骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2011-04-26 15:30


ブラザーズ・クエイ、ジェネシス・P・オリッジ、ワン・ビンほか世界の映像作家の新作が集結「イメージフォーラム・フェスティバル2011」開催
『ジェネシスとレディ・ジェイのバラッド』監督マリー・ロジエ(右)

第一線で活動している創造的で新しい映像作家を紹介する映像アートの祭典イメージフォーラム・フェスティバル2011が4月29日(金・祝)から東京を皮切りに京都、福岡、横浜、名古屋で開催される。
ニューフィルム・インターナショナル(海外招待部門)では、特集「マッピング・ストーリー」として、現代の新しい物語のかたちを模索する9作品を上映。世界のアート・アニメーションの名作も多数集結している。またニューフィルム・ジャパン(日本招待部門)では、日本を代表する映像作家の新作や話題作を世界に先駆けて上映するほか日本のアート・アニメーションの第一線で活躍する作家にフォーカスを当てている。そしてジャパン・トゥモロウ(一般公募部門)では、全国の応募作品からノミネート24作品を上映し、入賞5作品を決定する。
今回は数多くのプログラムのなかから、webDICE編集部が選ぶ10作品を紹介する。




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『ジェネシスとレディ・ジェイのバラッド』マリー・ロジエ

『ジェネシスとレディ・ジェイのバラッド』
マリー・ロジエ

インダストリアル・ミュージックの創始者、スロッビング・グリッスルとサイキックTVの創始者ジェネシス・ブライヤー・P-オリッジと、そのパートナー、レディ・ジェイを追ったドキュメンタリー。若き日のウィリアム・バロウズ及びブライオン・ガイシンとの交流、彼らの手法「カット-アップ」を自らの体に適用した新人類“パンドロジェニー”への変容、そしてレディ・ジェイの死といったことが語られる。撮影対象と親密な距離感を保ちつつも、果敢に仕掛けていく監督のマリー・ロジエの存在が際立つ。
(アメリカ・フランス/75分/2010)

Tプログラム『マッピング・ストーリーズ 2』
東京パークタワーホール:4月30日(土)11:30
東京シアター・イメージフォーラム:5月2日(月)21:30
東京パークタワーホール:5月7日(土)19:00




webdice_マスク:ブラザーズ・クエイ
『マスク』ブラザーズ・クエイ

『マスク』
ブラザーズ・クエイ

音楽:クシシュトフ・ペンデレツキ
暗殺の遂行のために、心を持たされ“女”にされた殺人人形。その標的は王への反乱を企てる男。しかしその男に出会うや“彼女は”恋に落ちてしまう。しかし殺人機械として作られた彼女の性は、悲劇を生む…。スタニスワフ・レムの短編小説を原作とし、クエイ兄弟がポーランドで制作した最新作。
(ポーランド/24分/35ミリ[ビデオ版]/2010)

Mプログラム『アニメーション・セレクション 1』
東京パークタワーホール:4月29日(金)16:30
東京パークタワーホール:5月4日(水)11:30
京都:6月5日(日)14:00、福岡:6月4日(土)15:00
横浜:6月11日(土)12:00 、名古屋:6月19日(日)14:30




webdice_名前の無い男:ワン・ビン
『名前のない男』ワン・ビン

『名前のない男』
ワン・ビン

廃墟となった村に一人の男が住んでいる。男は、昼間は荒野に種をまき、夜は岩の隙間に出来た洞穴で過ごす。一言も口をきかないその男の横にカメラが佇む。男は四季を通して働き、飯を食べ、眠る。2010年ヴェネチア国際映画祭出品作の『溝』と対を為すスタイルで作られた、国際映画祭で今もっとも注目されている作家、ワン・ビンのドキュメンタリー。
(中国・フランス/96分/ビデオ/2009)

Rプログラム『名前の無い男』
東京パークタワーホール:5月1日(日)19:00
東京パークタワーホール:5月4日(水)19:00
京都:6月4日(土)19:00、福岡:6月5日(日)15:00、名古屋:6月18日(土)19:00




webdice_ダママ:大木裕之
『ダママ』大木裕之

『ダママ』
大木裕之

「デジシリーズ」第12作の今作品は、2010年8月、9月、10月に10日間の撮影を厳密に3回行うなかで、香川県丸亀市本島ギャラリーARTE、西麻布SuperDeluxe「COLLOL」公演、武蔵小金井アートランドでの8日間のアートイベント「たまたま8、10」、などの磁場、人間が1章3分 ×10章=30分の時間構造に(再)結晶されることによる。
(2011/ビデオ/カラー/30分)

Hプログラム『リアル・エクスプローラー』
東京パークタワーホール:5月3日(火)11:30
東京パークタワーホール:5月7日(土)16:30
京都:6月7日(火)16:30 、福岡:6月3日(金)14:00 、名古屋:6月17日(金)12:00




webdice_3 つの部屋:石田尚志
『3つの部屋』石田尚志

『3つの部屋』
石田尚志

『無音の部屋または暗くなる部屋』、『音楽のある部屋』、『窓』の3つの独立した映像からなる作品。1つの部屋で描かれた3つの絵の生成過程をそれぞれ違う方法で撮影・編集している。環境の違いから、線を引いていく身体の軌跡はそれぞれ違うが、窓とキャンバスの位置は変わらない。なお本作品は、離れた位置におかれた3つのモニターによってループされるインスタレーション作品であり、2010年に高松市美術館で発表された。
撮影:田村元幸
美術:山本圭太、赤土翔一
編集:鈴木余位、山本圭太、田村元幸、石田尚志
協力:高松市美術館、タカ・イシイギャラリー
(2010/ビデオ/カラー/41分)

