映画『私が、生きる肌』より Photo by Jose Haro (C) El Deseo
『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール〈帰郷〉』の“女性賛歌3部作”を始め、深遠にしてバイタリティ豊かな愛の物語を次々と世に送り出し、希代のストーリーテラーの地位を揺るぎないものとしたペドロ・アルモドバル。このスペインの巨匠が放つ『私が、生きる肌』は、昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映され、そのかつて誰も観たことのないオリジナリティに満ちあふれた映像世界が、センセーショナルな衝撃と熱狂を呼び起こした最新作である。そのただならぬ興奮は全米の賞レースにも飛び火し、いよいよ多くの熱狂的なアルモドバル・ファンが待ちわびる日本への上陸を果たす。
映画『私が、生きる肌』より Photo by Jose Haro (C) El Deseo
めくるめく官能と戦慄に彩られた『私が、生きる肌』は、謎めいたひとりの女性の姿とともに幕を開ける。本作のヒロインたるその女性ベラは、全裸と見まがうしなやかな肢体に肌色のボディ・ストッキングをまとい、ヨガの瞑想に耽っている。病院と研究所を兼ねた郊外の豪邸にベラを幽閉した医師ロベルは、いかなる秘密を隠し持っているのか。いったいベラは何者で、どのような宿命のもとでロベルとめぐり合ったのか。
こうした疑問を矢継ぎ早に投げかける本作は、現代から過去へとさかのぼり、まったく予測不可能な形で幾つもの驚くべき真実を提示していく。いつものようにアルモドバルが練りに練ったシナリオをベースに紡がれる物語は、スリリングにして艶めかしいミステリー・ノワールとして進行し、激しくも屈折したラブ・ストーリーへと発展。やがて観る者は、比類なきほど異様な運命をたどる主人公ロベルと囚われの美女ベラの関係に、目と心を奪われずにいられない。はたしてこれは究極の愛のみが為せる奇跡か、それとも欲望と狂気に駆られた悪魔の所業か。すべての答えは、この問題作のあまりにも数奇な全貌を見届けた観客に委ねられている。
初期作品の倒錯的なエロス&バイオレンス、先鋭的なファッション感覚を鮮やかに甦らせたアルモドバルは、それらのエッセンスを『ライブ・フレッシュ』『オール・アバウト・マイ・マザー』以降の熟成した語り口と見事に融合。さらに『顔のない眼』『フランケンシュタイン』『めまい』といった往年の名作へのシネフィル的目配せも織り交ぜ、まさしく映画作家アルモドバルの約30年に及ぶ華々しいキャリアの集大成的な作品となった。(以上、プレスより引用)
映画『私が、生きる肌』より Photo by Lucia Faraig (C) El Deseo
映画『私が、生きる肌』
2012年5月26日(土)TOHOシネマズシャンテ、シネマライズ他全国ロードショー
天才的な形成外科医ロベル・レガルは、神をも恐れぬ男だった。12年前に最愛の妻を失った悪夢のような出来事をきっかけに、あらゆる良心の呵責から解き放たれた彼は、倫理的に危うい遺伝子実験に没頭し、妻を救えるはずだった“完璧な肌”の研究に心血を注いできたのだ。その実験が最終段階に差しかかった頃、ロベルは監禁した“ある人物”の肉体に開発中の人工皮膚を移植し、ベラ・クルスという亡き妻そっくりの美しき女性を創り上げていくのだった……。
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス
2011年/スペイン/120分/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ
公式サイト:http://www.theskinilivein-movie.jp/
試写会に3名様をご招待
公開に先立ち、本作品の試写会を観て400~600字程度のレビューを書いて頂ける方、3名様をご招待します。応募方法は下記から。ご応募の際、webDICEのアカウントをお持ちでない方は新規登録が必要です。(※当選された場合に必ず試写会に参加でき、レビューを書いてくださる方の応募をお待ちしています)
『私が、生きる肌』3名様ご招待
日時:2012年5月17日(木)18:00開場/18:30上映開始
会場:ブロードメディア・スタジオ 月島試写室(中央区月島1-14-7 旭倉庫2F/月島駅【東京メトロ有楽町線/都営地下鉄大江戸線】7番出口より徒歩5分)[地図を表示]
【応募方法】
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■応募締切:2012年5月10日(木)23:00
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▼『私が、生きる肌』予告編