目を閉じてるのか開いているのか、全く解らない完全な闇の中でホーメイなど特殊な声のライブ・パフォーマンスを聞き、そのゲストの特殊な発声法を呼吸と共に学ぶ不思議な参加型イベント、『クラヤミノtones』。
2010年に完全暗転の中で深い呼吸法を身につけるテクニックと発声法を学ぶイベントとしてスタート、本年度はバージョンアップし各回ライブ演奏、参加者実演付きで継続中。一回目は日本では珍しい女性ホーメイ歌手、イギル奏者の澤田香緒里氏、続いてヴォイス・パフォーマンスの徳久ウィリアム氏、そして前回は女流義太夫と義太夫三味線として竹本駒佳・田中悠美子氏にお越しいただいた。
足掛け2年、本当にたくさんのお客さんがご来場され、今ではレギュラーで通ってこられる方、地方からわざわざ毎回来られる方も。
そこで、参加された方々の直接の声をこの機会にお伝えします。もちろん、演奏者の声もございます。
渋谷アップリンク・ファクトリーで行われている“(暗闇+呼吸+発声)クラヤミノtones”、イベントの最初の段階、ここから徐々に真っ暗になっていく。
イベントの第2段階。
完全暗転になる一段階前の会場の様子。
昨年から気になっていたイベントですが、思い切って参加しました。
女性ホーメイは初めて聴きました。明るい時と暗闇とこんなにも耳に届く音が違うなんて思いませんでした。
真っ暗だとブロックのような、音の塊みたいのものがドンと響いてきます。
はっきりと二つの音が同じ人間から聴こえ感動的でした。
イギルという楽器の音を初めて聴きましたが、馬頭琴と違い、乾いたプリミティブな音がして一気に虜になりました。(20代女性)
闇と声、楽器の神話性について改めて深い洞察を感覚で学びました。
しかし、目の前にかざした自分の手ですら見えない、完全暗転に一時間以上放置され、そこで義太夫三味線と、女流義太夫の声を聴くなんて体験はここでしか出来ません!真っ暗だから、変な声を発声しても、怒鳴っても、誰の声だかわかりませんし、ストレス発散にも効果的かもしれません。(30代男性)
人の声に興味あり。暗闇で人声に耳を傾ける事がこんなに面白いとは、新しい発見です。時間が許す限りこのイベントを継続して見たいと思った。(女性)
ヨガの呼吸法といい、声の発声法といい、瞑想の仕方など世界のルーツでは同じ方法が取り入れられている事。世界はやっぱり同じ所から始まっているのだと思った。(女性)
如何に自分が普段浅い呼吸をしているか実感しました。
それから声を出す行為自体にもあまり感心がない事がはっきりと自覚出来ました。首の回りが筋肉痛になりそうです。でも、なんだかすっきりしています。
暗闇って以外と怖くないんですね。暗闇で発声や呼吸を学べるなんてそれだけで良い体験ですが、ライブが本当にすごい!これからライブは暗闇にかぎります(笑)。(40代男性)
イギルの音と自分の声、暗闇の中にぽんとその二つのみがあって。
自分の手がイギルの弦を触るのではなく、イギルに指を導かれているような、、その音に応じるように自然と声が出てくる。
演奏していてほんと幸せでした。
あの時あの空間にいた全員から生まれた響き、忘れないと思います。
このイベントに呼んでいただいて、すごい経験をさせていただきほんとうにありがとうございました。
澤田香緒里(ホーメイ歌手)
クラヤミノtonesメンバーでもあるボイスパフォーマー徳久ウィリアムさんの回に出席しました。ウィリアムさんは人の声の限界に挑むようなパフォーマンスをここ5年間は毎年計約100本以上もこなしながらも全く喉を壊してないそうです。ちょっとしゃがれた声でしたが、元々だそう(笑)喉への負担を最小限にして、色々な声の出し方を探りつづけているというのもすごい。
この日はルイ・アームストロングの「What a wonderful world」 をふつうに歌うバージョン、サッチモ風バージョン、トムウェイツ風バージョン、デスメタル風バージョン、ニュースクールのデスメタル風バージョンというふうに1フレーズごとに披露。ウィリアムさんのまねなんてとてもじゃないけれど出来ませんが、真っ暗にしてデス声とか出してると、自分の体がスピーカーなんだなと実感出来ました。しかし暗闇でのライブは本当に心地よいです。何も映らないと本当にその他の五感が反応するんですね。まるで獰猛なライオンから即座に身を翻す野生動物の耳のように。また体験したいです。ありがとうございました。(30代男性)
その他にも、
闇は暗黒ではないということ。眼球は下に行こうとすること。人は声を出す管になれるかも知れないということ。まだまだ色々気付けそう。
やはり普段の呼吸は「浅い」のだと痛感しました。
明るい所で聴く音と、暗闇の中で聴く音の変化が面白かった。
体験できて暗闇が物ものごく広がって気持ちよかった。
けっこう太い声を長い時間出せた。体で音を響かせることができた。
などなど体験談もたくさん!
