骰子の眼

dance

東京都 渋谷区

2011-02-15 18:52


「私が出したヒントを持ち帰って、やりたいものを見つけてほしい」パフォーマー・ホナガヨウコが繰り広げるクロスカルチャー・イベント『ホナガ祭り』
写真:開大輔

ダンスパフォーマー・ホナガヨウコが繰り広げる、カルチャー発信イベント「ホナガ祭り」が2月16日(水)から2月21日(月)までの6日間渋谷アップリンクで開催される。アップリンク・ファクトリー、アップリンク・ギャラリー、そしてレストラン・タベラを横断して開催されるクロスカルチャー・イベントだ。これまでも舞台に留まらず、様々なクリエイティビティを発揮してきたホナガヨウコに話をきいた。




「ホナガ祭り」開催のきっかけ

今回開催される「ホナガ祭り」は、2010年に原美術館で開催されたBLANK MUSEUMや川崎市アートセンター アルテリオ小劇場での「リアル感電 !!」、渋谷ギャラリーLE DECO1Fでの個展やピアノライブなど、シチュエーションを問わず幅広い表現を行ってきた彼女の活動をまとめて楽しむことのできる初めてのイベントだ。ギャラリー、ホール、レストランの複合施設であるアップリンクという場を用いて、彼女は今まで知らなかったカルチャーにも興味を持ってもらいたいと話す。
「いまはダンスだったらダンスのお客さん、演劇は演劇のお客さんって、みんなひとつのジャンルに固まりすぎる傾向がある。いつもやっているパフォーマンスでも、音楽とダンスを近づけて、ライブを観に来る感覚でいろんな人が来てくれたらいいなという思いでやっているので、今回のイベントをきっかけに、他のところに手を伸ばしてみてもらえたら嬉しいです」。




『ホナガヨウコ展示 "とぶ、まわる、"』@アップリンク・ギャラリー
2011年2月16日(水)~2月21日(月)

ホナガヨウコの日常を切り取ったエキシビション

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ギャラリーでは6日間を通して、これまでの舞台作品で使用された衣装やイラストなど、彼女のポップなセンスが発揮された作品を展示。関連グッズの販売も行われる。
「いろんなことをしたい欲求を持っている私の日常の端っこを切り取った感じをイメージしています」。
『とぶ、まわる、』というタイトルの〈、〉には、常に現在進行形で動き続けて、ジャンルを超えていきたいという彼女の思いが込められている。




『カフェでダンスがオーダーできます』@タベラ
2011年2月16日(水)、2月21日(月)17:00-20:00

気軽にダンスを注文してほしい

全国各地のカフェを巡り、注文にあわせてその場でダンスを踊る企画がはじめて東京のカフェでも実現。当日はテーブルに、通常のタベラのメニューに加えて、ダンスのメニューを設置。メインである「くせになるダンス」が500円、サイドメニュー(各種)が300円となっており、ダンスを始めて観るという方からダンスファンまで対応した踊りを準備している。
「一般的に舞台が敷居が高いであるとかチケット代が高いと言われる壁をなんとか低くできないかなと。ダンスは見たことないからと抵抗がある方にとっても、観劇のはじめの一歩みたいになれたらいいなと思っていて。お客さんと近くでしゃべりあえるのも楽しみですね」。

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写真:開大輔



『ホナガヨウコ舞台作品【のべつまくなしこどもたち】上映+トーク』
@アップリンク・ファクトリー
2011年2月17日(木)
トーク:ホナガヨウコ、にせんねんもんだい トークゲスト:佐々木敦

盟友にせんねんもんだいと創り上げた思い入れの深い作品

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近頃モグワイとも共演を果たしたにせんねんもんだいを音楽に迎え、2007年に上演された公演の映像作品を上映。当日はにせんねんもんだいのメンバーと、彼女のDVD作品『たたきのめすように見るんだね君は』をリリースしたHEADZ代表、音楽批評家の佐々木敦氏を迎えてのトークも行われる。
「当時は、もっとケンカしたいということを言っていたんです。子供のようにもっと叫んだり泣いたり笑ったり、感情が振り切れるまで出し切ることをしなくなっていくよねって。言葉を選んだり、ひととの距離を測ることって逆に傷つくと思って。そうじゃなくて、もっと正面から見きって殴り合いたいという話をしていたときの作品なんです。当日はそうした作品の内容やコンセプトについてたくさんしゃべりたいと思っています」。




