骰子の眼

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2013-09-19 23:15


コンペテーマは〈闘う〉第26回東京国際映画祭出品発表

ケシシュ監督のパルムドール受賞作や『ホドロフスキーのDUNE』、グザヴィエ・ドラン監督新作もラインナップ
コンペテーマは〈闘う〉第26回東京国際映画祭出品発表
[写真:コンペティション出品作、リチャード・アヨエイド監督『ザ・ダブル/分身』より By Dean Rogers c Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013]

10月17日(木)より開催の第26回東京国際映画祭に先駆け、本日9月19日、第二回記者会見が行われ、コンペティション部門をはじめとする各部門の出品作品が発表された。

コンペティション部門の出品作品について、プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏は「古い体制や古い常識と〈闘う〉〈抵抗する〉映画、映画監督の姿勢としても〈闘う〉映画」と解説。日本からは『歓待』の深田晃司監督が二階堂ふみを主演にヨーロッパ映画的なセンスを開花させた『ほとりの朔子』と榊英雄監督が出身の長崎を舞台にジョージ秋山の原作を映画化した『捨てがたき人々』の2作品が選出。他にも、リチャード・アヨエイド監督がジェシー・アイゼンバーグとミア・ワシコウスカを迎えドストエフスキーの原作に挑んだ『ザ・ダブル/分身』や、アルノー&ジャン=マリー・ラリユー監督がマチュー・アマルリック主演で描くラブストーリー『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』、スウェーデンのルーカス・ムーディソン監督が80年代前半を舞台にパンクバンドを始める女子中学生の日常を綴る『ウィ・アー・ザ・ベスト!』などが選ばれ、全15作が最高賞の東京サクラグランプリを競う。

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深田晃司監督『ほとりの朔子』(コンペティション部門出品)©sakuko film partners
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榊英雄監督『捨てがたき人々』(ワールド・フォーカス出品)©2012「捨てがたき人々」製作委員会
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アルノー&ジャン=マリー・ラリユー監督『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』(ワールド・フォーカス出品)© ARENA PRODUCTIONS, GAUMONT, VEGA FILM, ENTRE CHIEN ET LOUP, MOLLYWOOD
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ルーカス・ムーディソン監督『ウィ・アー・ザ・ベスト!』(ワールド・フォーカス出品)Copyright 2013 Memfis Film Rights AB

【コンペティション出品作】
『ほとりの朔子』監督:深田晃司(日本=アメリカ)
『ある理髪師の物語』監督:ジュン・ロブレス・ラナ(フィリピン)
『ルールを曲げろ』監督:ベフナム・ベフザディ(イラン)
『ブラインド・デート』監督:レヴァン・コグアシュビリ(グルジア)
『捨てがたき人々』監督:榊 英雄(日本)
『ザ・ダブル / 分身』監督:リチャード・アヨエイド(イギリス)
『ドリンキング・バディーズ』監督:ジョー・スワンバーグ(アメリカ)
『エンプティ・アワーズ』監督:アーロン・フェルナンデス(メキシコ=フランス=スペイン)
『ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム』監督:アルノー・ラリユー/ジャン=マリー・ラリユー(フランス=スイス)
『馬々と人間たち』監督:ベネディクト・エルリングソン(アイスランド)
『レッド・ファミリー』監督:イ・ジュヒョン(韓国)
『歌う女たち』監督:レハ・エルデム(トルコ=ドイツ=フランス)
『ハッピー・イヤーズ』監督:ダニエレ・ルケッティ(イタリア=フランス)
『オルドス警察日記』監督:ニン・イン(中国)
『ウィ・アー・ザ・ベスト!』監督:ルーカス・ムーディソン(スウェーデン)




特別招待作品には、オープニングのポール・グリーングラス監督・トム・ハンクス主演『キャプテン・フィリップス』クロージングの三谷幸喜監督『清須会議』のほか、本年度のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたアブデラティフ・ケシシュ監督の『アデル、ブルーは熱い色』やテオ・アンゲロプロス監督の遺作で日本未公開だった『エレニの帰郷』、ソフィア・コッポラ監督の最新作『ブリングリング』など計22作品がラインナップ。

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アブデラティフ・ケシシュ監督『アデル、ブルーは熱い色』(特別招待作品)© 2013- WILD BUNCH - QUAT’S SOUS FILMS – FRANCE 2 CINEMA – SCOPE PICTURES – RTBF (Télévision belge) - VERTIGO FILMS
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テオ・アンゲロプロス監督『エレニの帰郷』(特別招待作品)© 2008 Theo Angelopoulos Productions Greek Film Centre Hellenic Broadcasting Corporation ERT S.A.Classic Srl Lichtmeer Film GMBH & CO KG Studio ARS (RUSSIA)



また、これまで「アジアの風」と「ワールドシネマ」と呼ばれていた部門が合体し「ワールド・フォーカス」としてスタート。今年の世界の映画祭で話題となっている作品から、8月末時点で日本公開が決定していない作品が選ばれている。アレハンドロ・ホドロフスキー監督が進めていたSF小説「デューン」の映画化の顛末を追ったドキュメンタリーで、矢田部氏が「今年のカンヌ国際映画祭では100本以上観ましたが、いちばん面白かった。椅子から転げ落ちるかと思った」と絶賛するフランク・パヴィッチ監督『ホドロフスキーのDUNE』や、現在『わたしはロランス』が公開中のグザヴィエ・ドラン監督の最新作で、先日ヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した心理スリラー『トム・アット・ザ・ファーム』、中国の女優ヴィッキー・チャオの初監督作品で記録的ヒットを更新している青春映画『So Young』といった多彩な作品が上映される。

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フランク・パヴィッチ監督『ホドロフスキーのDUNE』(ワールド・フォーカス出品)
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グザヴィエ・ドラン監督『トム・アット・ザ・ファーム』(ワールド・フォーカス出品)©2013 – 8290849 Canada INC. (une filiale de MIFILIFIMS Inc.) MK2 FILMS / ARTE France Cinéma
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ヴィッキー・チャオ監督『So Young』(ワールド・フォーカス出品)



そして、今年から新部門となる「アジアの未来」は、新鋭監督の1、2作目を対象としており、香港の歌手で俳優のジュノ・マックのデビュー作で80年代ホラーにオマージュを捧げた『リゴル・モルティス/死後硬直』ほか8作品が選出されている。昨年土屋豊監督『タリウム少女の毒殺日記』が作品賞を受賞した「日本映画・ある視点」部門は、今年より「日本映画スプラッシュ」となり、日本のインディペンデント映画を紹介。今泉力哉監督の『サッドティー』など8作品が登場する。

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ジュノ・マック監督『リゴル・モルティス/死後硬直』(アジアの未来出品)© 2013 Kudos Films Limited. All Right Reserved.
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今泉力哉監督『サッドティー』(日本映画スプラッシュ出品)©2013 ENBUゼミナール



第26回東京国際映画祭
2013年10月17日(木)~10月25日(金)

会場: 六本木ヒルズ(港区)ほか
公式HP: http://tiff.yahoo.co.jp/2013/

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