仁監督『恋の渦』ほか熊切和嘉監督、いまおかしんじ監督、廣木隆一監督の作品とともに「シネマインパクトvol3」で上映された)を撮ったときは薄くしておいたんだけれど、その時点で後半は今のような展開にしようとは思ってた。
「シネマインパクト」受講者以外の俳優もよかった。ミンジョンの友人役の趣里は「こういうところがダメだからNGだよ」と言うと「そうやりましたから!」ってムキになるんだけれど、もう一度やるとガラッと変えてくる、そういうところがセンスがいい。シンジ役は最初は玄里と同い歳くらいで固めようと思っていたんだけれど、中学生の萩原利久にして正解だと思った。高沢役の小田敬も味あるよな。映るだけで匂いがする。それから、盲人の信者役がうちのおふくろなんだけど、よかっただろ。ホンモノは強いよ(笑)。
映画『水の声を聞く』より、教団の夫婦を演じた西尾英子(左)と富士たくや(右)
映画『水の声を聞く』より、シンジ役の萩原利久(右)
映画『水の声を聞く』より、高沢役の小田敬(中央)
──主人公も最初はやる気がないけど、途中から目覚めて本気でやりだすが、しだいに混沌とした状況になってくる。普通の邦画にはないネタと、面白いストーリーのころがしがあるし、山本の演出の力と、映像でやりたいことはバシバシ伝わってくる。でも脚本が、手癖で今までの山本のやってきたところにふっとまとめていったから、そこが少し残念だなと思った。
もっとえぐりがほしいよな。ちょっと上品なんだよな。群像劇にしたときに、集約させる力がほしいんだけれど、自分で脚本を書くと、良くも悪くも自分のパターンになる。いい脚本家がほしいと思った。
──最後の滝のシーンも、人間は撮れてるけど、滝が撮れていない感じはした。
もうちょっと水の力をちゃんと描写したかったのはある。せっかく水槽の水で水の描写を続けて、最後に滝に集約される映像を提出しないといけないのに。森はいいんだけれど、自然のダイナミズムを撮るのは難しい。常に作品が完成すると不満は残るもんだけど、そんな欠点を差し引いても、『水の声を聞く』のレベルは高いと思うよ。
──昔で考えると4~5,000万かかっている画だと思う。
現場行ったら顔見知りの美術監督が3人くらいボランティアで参加してくれていて、嬉しかったな。美術の須坂文昭ががんばって、『ロビンソンの庭』『てなもんやコネクション』『熊楠 KUMAGUSU』の美術・林田裕至もデザイン協力してもらっているし。『てなもんやコネクション』『熊楠 KUMAGUSU』『JUNK FOOD』の磯見俊裕も手伝ってくれた。
映画『水の声を聞く』より
──世界観としては、一周回って『ロビンソンの庭』に戻ってきた感じがした。
こういう題材って異常にハマるから、『ロビンソンの庭』『熊楠 KUMAGUSU』ラインはずっとやりたい世界だった。『熊楠 KUMAGUSU』の挫折があるから、違うことをやろうとお笑いもやって、軽いものも、都市型のフットワークの軽いゲリラ戦もやってきた。でも、今回はやっぱり手を出そうという気になったな。
──それは山本の一番のルーツなの?
じいちゃんの田舎が漁師町で、夜に闇の海に潜ったりして、上下が分からなくなる感覚だとか、イカ釣り船が出たりとか、自然系は小さい頃からすごい原風景としてあった。こんど全作品の上映をするけれど、最初の8ミリ作品『看守殺しの序曲』(1979年)は、じいちゃんの田舎にわざわざワンカット撮りに行ってるんだよ。
──『闇のカーニバル』『ロビンソンの庭』には太田久美子さんという存在があったけど、今回山本は玄里に惚れたんだなと思った。
撮影中はキャラクター、今回はミンジョンにそういう気持ちにはなるけど、玄里個人にはそんな気持ちまったくないよ。
──そうなんだ、山本はなんだかんだいって女に動かされてるんだと思ったのに(笑)。このチラシのビジュアルも山本らしくない。「そこに“愛”はありますか?」って吹いたよ。玄里へのラヴレターみたいじゃない?
