骰子の眼

art

東京都 渋谷区

2013-02-08 20:36


これが観るべき作品!第5回恵比寿映像祭ディレクター、プログラマーによるレコメンド

川口隆夫、マイク・ケリー追悼上映ほか映像メディアの可能性を探るフェスティバル開催
これが観るべき作品!第5回恵比寿映像祭ディレクター、プログラマーによるレコメンド
マイク・ケリー『MOBILE HOMESTEAD デトロイトのダウンタウンからウエストランドへ、ミシガン・アベニューを西へ行く』より Photo: Corine Vermeulen Courtesy: Mike Kelley Foundation for the Arts

第5回恵比寿映像祭が2月8日(金)より2月24日(日)まで開催。今年も展示、上映、ライヴ・イヴェント、講演、トーク・セッションなどを通して、映像分野における創造活動の活性化、優れた映像表現やメディアの発展と継承を目指すフェスティバルとなっている。2013年のテーマは「パブリック ダイアリー」とされ、メディア技術や情報システムの変換により公私の境界がゆらぐ現在の映像メディアの可能性を探る。今回はディレクター、岡村恵子さんとプログラマー、森宗厚子さんに注目すべき作品をレコメンドしてもらった。




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ディレクター岡村恵子さんによる
レコメンド作品



川口隆夫《a perfect life - vol.6 沖縄から東京へ》

場所性もとりこみ自分について語る

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写真:角張康治

展示の最後、地下1階のスペースで行われる川口隆夫さんによるライヴ・パフォーマンス。自分について語る、をテーマにさまざまな土地で行ってきた「a perfect life」の第6弾で、2011年4月に沖縄で制作した前回の構成を下敷きに、それからの時間と、沖縄と東京という場所性もとりこみながら新たに構成されています。公演時以外は、空間をインスタレーションとして公開。会期中頻繁に作家が登場し、空間に関与する予定です。領域横断的なフェスティバル恵比寿映像祭ならではの、心と体で、味わい尽くしていただける作品です。

2013/パフォーマンス、インスタレーション
公演日:2月8日(金)、2月9日(土)、2月10日(日)、2月13日(水)、2月14日(木)、2月16日(土)、2月20日(水)、2月21日(木)、2月23日(土)
会場:地下1階展示室内
時間:18:30開場/19:00開演(20:00終演[予定])
料金:当日2,000円 前売1,600円(日時指定・全席自由席制/入場整理番号付/各回定員入替/定員100名)
http://www.yebizo.com/#pg_ex17




ヒト・スタヤル《キス》

黒沢明『羅生門』へのオマージュ的インスタレーション

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科学捜査の手段として用いられる3D技術を使った映像や立体模型などの要素で構成するインスタレーションを展示します。高度に情報化され、管理看視されつくしているかにみえる現代にありながら、なお、社会や歴史の盲点に、個人の存在や尊厳が消えてしまいうるということを、ドラマティックに描きだします。日本で映画作りを学んだこともあるスタヤルらしく、黒沢明の『羅生門』へのオマージュ的要素もあります。上映プログラムでは、親友の死に端を発し、イメージの流通について、個と社会双方の視点から考える初期代表作『ノヴェンバー』他3本を上梓します。ぜひお見逃しなく。

2012/3チャンネル・ヴィデオ・プロジェクション、3Dプリント、ライトボックス、シングルチャンネル・ヴィデオ他/作家蔵
●上映プログラム「メビウスの輪を旅して ―ヒト・スタヤルのイメージ論」
2月9日(土)15:00 作家本人によるQ&A付き
2月22日(金)18:30
●ラウンジトーク:ヒト・スタヤル(展示・上映出品作家)
2月9日(土)13:00 入場無料
http://www.yebizo.com/#pg_ex4




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プログラマー森宗厚子さんによる
レコメンド作品



『希望の旅路』

西アフリカの風景や暮らす人々を描くドキュメンタリー

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チョコレートの原料となるカカオ、その生産高が世界一であり全世界の4割を占めるコート・ジボワール。そのプランテーション農場では、ほとんどが隣国ブルキナファソから出稼ぎしているという……といった情報からは、なかなか想像が及ばないような西アフリカの風景やそこに暮らす人々の表情を見ることができるドキュメンタリー。自身もブルキナファソで生まれ育ったミシェル・K・ゾンゴが、18年前に出稼ぎに行ったまま亡くなった兄の足跡をたどるロードムービーとして、見ていてあたかもその旅に同行してしているかように引き込まれます。気負いのないアプローチとパーソナルな視点が新鮮で、遠隔地の家族への思いの普遍性に胸打たれます。

