骰子の眼

cinema

東京都 港区

2010-10-18 14:30


[CINEMA]誰もが抱いている“アイデンティティを見つけることのむずかしさ”を伝える、普遍的なラブストーリー『スプリング・フィーバー』レビュアー募集

ロウ・イエ監督舞台挨拶付き試写会を観てレビューを!カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞、中国で映画製作を禁じられたロウ・イエの新たなる挑戦。
[CINEMA]誰もが抱いている“アイデンティティを見つけることのむずかしさ”を伝える、普遍的なラブストーリー『スプリング・フィーバー』レビュアー募集
映画『スプリング・フィーバー』より

ロウ・イエ監督が語る、映画製作、上映禁止の処分を受けた後の当局との関係

『天安門、恋人たち』を終えてすぐに『スプリング・フィーバー』の脚本に取りかかったのですが、一部のプロデューサーは「5年間の映画製作禁止となった以上、中国の映画館で上映することもできないのにどうやって新しい映画の資金を得るのか」と心配し、「5年後に話し合おう!」と言いました。しかし幸いなことに、結局はフランスと香港から、必要なだけの映画製作資金を確保することができて、自由に映画を製作することができたのです。ただ、映画館で上映できないのは本当に残念で、国内で上映するために本当に多くの監督たちが苦心しているのです。例えば、凄く良いと思うカットもやむを得ず削除してしまうこともあるし、電影局を説得し自分の好きなシーンを残そうと必死に頑張る監督もいる。監督たちがそういうことに気を遣いすぎて、撮るということに全力を注げなくなってしまうのはとても悲しいです。『パープル・バタフライ』のときは、電影局から40数か所、修正箇所が提示され、何度も何度も話し合いを持って頑張ったのですが、結局3か所だけ修正しました。最終的に審査には通りましたが、中国では、私だけでなく多くの監督が面倒な事に対面しているのです。
『天安門、恋人たち』で、5年間の追放処分を受けたときは、ほんとうに電影局や、表現の自由に対する中国の決定に腹を立てた。でもそれによって中国の検閲制度を世界に知らしめることができたのです。私は映画監督という職業は決して禁止されてはいけない職業だと思っています。ずっと撮り続けるべきだと。

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映画『スプリング・フィーバー』より

『スプリング・フィーバー』の登場人物たち

彼らは自分の生活をうまくコントロールできず、しかも重要な入り口に立っている……私たちも、現在こういったことを経験しています。漂っているかのような、私たちの誰もが抱いている、“アイデンティティを見つけることのむずかしさ”のようなもの。そして、漂うことはそれほど悪いことではないと思います。私は彼らのほんとうの生活に入り込みたかったのです。日常の、ほとんど陳腐な物語の中に。稀代まれなラブストーリーなどを伝える気はなく、単純でありふれた、普遍的なラブストーリーを伝えたかったのです。私たちは言葉もなく、親しみの表し方も知らぬまま、誰かの腕の中に抱かれ、肉体的な愛を交わしたいという欲望に巻き込まれます。リー・ジンが、自分の恋人の愛人であるジャンに尋ねる美しい言葉があります「彼とも、こうして手を?」と。その瞬間、彼女が言っていることは嫉妬を超越しているのです。それはジェンダーにかかわらぬ問いであり、二人の人間の間に存在する愛についてのことなのです。リー・ジンにはそれが二人の人間の間の愛であることがわかっていて、男性どうしの間で起こっているということは重要な問題ではないのです。最初は、女性の肉体も男たちと同じように撮影しました。しかし、絶大なパワーで嫉妬を表す彼女にとっては、肉体を見せることはかえってやり過ぎであることに気がついたのです。(以上、プレスより引用)

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映画『スプリング・フィーバー』より


映画『スプリング・フィーバー』
2010年11月6日(土)より、渋谷シネマライズほか、全国順次公開

【STORY】
夫ワン・ピンの浮気を疑う女性教師リン・シュエは、その調査を探偵に依頼し、相手がジャン・チョンという“青年”であることを突き止める。夫婦関係は破綻し、男ふたりの関係も冷え込んでしまう。その一方、探偵とジャンは惹かれあっていく。ジャンと探偵とその恋人リー・ジン。奇妙な三人の旅が始まった……。

第62回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
監督:ロウ・イエ
出演:チン・ハオ、チェン・スーチョン、タン・ジュオ、ウー・ウェイ、ジャン・ジャーチー、チャン・ソンウェン
脚本:メイ・フォン
プロデューサー:ナイ・アン、シルヴァン・ブリュシュテイン
撮影:ツアン・チアン
美術:ポン・シャオイン
編集:ロビン・ウェン、ツアン・チアン、フローレンス・ブレッソン
音楽:ペイマン・ヤズダニアン
製作:ドリーム・ファクトリー
ロゼム・フィルムズ
配給・宣伝:アップリンク
中=仏 / 115分 / 2009年 / カラー
公式サイト
公式twitter



試写会に計10名様ご招待

公開に先立ち、本作品の試写会を観て400~600字程度のレビューを書いて頂ける方、計10名様をご招待します。応募方法は下記から。(※当選された場合に必ず試写会に参加でき、レビューを書いてくださる方の応募をお待ちしています)

『スプリング・フィーバー』試写会10名様ご招待
日時:2010年10月21日(木)開場18:00 / 開演18:30
場所:シネマート六本木
(東京都港区六本木3-8-15)[地図を表示]
当日はロウ・イエ監督の舞台挨拶あり

【応募方法】

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■応募締切:10月20日(水)9:00

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