映画『水の声を聞く』チラシ
これはプロデューサーの伸ちゃん(村岡伸一郎)が閃いたコピー。もらった!と思った。俺の匂いプンプンさせてもしょうがないだろう。
──でもどうしても『ロビンソンの庭』と比較してしまうんだけれど、久美さんの役は都市に住む身体のなかに暴力性も描かれていた。玄里の場合、民族性に逃げたのかなと思って。
民族性うんぬんとかいう枠は自分のなかにまったくないんだよ。今回は玄里が韓国籍だったから、玄里を活かすためにどうしようかというところから始めた。祖母さんが済州島の巫女という設定だけ考えていて、そうなるといつ日本に来て、その後どこで育って、とか背景を考えていく、今回はその過程で「済州島四・三事件」(1948年4月3日に人民遊撃隊の武装蜂起にともない多くの島民が虐殺された)にぶつかった。社会問題を扱うのは専門外だけど、祖母さんが日本に来た時代を考えると逃げられない。だから、書き込んだ。
下世話なところから宇宙を見たい
──ミンジョンの祖母の故郷・済州島がキーポイントになってるけど、山本のなかに済州島のような精神的なものはあるの?
原初的なエネルギーだよね。子どものときに海に潜った体験とか、ああいう感覚を代表しているんだ。それは済州島でなくてもどこでもいい。
──河瀨直美監督の『2つ目の窓』は、彼女のルーツが奄美大島だということを知って奄美大島で撮っていて、自然のなかで自身を発見するというテーマが一部ダブっていると思った。
それは、観てないから分からない。俺は自然との関係はそう考えていないし、『ロビンソンの庭』でもそんなことやってない。あのときもリサイクルとか言われて、違うだろと思った。
──でも自然の原初的エネルギーに憧れはあるわけでしょう?
ヨーロッパ的に自然を対比物にするんじゃなくて、そのエネルギーが自分のなかにもあるということ。『熊楠 KUMAGUSU』になると、自然と自分の境目もなく、もっと混沌としている状態なんだけれど、今そういうエネルギーが閉ざされているから。俺がいつも感じてるのは、そうしたエネルギーが抑えこまれる感覚や軋轢なんじゃないかな。
──それは都市に住んでいる人間が感じていることということ?それだと単純な比較でしかない。
どこでもそうだと思う。都市でも田舎でも、国も関係なく。もっと皮膚なんだよ。ロジックで割っていくと図式的になっていくんだけれど、俺はそういうタイプじゃない。感じて、そのときに反映される風景をどうやって撮ろうかということだけ考えてやってるから。
でも今回に関してはどうしても左脳の世界が、済州島の事件があるから、構成も重要になってくる。自分の資質は樹を撮ったり、人間をいきいきとさせたりすること。そこに説明的要素をいろいろ持っていくのは、第三者的に見て山本という人間には向いてないと思ってるんだよね(笑)。
──この映画は、文明を良くも悪くも描いていないし、自然とも距離を置いて描いている。最初のほうは水槽の水だし。
窓の外のグリーンとか、ところどころで表現している。俺、文明と自然というシンプルに対比させるヨーロッパの分析的な視点がどうも苦手なんだよ。
映画『水の声を聞く』より、広告代理店の男を演じた村上淳(右)
──では、新興宗教のネタはどこから出てきたの?
覚えてないんだけれど、なんか胡散臭いもの、インチキなものをやりたかった。それも『ロビンソンの庭』の頃からずっと一緒で、俺はやっぱりチンピラもバカもアホもインテリもなんもかんも全部同じ宇宙の光を受けてると思ってるから。上から見下ろす宇宙観じゃなくて、下世話なところから宇宙を見たいなって。
──久美さんと組んでやっていたときは、久美さんは山本とイコールの存在、あるいは久美さんの方が山本より自由に生きている存在だったけれど、この玄里とミンジョンという役は物語のなかでかわいい女の子の設定になっている。それは、玄里に合わせているの?
玄里という存在を活かせるのはこっちかなと思ってやってるに過ぎないよ。やっぱり『ロビンソンの庭』以後はずっと、物語を作るということに舵を切ってる。『闇のカーニバル』ではもちろん彼女との関係で物事が生まれてきたりもしているし、プライベートも含めぐちゃぐちゃになっていたしな。でも『ロビンソンの庭』は、太田久美子に触発された部分があるにしても、全てが創作。まったく違うところから物事を作って、主役を太田にしようと切り替えていった話だ。
──確かに『ロビンソンの庭』以降は物語を作っているよね。そこから、20年以上経って今作が完成したけれど、それは山本の感じている世界があまり変わっていないということ?
切り口は全く違うと思う。それまで挫折をちょっとくらいしてもなんてことないと思ってたけれど、『熊楠 KUMAGUSU』はやはり大きな壁だった。今までの自分の作品のなかで圧倒的な存在なわけだよ。20年間ぐらい再開しようと計5回プロデューサーを変えてやってるから、諦めのつく作品ではないし、今でも完成させたいと思ってる。
──『熊楠 KUMAGUSU』の当時の予算はいくらで考えていたの?
