骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2012-04-13 01:00


「これからの新しい未来を考えていくための映画館」

太陽33シアター開催、TAIYO33OSAKA代表PIKA☆が語る『ホピの予言』の魅力
「これからの新しい未来を考えていくための映画館」

元あふりらんぽで現在ソロでムーン♀ママや太愛鼓などで活動するPIKA☆が代表を務め、昨年3月11日の東日本大震災を契機に立ち上げられたTAIYO33OSAKA。大阪を拠点にエネルギーについての関心と知識を深めていこうと、2013年3月3日まで様々なイベントや企画を行うこのプロジェクト、今年の3月2日、3日には「太陽大感謝祭☆プレ☆祭り」と題し、鎌仲ひとみ監督の『ミツバチの羽音と地球の回転』上映やライブ・パフォーマンス、そして自転車発電による人力電力でのユーストリーム配信など多彩な催しを福島パインブルックリンで行い、およそ700名を動員した。このプロジェクトのひとつである太陽33シアターが4月16日(月)渋谷アップリンク・ファクトリーで開催される。

「震災直後にいちばん求めたのは〈場所〉でしたね。TAIYO33OSAKAが立ち上がる前から『みんな本音で今の日本がどうなってるか話そう』とツイッターやブログで呼びかけて、集まれる場を作ってきました。太陽33シアターはまず自分が観ようと思う映画を、誰かと観れたらいいなと思ってはじめたんです」。

webdice_pika
PIKA☆

これからの新しい未来を作るためのヒントになる映画を上映するというコンセプトの太陽33シアターは、これまで大阪のエジプトレコーズで行われてきたが、東京では初の試みとなる。

「テレビでは流れない真実を追ってドキュメンタリーを作っている人がいてることも広めていきたかったし、ドキュメンタリーを観終わってひとりで悶々とするんじゃなくて、わからんことって出てくるから『これどうなんやろう』とか聞き合える場がほしかった」。

今回上映されるのは、PIKA☆が太陽33シアターをスタートさせるきっかけとなったという『ホピの予言』。アメリカ南西部アリゾナ州にあるホピ・ランドで暮らすホピ族の人々の暮らしとそこでのウラン採掘の現状、そして広島と長崎の原子力爆弾にこのホピの土地から採掘されたウランが使用されていたことを伝えるドキュメンタリーだ。

「『ホピの予言』という映画があるというのはずっと聞いていたんですけど、なかなか観られなくて。たまたまライブをやったお店に置いてあったのを観て、まさに今の日本で起きていることを描いていて、これは広めなきゃあかんなと。『ホピの予言』というと、ネイティブ・アメリカンのスピリチュアルな昔のニューエイジ・ヒッピーカルチャー寄りな内容ちゃうかと勝手にイメージしてたんですけれど、めっちゃ現実的で。電気を使う(原発による)っていうことは、これから起きるかもしれない危険性うんぬん以前の問題で、もう既にホピの人たちの村を犯してたんや、もうそういう現状があるということが衝撃でした。原発や原爆の原料であるウランの生まれたところ、まずここを知ることからやろって」。

webdice_hopi_img035
映画『ホピの予言』より

伝統的なネイティブ・アメリカンの教え、というイメージに対するあこがれや神秘性といった固定観念ではなく、観た人それぞれの解釈ができる作品だと、PIKA☆は強調する。

「ホピの人の話にある『自然から必要なものを必要な分だけいただく』という言葉を聞いて、日本にもホピ族いるやんって思ったんです。田舎で自給自足の暮らしもおるし、都会にいてもそういう気持ちで住んでる人もおるし。まだまだ勉強不足やけど、自分もスピリットはホピだと思った。今は、ホピ精神を持っている人がもっと開放して、自分がそれであることに気づいて、自信をつけて、そうした活動をもっと繋がりあって強くして大きくしていく、というときがきたのかなと、この映画を観て思いました」。

今回のイベントではトークゲストに『ホピの予言』制作したランド・アンド・ライフの辰巳玲子さんによるトーク、そしてムーン♀ママのライブも行われる。

「お薦めできる映画をキッカケに、みんなで考えていくための場所、という意味での映画館が太陽33シアターなんです」。

(インタビュー・文:駒井憲嗣)



「太陽33シアター ~ホピの予言~」
2012年4月16日(月)
渋谷アップリンク・ファクトリー

19:00開場
上映前にムーン♀ママのライブを予定
予約2,000円/当日2,300円
ご予約はこちら
http://www.uplink.co.jp/factory/log/004383.php

上映作品:『ホピの予言』
「人間が正しく使えるようになるまでは、決して掘り出してはならない」アメリカ先住民族ホピやナバホの警告にも関わらず、彼らの聖域からウランは掘り出され、広島・長崎に原爆は投下された。それは、ホピの教えの中で、人類存亡にかかわる危険な時代に入ったサインであった…。
監督:宮田 雪
製作:木雅子、宮田 雪、飯岡順一
プロデューサー:田畑祐已
音楽:伊藤 詳
ナレーター:佐藤 慶
(1986年/カラー/75分)
同時上映『浄化の時代を迎えて―ホピの伝統に生きるマーチン・ゲスリスウマ氏に聞く―』
(2004年/25分)


レビュー(0)


コメント(0)