『ホナガヨウコ主演映画【ココロノオト】上映+ライブ+トーク』
@アップリンク・ファクトリー
2011年2月18日(金)
ライブゲスト:中山双葉(ギタレレ弾き語り) トーク:ホナガヨウコ、田村専一監督

ダンサーとしての身体表現を演技にも発揮

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田村専一監督による『ココロノオト』は、かねてから田村監督があたためていた脚本をもとに制作された主演映画。主題歌を歌う中山双葉によるミニライブも行われる。
「演技をするうえで、なんでもない日常の所作も回数を決めて、何回も同じことができるように、小さな振り付けをしているんです。トークでは、田村監督との出会いから始まって、そうした私にとっての演技についてなど、いろいろなことを話そうと思っています」。
舞台とはまた異なるイメージの彼女の演技に注目してほしい。

映画『ココロノオト』より



『ホナガヨウコ・ダンスワークショップ(初級編)』@アップリンク・ファクトリー
2011年2月19日(土)

『ホナガヨウコ・ダンスワークショップ(上級編)』@アップリンク・ファクトリー
2011年2月20日(日)

初の大人向けワークショップは、知らない人ともすぐ仲良くなれる場

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初となる大人向けのダンス・ワークショップは、初級編と上級編の2回を用意。自らのダンスカンパニー立ち上げの際にもオーディションをワークショップ形式で行ったという彼女は、初対面の参加者がすぐ仲良くなれるこうした場をとても大切にしている。
「初級編は優しいストレッチ、身体を使った遊び、簡単な振付をしようと考えています。上級編はもう少し運動量が多いのと、振付を作るところから一緒に考えたりする予定です」。
ダンサーを目指している人以外にも、いつも見ている作品がどんな風に作られているのかを知りたい人にとってもおすすめしたい。
「私が出したヒントをそれぞれが持ち帰って、次なるステップに活かして、自分のやりたいものを見つけてほしい。ダンスのワークショップは、体に触れることで、一緒にいて目を合わせて、知らない人とコミュニケーションをとろうとする意欲を煽る場になるんです。内向的な方も外向的にする自信はあるので(笑)、一緒に楽しんでできたらなと思います」。

(取材・文:駒井憲嗣)



■ホナガヨウコ プロフィール

ダンスパフォーマー・モデル。東京生まれ。2001年頃から、主に音と体の関係にこだわった作品を作り続けている。これまでに、にせんねんもんだい、サンガツ、d.v.d、asuna、原田郁子といったミュージシャンとコラボレーション。またYAB-YUM、THEATRE PRODUCTS、FAT、Ka na taといったブランドが衣装を手がけるなど、ファッションとの関連性も高い。
一方で、動きを通したコミュニケーションを目的としたシリーズで、お客さんの癖や仕草を基にその場で即興のダンスを作る『くせになるダンス』や、街中のカフェで注文を受けては踊る『カフェでダンスがオーダーできます』で、これまでに栃木、フランス、神奈川、大阪、京都、兵庫、鹿児島を周り、普段ダンスに親しみのない人達にも身近に楽しんで貰う試みを続けている。
また、イラストの個展や縫いぐるみの制作、ピアノのライブも行なう他、ファッションモデルとして広告・CM・雑誌・ショー等でも幅広く活躍している。
公式サイト




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『ホナガ祭り』
2011年2月16日(水)~2月21日(月)東京・渋谷アップリンク
2011年2月25日(金)~2月27日(日)大阪・大阪市立芸術創造館、複眼ギャラリー、AIR大阪




▼ホナガヨウコ出演・原美術館で開催されたBLANK MUSEUM動画レポート


▼『のべつまくなしこどもたち』公演の模様


▼2月18日に上映のホナガヨウコ主演・田村専一監督作品『ココロノオト』予告編



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