再開して2億5千万くらいじゃなかったかな。
──問題はなんなの?
金。ほんとうに規模が大きかったからね。もともとは大河ドラマでやりたかったんだ。最初の台本が3時間ちょっとだった。ある時期、アミューズの大里(洋吉)さんから「『熊楠 KUMAGUSU』やろうか」という話があったときに、天願大介が脚本を書いて、森の妖怪みたいな話になってきたんだ。最終的にやっぱり台本の内容が、徹底したコテコテの大河ドラマの方向にしたいというアミューズ側と合わなかった。でもここまで付き合ったからなんかやるかということで、『アトランタ・ブギ』という町内運動会の話になった(笑)。巡り巡って今ははっきりと、やりたいのは大河ドラマなんだなとようやく分かってきた。
1980年とやってることは変わらない
──いまのお客さんにこれをどう伝えるのか難しい内容だけれど、仕掛けの秘策はあるの?『てなもんやコネクション』(1990年)のときは専用映画館「TANK2」を現在のオーディトリウム渋谷の近くに建てて上映していたじゃない。
「『恋の渦』のあがりをつぎこんだ」って書かないほうがいいですよ、と言われたり、宣伝って難しいな。でも、デジタルのメディアがかなりあるけど、それと連動するだけじゃなく、もっと映画を通してバカをやろうと、そういうノリにお客さんもノってくれないとつまらない。トークショーもどこもやってるし、もっとアイディアないのかな。とりあえず上映しているオーディトリウム渋谷に行きたいと思わせるものにしたい。オーディトリウムの前に屋台を入れたり、入口のポスターに少し手を加えたりするよ。どうなってるのかは、劇場に来てもらえば分かるって事で。
──いまの若い子は山本のことを知らない人も多いけど、なんだかんだいって、「あの山本の新作」として宣伝していくべきだよ。今の日本にこういう映画はないから。
もうちょっと社会福祉事業みたいな感じで俺の映画を観てくれていいんだけれどね(笑)。
──山本に募金してもどこに使うかわからないんだから、誰も募金するわけないじゃん(笑)。
でも『聖テロリズム』(1980年制作の8mm作品)のチラシに「あなたも山本くんに励ましのお金を送ろう!」って入れていたんだ。当時とやってること一緒なんだね、バカだね。
『聖テロリズム』(1980年)のチラシ裏面より
でもみんな、既成の器のなかに自分がどう入ろうか、ということばかりで、これがやりたい、これが自分のやり方だ、ということをしないね。冨田(克也/空族)くらいかな、同じ匂いを感じるのは。
──この前アップリンクで開催された「10代の映画祭」を観ていたんだけれど、みんな元気があった。何人かは目指すところは園子温だったりするんだけれど。
園子温は大したもんだと思うよ。
──山本もプロデューサーから「あれくらいのバジェットで面白い作品作れ」って言われたら、できるでしょう。
うん、ぜんぜんやるよ。
メジャー/マイナー分け目なくやっていきたい
──この作品でエンジンがかかって、これからも作っていくの?
そうだよな、今やりたいのはゼロか、ちょっと予算があるかどっちかだな。坂口恭平と飲んでいて「熊本で『ゼロ円映画』を作ろうか」と話していて(笑)。彼は理詰めだけれど、行動は直感的にドーンとくるから相性がいいんだよ。それから、人が書いた脚本をやりたい。
──やりたい原作はあるの?
『バタス――刑務所の掟』ってノンフィクションはやりたいなと思った。フィリピンの刑務所でキングになっていく日本人の実話で、相当面白いよ。フィリピンは刑務所も撮影で使えるらしいし。『ロビンソンの庭』のときにおまえが脚本を大江健三郎に頼んだの覚えてる?そのときは1年半くらいかかると言われて実現しなかったんだけれど、『洪水はわが魂に及び』『万延元年のフットボール』といった大江作品も、エンターテインメントもやりたい。
──話を聞いていると『バタス』は山本らしい、今までの要素全部がミックスされた感じになりそうじゃない。
台本で抱えているのは、『熊楠 KUMAGUSU』と『ジャンピング・マウス』というのがあるんだけれど、このふたつは大きすぎて。『ジャンピング・マウス』はだいぶ前に書いたのを一度ゼロにしてぜんぶ自分で叩きなおして3年前に上げたんだ。スケール感ありすぎるんだけれど、かなりいい。小さい高床式住居のある妙な島から始まる話で、世界に“節目”がくるので、それに備えて宝探しを始めるんだ。“節目”については、福島の前に書いてて、福島後の今だと象徴的に解釈されるけど、それでもいいかと思っている。
──山本くらいのキャリアと実力があればどんどんメジャーで活躍できる時代だから。
メジャーとかマイナーとか分け目なくやっていきたいんだ。昔はこだわりがあったんだけれど、今はどちらでも自分のものにできる自信はあるから。
──山本はプロデューサーから恐れられているよね。扱いにくいと思われてるんじゃないの?
