ミュージックShort部門にAIの『ハピネス』が楽曲エントリー
米国アカデミー賞公認で、日本発アジア最大級の国際短編映画祭として知られる「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」が、15回目となる2013年度の開催に向けた作品募集を開始。今回はそのなかからミュージックShort部門、地球を救え!部門、そしてSSFF & ASIAを経て活躍する監督たちとしてJリーグとスカパー!との特別製作ショートフィルムについて紹介する。
ミュージックShort部門 AI 『ハピネス』プロジェクト
ミュージックShort部門とは、各レコード会社協力のもと、公式にエントリーされた楽曲をもとに、クリエイターが自由にショートフィルムを制作するSSFF & ASIA 2010よりスタートしたコンペティション。音楽と映像の新たなコラボレーションの場として映像関係者、音楽ファン双方から注目を集めている。使用可能な楽曲は現在100曲以上。
今回はAIの大ヒット曲『ハピネス』を使用して「ハピネス」「笑顔」をテーマに作品を募集。この『ハピネス』は「みんなが笑顔になればきっと世界はよくなる」と信じるAIの気持ちが詰まった作品。発売から半年以上たった現在でもチャートインを継続し、ダウンロードの累計は135万DLを突破している人気曲だ。エントリーされた作品はAI本人も審査に参加し、優秀な作品はAIオフィシャルウェブサイトで公開することが決定している。
応募の詳細は下記まで。
http://www.shortshorts.org/2013_call_for_entry/ja/music_happiness.html
▼AIからのメッセージ
地球を救え!部門
2008年より設立された「ストップ!温暖化部門」は、環境省と共に、世界規模での深刻な問題となっている地球温暖化をテーマとした作品を募っている。映像作家や観客が共に参加し「映像の力でメッセージを伝える」という映像の原点を生かした取り組みは、世界中からも注目を集め、2012年までの間1200本以上の応募作品を集め、そのうち58本の作品を紹介してきた。今回募集の2013年より、「地球を救え!部門」と名前を変え、地球温暖化問題だけでなく、地球環境に関する様々なテーマの作品を、さらに広い視野で募集する。
応募の詳細は下記まで。
http://www.shortshorts.org/2013_call_for_entry/ja/sgw.html
Jacob Bond監督『地球を救え!』 ストップ!温暖化部門優秀賞(環境大臣賞)
The Environmentalist
『地球を救え!』
環境保護論者の男が、エコ精神を説いて回るが、中々周囲の理解は得られず…。
Jacob Bond/カナダ/7:12/コメディ/2011
▼『地球を救え!』予告編
SSFF & ASIAを経て活躍する監督たち
SSFF & ASIAは20周年を迎えるJリーグとともに、特別ショートフィルムを製作する。「スポーツの持つ力」を映像を使ってより多くの人に届ける企画として、過去にSSFF & ASIAで入選または受賞した経歴を持つ監督を中心に企画公募を行い、Jリーグとショートショート実行委員会による選考を経て、大川五月監督の採用が決定した。
大川五月監督はNYのコロンビア大学大学院映画学科の卒業制作である『タイディ・アップ』で日本人監督としては久々の優秀賞、音楽賞を獲得。SSFF & ASIAジャパン部門で入選を果たした。
大川監督は今作への意欲について「本作の狙いは、ある特殊な環境の中におかれた人々が、サッカーというものを通して互いに触れ合う事で何かを発見していく様をリアルに描くことです。ただその中に私個人の裏テーマが潜んでいるのです。それは、『現代の日本という国に生きる人々を真摯に描きたい』ということです」と語っている。
作品は2013年のショートショート フィルムフェスティバル & アジアでプレミア上映予定となっている。
大川五月監督 (C)Steven Chalmers
また日本最大級の3D専門チャンネルを展開するスカパー!とともに、スカパー!特別製作3Dショートフィルム『消しゴム屋』を製作。SSFF & ASIA 2009でジャパン部門の優秀賞を受賞し、実写版映画『タイガーマスク』(主演:ウエンツ瑛士)の公開を控える落合賢監督が選ばれた。
落合賢監督は3Dでの撮影での面白さについてついて次のようにコメントしている。
「3Dの撮影では、コンバージェンスと視差によって奥行きをコントロールします。コンバージェンスとは、どこにスクリーンの平面を持ってくるかということです。上映されるスクリーンから座っている席に飛び出してくる部分とスクリーンの奥へ続く部分とに分けるためにその境目を決める作業です。視差とは、3Dの映像を裸眼で見ると、2つの映像がずれて見えると思いますが、そのズレ具合が大きければ大きいほど視差も大きく、奥行きも出てきます。逆に小さければ小さいほど、2Dの映像に近くなります。奥行きがありすぎても目が疲れてしまいますし、なかったら2Dと全く変わらないので、非常に微妙な調整が必要になってきます。その二つをショット毎にコントロールするわけですが、そのショットの見栄えがいいからという理由ではなく、映画全体として奥行きをコントロールするというのが、3D撮影の面白さだと思います」。
落合賢監督
この特別3Dショートフィルムは「スカチャン3D」での放送を年内に予定、また、3D、2Dバージョン共に世界各国の国際映画祭へSSFF & ASIAを通して出品され、SSFF & ASIAと連動したショートフィルム専門映画館ブリリア ショートショート シアターでの劇場公開が予定されている。
▼ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2012 授賞式
今年は映画祭史上初の日本人女性監督(『もう一回』監督:平柳敦子)がグランプリを受賞したSSFF & ASIA。グランプリ作品の『もう一回』は、10月25日より東京都写真美術館で開催される「フォーカス・オン・アジア & ワークショップ」でも上映される。このように若き映像クリエイターの作品の上映機会を創出するところもこの映画祭に作品を応募するメリットといえよう。
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア
http://www.shortshorts.org/
ブリリア ショートショート シアター
http://www.brillia-sst.jp/