骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2012-10-04 22:48


前衛映画監督、元日本赤軍メンバー、シュルレアリスト──足立正生を捉えたドキュメンタリー

『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』レビュアー募集
前衛映画監督、元日本赤軍メンバー、シュルレアリスト──足立正生を捉えたドキュメンタリー
映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』より (c)EPILEPTIC

政治的な前衛映画監督たちを被写体にしたドキュメンタリー・シリーズ『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう』の第一弾となる本作は、1960年代に若松孝二とともに鮮烈な映画を次々と世に生み出し、若手芸術家の筆頭として注目されるも、やがて革命に身を投じた足立正生のポートレートである。フィリップ・グランドリュー監督が2008年の初来日時に足立正生と対面し、意気投合したことが制作のきっかけになった。本シリーズは、かつてフランスで放送されていたアンドレ・S・ラバルトとジャニーヌ・バザンによる伝説的TVドキュメンタリー『われらの時代のシネアストたち』へのオマージュでもある。

タイトルは、ドストエフスキーの「美が私たちを救う」という言葉と、2006年に足立正生が35年ぶりに監督した『幽閉者 テロリスト』の中で、テロリストである主人公Mが軍事訓練で見た美しい高原について、「その美しさのせいで俺たちの決断も一段と強まったのかもしれない。なにもかもが、戦いに向かうには、静かで美しすぎる風景だった」と語るセリフから取られている。撮影はグランドリュー監督がキヤノン7Dを使用し、すべて一人で行なった。(以上、プレスより引用)

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映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』より (c)EPILEPTIC

本シリーズは、目録を作ることが目的ではない。全体の運動を司るのは、まさにその逆の事柄だ。つまり、重力から解き放たれた自由な身振りである。それによって一人の映像作家が、別の映像作家の作品群の証人となり、彼の美学的、倫理的、政治的な社会参加や、世界との闘い、彼自身との闘いを明らかにする。映画こそがこの企画の中心である。そう、映画と友情だ。

よって本シリーズの各作品は、それぞれの必然性に支えられながら、それ単体で独自の対象として思考され、制作され、撮影される。シリーズ全体を貫くのは、映画の力を変容させることへの関心である。その関心において、映画と人生は、あまりに強く影響を与え合っている。

足立正生に出会ったのは、東京で私の作品群が上映されたときだった。彼はそこで私の『La Vie Nouvelle 新しい人生』(2002年)を観て、そして私の横に座り、ティーチインに参加してくれた。彼と私は、極めてラディカルな事象に対する好みを共有していると感じた。この暗黙の了解によって、彼と一緒に仕事をしたいという欲望が芽生えた。われわれの親近性こそが、この作品の特異な性格を根本から決定づけたのだ。
── フィリップ・グランドリュー

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映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』より (c)EPILEPTIC



映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』
12月1日(土)より、渋谷アップリンクにて公開

シリーズ企画:ニコル・ブルネーズ、フィリップ・グランドリュー
監督・撮影・編集・音響:フィリップ・グランドリュー
助監督・通訳:シャルル・ラムロ
音楽:フェルディナンド・グランドリュー
プロデューサー:アニック・ルモニエ(Epileptic)
出演:足立正生、小野沢稔彦
2011年/フランス/74分/HD/カラー、モノクロ/16:9/ステレオ
(c)EPILEPTIC

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/bigawatashitachi/




試写会に5名様をご招待

公開に先立ち、本作品の試写会を観て400~600字程度のレビューを書いて頂ける方、5名様をご招待します。応募方法は下記から。ご応募の際、webDICEのアカウントをお持ちでない方は新規登録が必要です。(※当選された場合に必ず試写会に参加でき、レビューを書いてくださる方の応募をお待ちしています)

映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』試写会
日時:2012年11月13日(火)15:00開場/15:30開映

会場:渋谷アップリンク(渋谷区宇田川町37-18トツネビル)[渋谷東急本店右側側道200m先右手][地図を表示]

 

【応募方法】

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▼映画『美が私たちの決断をいっそう強めたのだろう/足立正生』予告編



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