骰子の眼

music

東京都 港区

2010-11-17 00:49


鈴木祥子、カーネーションを迎えたロックで贅沢なBillboard Live TOKYOライブレポート

12月から1月にかけてはプロデュース作、シングル、7インチと3作のリリースも決定。2010年ロックな鈴木祥子の総括とも言えるステージ。
鈴木祥子、カーネーションを迎えたロックで贅沢なBillboard Live TOKYOライブレポート

鈴木祥子が10月17日、カーネーションをゲストに迎え、東京・港区六本木のBillboard Live TOKYOにてライブを行った。
2台のドラムセット、そしてグランドピアノがセッティングされたステージ、まずドラマチックなラブソング「プリヴェ」を幕開けに「DO YOU STILL REMEMBER ME ?」が続き、深まる秋にふさわしいピアノの弾き語りが披露される。鍵盤をローズに変え、アルバム『あたらしい愛の詩』収録で久しぶりにやる曲だという「区役所に行こう」は女の子の恋する気持を歌ったチャーミングな楽曲。
ここで5年振りの共演となるゲストのカーネーションから直枝政広を迎え、キャロル・キングとジェームス・テイラーの武道館公演を観てやりたいと思ったという「CRYING IN THE RAIN」をデュエット。続いて鈴木のドラムと直枝のエレクトリック・ギターによる「墨堤にて」は、「ホワイト・ストライプスみたい」という彼女のMCの通り、ブルージーかつオルタネイティブなアレンジに驚く。

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そして大田譲とサポート・ドラムの宮田繁男を呼び、セルフタイトル・アルバムからその5年前のコラボレーションの成果であるパティ・スミスの「Frederick」をプレイ。一気にロックな熱さが会場に満ちると、カーネーションのナンバー「OOH! BABY」では鈴木のキーボードとコーラスワークがソウルフルな楽曲にさらに彩りを添える。重厚なバンドサウンドが迫るサイケデリックな「paingiver」「幻想列車」はビルボードにあるまじき轟音(?)が揺らす。そして鈴木がドラムセットに移り、ツインドラムによる「幻想列車」。まるでパーマネントのバンドのように息のあったエモーショナルなセッションを見せつけた。そして本編最後は、今年リリースされたシングル「my Sweet Surrender」。作品ではジャック達とのレコーディングだったがカーネーションをバックにまた別のグルーブを持ったロック・ナンバーに仕上がっていた。

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アンコールでは、2011年1月26日にリリースされる新作から「ウォール・オブ・サウンドに挑戦した」という「青空のように」を披露。彼女のオールタイム・フェイバリットであるという大滝詠一『NIAGARA CALENDAR』に収録されているこの曲は、「my Sweet Surrender」収録の「名前を呼んで」に続く、彼女のひとり多重録音と山本拓夫のサックスにより制作された。そして彼女曰く「女の子たちを見つくろってだまくらかした(笑)」という架空のコーラスグループSINDEE & FORESTONESが、50~60年代に名曲を連発したアメリカのソングライター・チーム、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラーの楽曲をカバーしたミニアルバムとともに発売される。そのSINDEE & FORESTONESについて彼女は、「自分のなかにいろんな自分がいる。19歳の自分、37、8歳の自分…そこに人格を与えて、いろんな自分を表現したかった」と語った。シンガー・ソングライターとしてのみならず、プロデューサーとしての才覚をあらためて感じることのできるであろう新作に、期待が高まる。

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カーネーションを迎えたこの夜のパフォーマンスは、言わば『my Sweet Surrender』から続く2010年の〈ロックな鈴木祥子〉の総括とも言えるだろう。アンコールで歌われた新曲で、すでに彼女は次のステップへ向かっていることを感じずにはいられなかった。
再びカーネーションをステージに招き、キッチュな歌謡曲のテイストを持つ「LOVE POTION NO.9」を演奏し、アンコール・ラストの「TRUE ROMANCE」が始まると、ステージ後方の幕が開き、六本木の夜景が一望できるという心憎い演出も。
2回公演だったこの夜、セカンド・ステージでのアンコールではカーネーションの名曲「夜の煙突」も演奏され、また5年後と言わず、定期的にこの組み合わせによる化学反応を聴いてみたいと思わせる、贅沢かつ出色のステージだった。

(文:駒井憲嗣 撮影:荒牧耕司)

鈴木祥子UPLINK RECORDS公式サイト
鈴木祥子公式サイト
カーネーション公式サイト




■リリース情報

『青空のように / LUCKY LIPS』鈴木祥子 / SINDEE & FORESTONES

鈴木祥子 / SINDEE & FORESTONES スプリット7インチEP
2010年12月22日リリース
限定500枚プレス(アナログ盤)
BEEP-004
1,300円(税込)
BEARFOREST RECORDS
ライヴ会場及びweb通販(galabox)のみの販売
http://www.galabox.net/

『青空のように c/w Rock’n'Roll お年玉』鈴木祥子

大滝詠一『ナイアガラ・カレンダー』トリビュート・シングル
2011年1月26日リリース
DDCZ-1731
1,365円(税込)
BEARFOREST RECORDS
★購入はコチラ

『Sindee & Forestones Sings Leiber & Stoller』
SINDEE & FORESTONES

Produced by SYOKO SUZUKI
6曲入りミニ・アルバム
2011年1月26日リリース
DDCZ-1732
2,500円(税込)
BEARFOREST RECORDS
★購入はコチラ




『my Sweet Surrender』鈴木祥子

発売中
ULR-021
1,500円(税込)
UPLINK RECORDS





『33 1/3の永遠』鈴木祥子

発売中
著:鈴木祥子
2,000円(税込)
音楽出版社





『SUZUKI SYOKO with JACK-TATI & KAWAI SHINOBU LIVE AT GB』鈴木祥子

発売中
2010年/ULD-562/本編81分+特典/カラー/ドルビー
5,040円(税込)
UPLINK RECORDS



『SYOKO SUZUKI Song Book I 鈴木祥子作品集 Vol.1(1989-2009)』鈴木祥子

発売中
MHCL-1786
3,000円(税込)
ソニー・ミュージックダイレクト






『Velvet Velvet』カーネーション

発売中
初回盤DVD付2枚組
PECF-9001
3,900円(税込)
通常盤
PECF-3003
2,800円(税込)
P-VINE RECORDS Cosmic Sea Records



『HOPKINS CREEK 10th Anniversary Deluxe Edition』直枝政広

発売中
XQGL-1002
3,500円(税込)
Cosmic Sea Records / Bumblebee Records




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