なんで?こんないいやつなのに(笑)。あることないこと、直接会ったことのないやつから思われるからね。
──そんな話よく聞くよ。俺が「『ロビンソンの庭』のプロデューサーです」って言うと、「あの山本さんの!?」って感心される。
株が上がってよかったじゃん、「俺が調教したからできたんだ」って言っておけばいいよ(笑)。
(インタビュー:浅井隆 構成:駒井憲嗣)
山本政志 プロフィール
『闇のカーニバル』(1983年)が、ベルリン・カンヌ映画祭で連続上映され、ジム・ジャームッシュらニューヨークのインディペンデント監督から絶大な支持を集める。『ロビンソンの庭』(1987年)[ベルリン映画祭Zitty賞/ロカルノ映画祭審査員特別賞/日本映画監督協会新人賞]では、ジム・ジャームッシュ監督の撮影監督トム・ディチロを起用、香港との合作『てなもんやコネクション』(1990年)では専用上映館を渋谷に建設、『ジャンクフード』(1997年)を全米12都市で自主公開、『リムジンドライブ』(2001年)では単身渡米し、全アメリカスタッフによるニューヨーク・ロケを敢行、蒼井そらを主演に据えた『聴かれた女』(2006年)は、英、米を初め7ヵ国でDVDが発売され、2011年には、超インディーズ作品『スリー☆ポイント』を発表、2012~13年は実践映画塾「シネマ☆インパクト」を主宰し、12人の監督とともに15本の作品を世に送り出し、その中から、メガヒット作大根仁監督『恋の渦』を誕生させた。国境やジャンルを越えた意欲的な活動と爆発的なパワーで、常に新しい挑戦を続けている。
映画『水の声を聞く』
2014年8月30日(土)よりオーディトリウム渋谷にてロードショー
東京・新宿コリアンタウン。在日韓国人のミンジョンは美奈の誘いにのり、軽くひと稼ぎし、頃合いを見てやめるつもりで巫女を始めた。しかし、救済を乞う信者が増え、宗教団体『真教・神の水』が設立され、後戻りができない状況になってくる。借金取りに追われる父親、それを追う狂気の追跡者、教団を操ろうとする広告代理店の男、教団に夢を託す女、救済を乞う信者達、ミンジョンは聖と俗の狭間で苦悩し、偽物だった宗教に心が入ってくる。やがて、ミンジョンは大いなる祈りを捧げ始める。不安定な現代に、“祈り”を捧げる。“祈り”によって、世界を救済する。いったい何が「本物」で、何が「偽物」なのか?大いなる祈りは、世界に届くのか?
監督・脚本:山本政志
出演:玄里、趣里、中村夏子、鎌滝秋浩、小田敬、萩原利久、松崎颯、村上淳
プロデューサー:村岡伸一郎
ラインプロデューサー:吉川正文
撮影:高木風太
照明:秋山恵二郎
美術:須坂文昭
録音:上條慎太郎
編集:山下健治
音楽:Dr.Tommy
2014年/日本/129分
公式サイト:http://www.mizunokoe.asia/
公式Facebook:https://www.facebook.com/mizunokoewokiku
公式Twitter:https://twitter.com/thevoiceofwater
『メガ盛MAX山本政志—山本政志監督作品全集—』
9月3日(水)~9月22日(月)オーディトリウム渋谷にて上映
【上映作品】
『看守殺しの序曲』(1978年)
『聖テロリズム』(1980年)
『闇のカーニバル』(1982年)
『ロビンソンの庭』(1987年)
『てなもんやコネクション』(1990年)
『熊楠KUMAGUSUパイロット版』(1991年)
『アトランタブギ』(1996年)
『JUNK FOOD』(1998年)
『リムジンドライブ』(2000年)
『3日』(2006年)
『サイクル』(2006年)
『聴かれた女』(2007年)
『スリー☆ポイント』(2011年)
『アルクニ物語』(2012年)
『タコスな夜』(2012年)
詳細は下記より
http://a-shibuya.jp/archives/10220