Tシャツやパーカーをオンラインでカスタムオーダーできるショッピングサイト『コレクティブストア』。同サイトがこだわったのは、Tシャツの形(ボディのセレクト)、サイズ(150~XXL)、豊富なデザインカラー(218色)バリエーションから選べてカスタムできるということ。その上、大手企業からミュージシャン、クリエイター、クラブ、カフェなどさまざまなジャンルのブランドを取り揃えたマーケットプレイス、他の店では決して手に入らないレアなアイテムばかり。
人とは違うオリジナルTシャツをつくれる、こんなサイトがほしかった!と思わずにはいられない。渋谷にあるプリント工場から生まれた『コレクティブストア』がスタートしてもうすぐ1年、同サイトの立ち上げに関わった宮脇直也さんにコレクティブストアの取り組みをお聞きした。
企業やクリエイターのTシャツデザインをベースに自由にカスタムできるのがコレクティブストアの面白いところなんですが、何をきっかけにこのサイトをオープンしたんですか?
私たちはもともとTシャツやアパレル製品のプリント業をやっていまして、加工工場としては珍しく渋谷区内にプリント工場を持っているんですね。それが売りでもあり、挑戦でもあるんですけど。渋谷という場所だけに工場に出入りしている数々のアパレルブランドの方たちには「Tシャツドリーム」という情熱があって、その想いを胸に売れるTシャツ、流行るTシャツ等(パーカー、トレーナーを含む)様々なデザインを作っています。でも、ものすごくデザインが良くて売れると思っていてもなかなかうまく売れずに、結局在庫を抱えて断念してしまう様な状況を目の当たりにして来ました。そういう状態を幾度と見てきて、アパレルが抱える慢性的な問題点や販売のデメリットを払拭し、製造から販売まで、もっというとお客様の買い方まで含めた新しいシステムでTシャツビジネスを再構築できないかと考えたのです。誰も損をしない、在庫という悪魔を抱えない、それでいてTシャツに対する情熱を反映させるような、アパレルにおけるweb2.0の思想を組み込んだサイトを作れないかという想いで、弊社の代表が筆頭となりスタッフ全員で考え、長年の構想で出来上がったんです。
このアイデアは何かを参考にしたんですか?
参考になるものはありませんでした。基本的な事は代表がすでに決めていて、細かな仕様を決める為にスタッフみんなでアイデアを出したっていう感じですね。企画、開発、現場、物流など様々な意見が飛び交い調整には時間を要しました。何しろ普段な何千枚という単位で行っている生産を、これに関しては1枚ずつちまちまやろうと言っている訳ですから。しかも一枚一枚同じ仕様のカスタムはほとんどありません。現場はたまったもんじゃないですよね。結局「凄い事とは大変な事なんだ」といって理解してもらえましたけど。
似たようなサイトは、実際無いといっても過言ではないでしょう。あったとしても例えばカスタムの自由度が低かったり、デザインの質が低かったり、転写プリントという安易な方法で製造されていたり、ここまでTシャツやブランドのバリエーションがあるサイトはないですし、シルクスクリーンプリントでオーダーメイドは恐らく一つも無いでしょう。とびきりものすごい仕組みで、僕らでなければ出来ない「オンリーワン」のサービスを始めたかったのです。このジャンルでは当然一番になろう、という気持ちでした。現在でも世界一のカスタムTシャツサイトだと自負しています。しかもプリント工場直結でなければこの金額は絶対に実現出来ません!
(写真右)コレクティブストア事業部、DPコーディネーターの宮脇直也さん。他にもOEM営業、広報、ネットのアップ作業、雑務など一人何役もこなす忙しい毎日
コレクティブストアの特徴として、カスタムのバリエーションが非常に豊富なんですよね。
ボディの形が33種類、ボディの色が最大38色、デザインの色が218色を自由に組み合わせてカスタムオーダーすることができます。「世の中にはTシャツになっていないデザインがまだまだあるはずだ」という思想の元、新しいブランドやデザインを発掘したいというのがコンセプトがあります。今までアパレルに縁がなかった様なブランド、例えば家具や文具などの企業にも積極的に営業してブランドとして参加してもらっています。例えばアップリンク様のような映画配給会社も同様にアパレルの世界では新しいジャンルと言えます。
コレクティブストアに出品するメリットとは何ですか?
