骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2013-09-02 22:36


“心の風邪”をこじらせた普通の人々の、壊れそうだけど愛おしい日々の暮らしを描く

なぜ「うつ」は'99年以降日本で増加したのか─ドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』レビュアー募集
“心の風邪”をこじらせた普通の人々の、壊れそうだけど愛おしい日々の暮らしを描く
映画『マイク・ミルズのうつの話』より

今や日本人の15人に1人がかかっているともいわれる「うつ病」。しかし、2000年までは「うつ」という言葉は精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった。なぜ、この短期間で「うつ」は爆発的に広まったのか? 90年代のユース・カルチャーを代表する映像作家マイク・ミルズは、その理由のひとつに製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。舞台は近年、急速にうつが常識化した日本。撮影対象となる条件はふたつ。①抗うつ剤を飲んでいること。②日常生活をありのままに撮らせてくれること。
本作でマイク・ミルズは、うつ患者たちの壮絶な日常を、独特の優しく明るい目線で捉えることで、この現代を象徴する病気に対する処方箋を調合するとともに、今の日本社会の問題点も鮮やかに描き出す。

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映画『マイク・ミルズのうつの話』より

2006年、マイク・ミルズ監督の長編ドュメンタリー作品「Does Your Soul Have A Cold?」(原題:心の風邪をひいていますか?)の制作企画書が、日本のうつ関係のチャットルームに送られ出演者の募集が行われた。
1999年にうつのコンセプト「心の風邪」が日本に輸入されて以来、自分の症状がうつ病によるものではないかと、診察を受ける人の数は増加していた。うつとネットの親和性は当時からとても高く、マイク・ミルズのこの企画には、すぐに多くの反響が寄せられた。
応募してきた人たちの多くは、うつ病患者が日本の社会から閉め出されているという疎外感と、自分がダメな人間だという社会に対しての罪悪感を持っていた。自分たちの置かれている現状を知ってもらいたいという、強い意志が彼らを突き動かしていた。重いうつ病の場合、体を自由に動かせない日もあるというが、応募者の中には、何年も自宅から出たことのない人が、渋谷までマイク・ミルズに会いに来たという。多くのうつ病患者と話し合うことによって、日本におけるうつの現状を知ることができた、マイク・ミルズは応募者の中から5人を選び撮影を始める。

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映画『マイク・ミルズのうつの話』より

ポップ・カルチャー界で鮮やかにアートディレクターとして活躍する傍ら、大量消費文化の潮流に疑問をもっていたマイク・ミルズは、ふと日本の友人が“薬”を飲む姿に目が留まる。
「薬というものはアメリカ的価値観そのものではないか?」。その疑問を発端に“薬”を取り巻く現代社会と加速するグローバリゼーションを見つめなおすことになる。そして、グローバル製薬会社が日本にも広告キャンペーンを持ち込んでいるという驚くべき事実を見つける。「小さなカプセル(薬)の中に詰まっているものは、健康やメンタルヘルスについての考え方や、ハッピーでいなきゃいけないと幸せに固執する脅迫観念はアメリカ特有の価値観ではないか」。テレビやネットでアメリカ資本主義のCMを目にしない日はない。物質的豊かさを増進する“ハッピー”を商品にする一方で、“うつ”という精神的な疾患も市場とする現在の経済構造。本作には製薬会社への糾弾もなければ、ナレーションもなく、医師も専門家も出てこない。観た人それぞれが意味を見いだせるよう、うつを抱える5人の日常をありのままに、マイク・ミルズならではのスタイリッシュな映像で捉えている。(以上、プレスより引用)




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映画『マイク・ミルズのうつの話』
2013年10月下旬、渋谷アップリンク他全国順次公開

監督:マイク・ミルズ
撮影:ジェイムズ・フローナ、D.J.ハーダー
編集:アンドリュー・ディックラー制作:カラム・グリーン、マイク・ミルズ、保田卓夫
出演:タケトシ、ミカ、ケン、カヨコ ダイスケ
配給:アップリンク
宣伝:Playtime、アップリンク
原題:Does Your Soul Have A Cold?
84分/アメリカ/2007年/英語字幕付
公式サイト:http://uplink.co.jp/kokokaze/
公式Twitter:https://twitter.com/uplink_els
公式Facebook:https://www.facebook.com/kokokaze.movie




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映画『マイク・ミルズのうつの話』試写会
日時:2013年9月19日(木)14:30開場/15:00開映(上映時間84分)
場所:渋谷アップリンク(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル) [地図を表示]


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