骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2013-05-09 23:33


妻レイのチャーミングな笑顔とセンスがイームズのデザインを生んだ

クリエイターは見逃せないドキュメンタリー『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』クロスレビュー
妻レイのチャーミングな笑顔とセンスがイームズのデザインを生んだ
映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』より ©2011 Eames Office, LLC.

モダンデザインの歴史を築いたチャールズとレイのイームズ夫妻の作品がなぜ現在まで人々を魅了するのか。今作は、既に亡くなっている二人の事務所のスタッフや家族からの証言をもとに、豊富な映像資料を用いて、彼らの人生と、数々のデザインが生まれた過程を描き出している。もちろん、イームズが生み出した作品はこのドキュメンタリーに収められたものだけでなく、さらに多岐に渡るものだが、おそらく、多くの人が知らなかったであろう、この夫婦の人間関係について大胆に踏み込んでいる。

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映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』より Photo courtesy of Quest Productions/Bread and Butter Films. Photo courtesy of First Run Features.

アートについて深く掘り下げるドキュメンタリー映画、といえば最近では『ハーブ&ドロシー』や会田誠『駄作の中にだけ俺がいる』『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』 日本未公開の『Gerhard Richter Painting』が挙げられるが、やはり面白いのはその人物のパーソナリティーであり、人間臭さであると思う。関係者の証言から浮かび上がってくるのは、妻の感性を信頼しつづけた夫の姿であり、脚光を浴びた夫をどんなときも支えた妻の献身そしてアーティストとしてのひらめきである。

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映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』より

それまでの潮流を変えてしまうほどの確信的な作品は、尽きることのないアイディアをどう現実化していくかという努力からしか生まれず、周囲の人々を牽引していく人間力が、アイディアを世界に届ける源となることを伝えてくれるドキュメンタリーである。ニューヨーク近代美術館のサマースクールで教鞭をとるなどアートに造詣が深いことでも知られる俳優ジェームズ・フランコがナレーションを担当しているのも興味深い。

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映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』より Photo courtesy of Quest Productions/Bread and Butter Films. Photo courtesy of First Run Features.



映画『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』
5月11日(土)渋谷アップリンク、シネマート六本木他全国順次公開

監督:ジェイソン・コーン、ビル・ジャージー
ナレーター:ジェームズ・フランコ
出演:ルシア・イームズ(チャールズの娘)、イームズ・デミトリオス(孫)、ポール・シュレイダー、リチャード・ソウル・ワーマン(建築家、グラフィックデザイナー)、ケビン・ローチ(建築家)、ジェニーン・オッペウォール(元イームズオフィス・デザイナー)、デボラ・サスマン(元イームズオフィス・デザイナー)、ゴードン・アシュビー(元イームズオフィス・デザイナー)
アメリカ/2011年/英語/カラー&モノクロ/HDCAM/84分
配給:アップリンク
宣伝:ビーズインターナショナル
協力:ハーマンミラージャパン

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/eames/
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▼『ふたりのイームズ:建築家チャールズと画家レイ』予告編


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