まずは、参加するための費用や製造コストが一切かからない。在庫を抱えなくて済む。今すぐアパレルビジネスをスタートでき、ネット上にTシャツショップをオープンすることができる。あとは、いろいろなジャンルのブランドが参加している中に入ることによってブランドバリューも上がる、ということです。コレクティブストアのブランドバリューが高まる事によって参加ブランドの株も上がると言う事です。
(写真右)アップリンクのオリジナルTシャツも販売中
Tシャツが売れることによって利益が得られるそうですが。
原則としてTシャツが一枚売れるにつき最低¥1,000の利益還元をします。細かいルールはありますが、基本的にはノーリスク、ハイリターンを実現していると思っています。リスクヘッジの仕組みとしては、例えばシルクスクリーンの場合は版を作らないといけないので、そこは弊社のリスクとなります。そこでその版代を、お支払いすべき利益でペイしてから初めて還元します。例えば、版代が15,000円、その商品の利益還元が1枚/1,000円ですので、16枚目から利益を還元している(インクジェット製品の場合は、版を作る必要がないので1枚目から利益還元します)。またユーザーが選ぶボディによって上代が変わりますので、利益還元のレートも上代に合わせて変わるという画期的なシステムです。
デザインを出品されているところは大手企業からアーティストまで幅広いですが、どのような営業(宣伝)をされているんですか?
やはり、このシステムを電話で説明しても、なかなか実感としてわかってもらえないことが多いんですね。20~30秒では説明できない難しさがあって。コレクティブストアという事業部自体が始まったのが、サイトのオープンとほぼ同じ時期なので、何もないところから作り始めて。営業トークもなかったんですよ。だけど、熱意でやっていくにつれて、現在参加されている日産自動車様やキングジム様にも体当たりで説明して理解していただいたんです。結局、なにを評価してもらったかというと、コレクティブストアが持っている秘めたる可能性やそのポテンシャルの高さを理解してもらえたんだと思います。完全に面白い面白くない、やりたいやりたくない、すごいすごくない、というところで判断されると思うんですけど、非常に面白いと言っていただいて。一番凄い褒め言葉は「おたくら天才だね」です(汗)
確かに、システムを知ると面白い内容ですし、Tシャツだから親しみやすいですよね。
これだけいろいろな企業やお店へ出入りしてわかったのは、Tシャツというキーワードで入れないところは無いっていうことです。今までTシャツを着たことがないという人は誰一人いない。企業でもキャンペーンで使ったりしますよね。Tシャツの需要は年中どこにいってもあるんです。うちみたいな小さい企業でも、大手企業や有名人等、どこへでも入っていけるというのがすごいなぁと。いろいろな意味でTシャツは人をつなぐと思います。
今後目標にするところは何でしょうか。
アンテナショップを作りたいですね。場所は勿論渋谷です。あとTシャツという文化に終わりと国境は無いと思っているので、今後は国内に限らず海外へのサービスを始めたいです。たまにアメリカやヨーロッパの人たちからメールがきて、どうしてもこの商品がほしいという要望があるんですね。日本のメーカーや企業のものが海外でうけていることもありますし。
またコレクティブストアは開発当初から様々な用途を想定して設計されています。カスタムネットショップの基本機能に加えて、SPでの活用も視野にいれて設計しています。コレクティブストアのキャンペーン機能を使用すれば、例えば飲料メーカーが行う夏のキャンペーンなどに「あなた好みにカスタマイズ出来るカスタムTシャツをプレゼント」なんていうキャンペーンが実現したり、映画や音楽のSPなどにはオーダーメイド生産の利点を生かして「在庫を持たない販促」を行ったりと、ピンポイントなユーザーニーズに応えられるのでユーザーに高い満足度とプレミアムを与える事が出来ます。
あとはスケーターやヒップホップ、レゲエ、アーティスト、クリエイター、ミュージシャンといったカルチャープレイヤーな人達にも積極的に利用してほしいです。自分たちでおもしろおかしくカスタムTシャツを販売できるわけですから。アパレルブランドなどにも利用価値があると思います。単純にネットショップの展開を増やしたり、昔のデザインをリバイバルしたり、カスタム機能でインディビジュアルな展開をしたりと使い道は様々ですね。
例えば一つの事例としてFTCという裏原宿にあります人気スケーターショップでは、店舗にiMacを置いて、コレクティブストアのFTCページを常に表示させています。自分の好きな色や違うボディにカスタマイズして買いたい方はこちらでカスタムできますと案内して、商品は1週間後に届く、というサービスを行ったり。このようなユーザー本意のサービスをアパレル業界ではもっと積極的にやるべきだと思います。もちろんコレクティブストアを使って・・・という前提ですけど!(笑)
『コレクティブストア』の良さや面白さはサイトを実際に利用してみないとわからないと思います。まずは一度覗いてみてください。キャンペーンの販促ツールとして、あなただけのオリジナルTシャツとして、使い方は自由自在です。
コレクティブストア
http://www.cstr.jp/
運営会社 株式会社ビーエー
http://www.ba-p.co.jp/
UPLINK Tシャツショップ
http://www.cstr.jp/DesignerIn...