2011/81分/監督:ミシェル・K・ゾンゴ
2月10日(日)11:30
2月23日(土)15:00
http://www.yebizo.com/#pg_screen3




日本新進映像作家たち

20代の作家たちによる日常性をモチーフにした3作品

『the place named』

2012/36分/監督:小森はるか

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『今村商店』

2012/5分/監督:告畑綾

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『Come Wander With Me』

2012/55分/監督:福崎星良

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1980年代後半生まれ、現在20代の作家たちによる日常性をモチーフにした3作品をピックアップした短編プログラムです。人形アニメーション、実験的フィクション、セルフ・ドキュメンタリーといった手法を逆手に取ったようなハイブリッドな作品になっています。《the place named》(小森はるか)は、日常のスケッチと演劇リハーサル・シーンを融合させています。『今村商店』(告畑綾)はインタビュー肉声に基づいてアニメーションが展開されています。『Come Wander With Me』(福崎星良)では、ビデオ・ダイアリーと大量の映像フッテージを縦横無尽に構成しています。三者三様の「今日」への迫り方にハッとさせられます。

2月11日(月)18:30
2月20日(水)15:00
2月23日(土)11:30
http://www.yebizo.com/#pg_screen7




追悼マイク・ケリー

彼の唯一のパブリックアート・プロジェクト

『MOBILE HOMESTEAD デトロイトのダウンタウンからウエストランドへ、ミシガン・アベニューを西へ行く』

『MOBILE HOMESTEAD ウエストランドからデトロイトのダウンタウンへ、ミシガン・アヴェニューを東へ行く』

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Photo: Corine Vermeulen Courtesy: Mike Kelley Foundation for the Arts

1970年代後半よりロサンゼルスを拠点にインスタレーション、パフォーマンス、映像、サウンドなどを用いた作品を発表し、アーティストとして活躍した、マイク・ケリーが2012年1月に急逝しました。近作であり、彼の唯一のパブリックアート・プロジェクトである《MOBILE HOMESTEAD》を日本初公開します。故郷デトロイトの市井の人々へのインタビューによって、アメリカの原風景が綴られています。マイク・ケリーが出身地デトロイトに立ち戻り、その原点へまなざしを向けた作品です。また、個々のインタビューの集積が興味深く、ドキュメンタリー作品としても面白く見ることができます。また、本作と彼の活動を振り返るスペシャルトーク・イベントも別途に2月24日(日)に開催します。

『MOBILE HOMESTEAD デトロイトのダウンタウンからウエストランドへ、ミシガン・アベニューを西へ行く』
2010-11年/76分/英語 ※日本語字幕付
2月15日(金)15:00
2月24日(日)11:30
http://www.yebizo.com/#pg_screen13

『MOBILE HOMESTEAD ウエストランドからデトロイトのダウンタウンへ、ミシガン・アヴェニューを東へ行く』
2010-11年/76分/英語 ※日本語字幕付
2月15日(金)18:30
2月17日(日)15:00
http://www.yebizo.com/#pg_screen14




第5回 恵比寿映像祭 パブリック ダイアリー
2013年2月8日(金)~ 2月24日(日)

会場:東京都写真美術館/恵比寿ガーデンプレイスセンター広場/ザ・ガーデンルームほか
休館:2月12日(火)、18日(月)
時間:10:00~20:00 *最終日2月24日(日)のみ18:00まで
(2/8、9、10、13、14、16、20、21、23日 19:00~の川口隆夫パフォーマンスに伴い一部鑑賞出来なくなる作品がございます。予めご了承ください)
料金:入場無料 *ただし、定員のある上映、イヴェントなどは有料
主催:東京都/東京都写真美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)/日本経済新聞社
共催:サッポロ不動産開発株式会社
後援:アメリカ大使館/ボスニア・ヘルツェゴビナ大使館/J-WAVE 81.3FM
助成:公益信託タカシマヤ文化基金
協賛:サッポロビール株式会社/東京都写真美術館支援会員
協力:イスラエル大使館/Artis/東京造形大学 CSLAB/NECディスプレイソリューションズ株式会社/東芝ライテック株式会社/東芝エルティーエンジニアリング株式会社/カラーキネティクス・ジャパン株式会社/Kyoto/ぴあ株式会社/株式会社アマナイメージズ/株式会社北山創造研究所/株式会社トリプルセブン・インタラクティブ/株式会社ロボット
公式サイト:http://www.yebizo.com/


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