Iプログラム『光のなかで』
東京パークタワーホール:5月2日(月)14:00
東京パークタワーホール:5月4日(水)11:30
京都:6月9日(木)14:00 、福岡:6月3日(金)16:20 、名古屋:6月16日(木)12:00




webdice_スターダスト:ニコラ・プロヴォスト
『スターダスト』ニコラ・プロヴォスト

『スターダスト』
ニコラ・プロヴォスト

出演:デニス・ホッパー、ジョン・ボイト、ジャック・ニコルソン他
ラスベガスを 訪れる観光客と、その住人たち。身を隠してカメラで観察してみると、街のそこかしこで怪しい取引や犯罪の謀議が行なわれている…ように見える。デニス・ホッパーやジョン・ボイトもカメオ出演しそれはハリウッドの犯罪映画の様相を帯びてくる。2011年ロッテルダム国際映画祭タイガー・ショート部門グランプリ受賞作品。
(ベルギー/20分/35ミリ/2010)

Lプログラム『ルミナス・アトラクションズ』
東京シアター・イメージフォーラム:4月29日(金)21:30
東京シアター・イメージフォーラム:5月3日(火)21:30
京都:6月9日(木)19:00、福岡:6月4日(土)11:00、名古屋:6月16日(木)19:00




webdice_エクスターナル・ワールド:デイヴィッド・オライリー
『エクスターナル・ワールド』デイヴィッド・オライリー

『エクスターナル・ワールド』
デイヴィッド・オライリー

ピアノを習う少年のお話。3DCGのかわいいキャラクターたちがトレードマークの、日本でも人気上昇中作家、デイヴィッド・オライリーの最新作。
(ドイツ/15分/ビデオ/2010)

Nプログラム『アニメーション・セレクション 2』
東京パークタワーホール:4月29日(金)19:00
東京パークタワーホール:5月7日(土)16:30
京都:6月4日(土)14:00、福岡:6月5日(日)13:00
横浜:6月11日(土)14:10、名古屋:6月19日(日)17:00




webdice_弦走:イエジ・クチャ
『弦走』イエジ・クチャ

『弦走』
イエジ・クチャ

ピアノの音とバイクノエンジン音が溶けて混ざりあい、映像も自由に変化していく。 音と映像の幻惑的な流れに身を任せるしかない。ポーランドに置いて最もキャリアの長いアニメーション作家の一人、イエジ・クチャの現時点に置ける最高傑作。
(ポーランド/15分/35ミリ/2000)

Oプログラム『ポーランド・アニメーション傑作選』
東京シアター・イメージフォーラム:4月30日(土)21:30
東京シアター・イメージフォーラム:5月4日(水)21:30
東京シアター・イメージフォーラム:5月6日(金)21:30
京都:6月4日(土)16:30、名古屋:6月18日(土)12:00




webdice_オーバード: ナサニエル・ドースキー
『オーバード』ナサニエル・ドースキー

『オーバード』
ナサニエル・ドースキー

「映画には映画独自の言語があるのだ。その言語になるべく自然にしたがって、ショットとショットが共鳴しあうように私は自分の作品を編集している。最近はこの流れに沿った映画作りが、かなり上手になったと自分でも思う」。映画制作を40年以上に渡ってフィルムという素材に執着し、映画の言語を追求し続けてきたナサニエル・ドースキー。作家自身によるセレクションの4作品は短編小説集のようにお互いに絡みあう。本年のロッテルダム映画祭の大特集では、世界中のファンが集まり連日満席となった。純粋で濃密な映画体験。
(アメリカ/12分/16ミリ/2010)

Qプログラム『ナサニエル・ドースキー特集』
東京パークタワーホール:5月3日(火)16:30、東京パークタワーホール:5月7日(土)11:30
横浜:6月11日(土)19:00 、名古屋:6月15日(水)19:00




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『あなたはここにいる』ダニエル・コックバーン

『あなたはここにいる』
ダニエル・コックバーン

「地図製作者が、王国の地図をあまりに精密に作ったために、そのサイズが王国と全く同じになってしまった」というホセ・ルイス・ボルヘスの短編小説にインスパイアされた、カナダのビデオ・アーティスト、ダニエル・コックバーンの初長編作品。2010年のロカルノ映画祭で「最大級の発見」とされ各地の映画祭で話題となったメタ刑事映画。
(カナダ/78分/ビデオ/2010)

Sプログラム『マッピング・ストーリーズ 1』
東京パークタワーホール:5月3日(火)19:00
東京シアター・イメージフォーラム:5月7日(土)21:30
京都:6月7日(火)19:00、福岡:6月5日(日)11:00、名古屋:6月17日(金)19:00




イメージフォーラム・フェスティバル2011

東京:2011年4月29日(金)~2011年5月8日(日)パークタワーホール、2011年4月29日(金)~2011年5月7日(土)シアター・イメージフォーラム
京都:2011年6月4日(土)~2011年6月10日(金)京都シネマ
福岡:2011年6月1日(水)~2011年6月5日(日)福岡市総合図書館
横浜:2011年6月10日(金)~2011年6月11日(土)横浜美術館
名古屋:2011年6月15日(水)~2011年6月19日(日)愛知芸術文化センター

主催:イメージフォーラム・フェスティバル 京都シネマ 福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ実行委員会 愛知芸術文化センター 横浜美術館
協賛:パナソニック株式会社 株式会社リビング・デザインセンター
助成:公益財団法人ポーラ美術振興財団
協力:ティエヌティエクスプレス株式会社 株式会社ダゲレオ出版
後援:駐日ポーランド共和国大使館


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