骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2011-03-31 20:40


4/2(土)緊急上映決定!『100,000年後の安全』 原発から生まれる放射性廃棄物の危険について──フィンランドの場合──

放射性廃棄物の埋蔵をめぐって、未来の地球の安全を問いかけるドキュメンタリー映画が緊急公開される。
4/2(土)緊急上映決定!『100,000年後の安全』 原発から生まれる放射性廃棄物の危険について──フィンランドの場合──
映画『100,000年後の安全』より

公開にあたって

本作品はフィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場"オンカロ(隠された場所)"と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品です。

高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われています。フィンランドでは、固い岩盤を掘削し地下500メートルにまるで地下都市のような巨大な施設を、自国の原発から出る放射性廃棄物の最終処分場として作る事を計画しています。現在の段階では正式に運用されるのは2020年を予定しています。

アップリンクでは、本来この作品を今秋に公開する予定でした。しかし、福島原発の放射能汚染の事故が起き、原発に関する知識を得る事を必要としている人が多いと思い、2011年4月2日から緊急公開する事にしました。

共同通信が震災後(26、27日)行った世論調査では、原発を「減らしていくべきだ」と「直ちに廃止」の合計が46・7%、「増設」と「現状維持」をの合計が46・5%とほぼ同数でした。この映画の配給会社の代表である僕の個人的意見としては、自分は科学を信じているので、原発を人間が完全にコントロールでき、放射性廃棄物を安全に処理する方法を確立しているならばという条件付きで原発はあってもいいと思います。ただし、それが不可能ならば、要するに現状ではそうですが、新たに原発は作るべきではないし、今ある原発は停止していき、節電と代替エネルギーの技術的方法を考えるべきだと思います。

本作では、安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして10万年間も安全に人類が管理できるのかという問題を、フィンランドの最終処分場の当事者たちに問うています。

本来映画を公開する前にマスコミ向けの試写を行い、その際に配布する映画を解説したプレスシート、また観客に映画の理解を深めてもらうためのパンフレットなどを作りますが、それらはまだ準備できていません。今回は映画の上映を行いながら、メディア関係者や専門家に作品を観ていただき、作品解説の資料を作っていきたいと思っています。また、公開後になりますが、5月に監督の来日も企画しているところです。

なお、この映画の入場料の内、200円を東日本大震災の義援金として寄付致します。

アップリンクの上映は既に上映を決めていた作品などもあり、当初は1日朝1回の上映ですが、調整ができ次第回数を増やしていきます。従って、客席数40人の劇場で上映するので大変込み合う事が予想されます。整理券は上映開始の30分前(4月2日は9時45分から)配布します。当初は席に限りがあり観客の皆さんには不便をかけるかもしれませんが、ロングラン公開を予定していますのでご了承ください。

浅井隆(アップリンク社長)

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映画『100,000年後の安全』より

作品紹介

原発から生まれる放射性廃棄物の放射能レベルが生物に無害になるまでには、最低10万年を要すると考えられている。これは、放射性廃棄物の埋蔵をめぐって、未来の地球の安全を問いかけるドキュメンタリーである。
毎日、世界中のいたるところで原子力発電所から出される大量の高レベル放射性廃棄物が暫定的な集積所に蓄えられている。その集積所は自然災害、人災、および社会的変化の影響を受けやすいため、地層処分という方法が発案された。 フィンランドのオルキルオトでは世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の建設が決定し、固い岩を削って作られる地下都市のようなその巨大システムは、10万年間保持されるように設計されるという。
廃棄物が一定量に達すると施設は封鎖され、二度と開けられることはない。しかし、誰がそれを保証できるだろうか。10万年後、そこに暮らす人々に、危険性を確実に警告できる方法はあるだろうか。彼らはそれを私たちの時代の遺跡や墓、宝物が隠されている場所だと思うかもしれない。そもそも、未来の彼らは私たちの言語や記号を理解するのだろうか。

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映画『100,000年後の安全』より

映画『100,000年後の安全』
2011年4月2日(土)よりアップリンクにて公開

監督・脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
撮影:ヘイキ・ファーム
編集:ダニエル・デンシック
出演:T・アイカス、C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン、B・ルンドクヴィスト、W・パイレ、E・ロウコラ、S・サヴォリンネ、T・セッパラ、P・ヴィキベリ
配給・宣伝:アップリンク
2009年/79分/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア/英語/カラー/16:9/ビデオ

公式サイト


レビュー(1)


  • hocomiさんのレビュー   2012-04-15 22:34

    放射性廃棄物は未来の宝物に?(※ネタバレ注意)

    (※以下これから観ようとされていて、内容を全く知りたくない、一切のネタバレが嫌な方は 読まない事をお勧めします。) 注目度、期待度、ともも高い作品なのに、裏切らない出来。 個人的に興味を惹かれたのは、 やはり世界で唯一、処分地...  続きを読む

コメント(1)


  • 上川 真弓   2011-04-03 20:53

    急きょの上映決定に拍手です! 見終わった後、ものすごく怖くて、情けないのですが身心消耗しました。でも、見て良かった。今日は入れなかった方もいらっしゃったようで、人々の関心の高さを感じました。一人でも多くの方に見てほしいです。