参加を躊躇されてる方、それが暗闇だったり、参加型だったりするのが理由なら、取り越し苦労です。むしろ完全暗転でのライブは本当にすごいです。
そんな体験をあなたもしてみてください。
次回、“クラヤミトーンズ”は8/11。
詳しい内容は下記へ!
10月以降のゲストも強力です!
(文・構成:鎌田英嗣)
(暗闇+呼吸+発声)×ワークショップ=クラヤミノtones
一緒に発声すればプレイヤーに、休んで聞いていればリスナーになる不思議なホーメイの基本発声ワークショップ。
渋谷アップリンクバージョンは、ボイストレーニング的に学べる。
声が出せれば誰でも参加OKです。
ゲストに様々なジャンルのプロフェショナルを迎えた真っ暗闇の中での生声を中心としたライブとレクチャーワークショップは、他では味わえない臨場感と体験があります。
クラヤミノtones詳細→http://bfrec.com/tones.html
■日程:ゲスト講師(ライブ&ワークショップ)
2011年8月11日(木):福岡ユタカ(フリー・ヴォーカリゼーションの喉)
2011年9月8日(木):柳家小春(江戸小唄の喉)
各日19:30開始/21:30終了予定(受付は19:20までに済ませてください)
料金:2回以上予約3,500円
料金:単発予約4,000円、当日5,000円、学生2,500円(予約当日共に)[すべてアフタードリンク付き]
会場:アップリンク・ファクトリー
渋谷区宇田川町37-18トツネビル1F
03-6825-5502/ご予約 factory@uplink.co.jp
■注意点
・嗅覚が敏感になりますので香りの強い食べ物や香水はお控え下さい。
・光る物、音の鳴るものは持ち込まないで下さい。
・完全暗転になりましたら途中入場が出来ません。
・長時間声を出し続けますのでペットボトルで水をご持参してください。
・暗闇に不安のある方はご遠慮ください。
・15歳未満の方や聴覚に問題のある方は参加できません。
・記録の為に写真撮影や録音を行っています。
(写真は主にHPで使用、録音はyoutube、SoundCloudで公開する場合があります)
予約方法
このイベントへの参加予約をご希望の方は
(1)ご希望の日程(及び連続予約される方はその旨も)※忘れずにご記入ください。
(2)お名前
(3)人数
(4)住所
(5)電話番号を明記の上、
件名を「予約/クラヤミノtones」として、factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。
■倍音コンダクター 徳久ウィリアム
ホーメイなどの民族音楽的発声から、デス声、独自の「ノイズ声」まで、多様な声を操る。1999年~2003年ホーメイグループ「倍音S」に参加。
現在、SuaraSana、モーテン・東洋・ウィリアム、William&NG、CharlieWilliamsなど、前衛からポップスまで、年間100本のライブを精力的にこなす。ワークショップやイベント企画/ディレクションも行なう。
HP http://william.air-nifty.com
メルマガ HP http://william.boo.jp/mm2.html
http://www.youtube.com/voiznoiz
■暗闇プロデューサー たむらひろし
大手臨床検査会社(㈱エスアールエルにて血液ホルモン関連の研究検査に約13年従事後、NTT(株)(レッドタクトン共同フィールド実験)、㈱日立メディコ、(株)日立製作所、東シー(株)、アロカ(株)、(株)イマジカ、(株)フローベル等数多くの医療系共同プロジェクトにて開発を行った。大学にて保健学を習得した検査技師。2002年にダイアログ・イン・ザ・ダークの企業向けサポート、2005年にはポストシアターの暗闇演劇「Light」のサポートを行った。2009年より視覚を使わない運動を推進するヤミ・タイプロジェクトを中心とした感覚・知覚・認知に特化したワークショップや体験イベントを主催する㈱BF.RECの代表取締役。
【関連記事】
呼吸と声の“暗闇”ワークショップを主催する「tones」インタビュー(2010.01.13)