骰子の眼

cinema

東京都 新宿区

2010-07-09 18:10


ロウ・イエ監督新作の主演俳優による舞台挨拶も!第19回『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』開幕

7月9日(金)~19日(月・祝)、新宿バルト9とスパイラルホールで開催
ロウ・イエ監督新作の主演俳優による舞台挨拶も!第19回『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』開幕
映画『スプリング・フィーバー』より

今年で19回目迎える『東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』が新宿バルト9で開幕する。世界にはセクシャル・マイノリティをテーマとした映画祭は150以上あると言われているが、その中で本映画祭は観客動員数において香港と並びアジア最大の規模を誇る映画祭だ。

オープニングナイトで上映されるのは『大変!息子がゲイなんて!』『シングルマン』の2作品。『大変!息子がゲイなんて!』は息子をゲイに持った母のちょっとした勘違いがその後の家族に大騒動を巻き起こす、アメリカのユダヤ系一家をめぐる笑って泣けるコメディ作品。一方『シングルマン』はデザイナー、トム・フォードの初監督作品。1960年代のロスサンゼルスで長年のパートナーを失い、生きる価値を見出そうとする苦悩する大学教授の失われた愛への悲痛な想いとその記憶を描いた愛と喪失の物語だ。主演には、重厚な人間ドラマからハリウッドエンターテイメント作品まで幅広い役どころを圧倒的な存在感で魅せるコリン・ファース。彼を支える親友・シェリーには、アカデミー賞常連のジュリアン・ムーア、ジョージの生徒で彼を慕うケニーには、『アバウト・ア・ボーイ』から美しく成長したニコラス・ホルトらが脇を固めている。

今年の見所のひとつは、トランスセクシャルを描いた作品が上映されるという点。例年同映画祭では、レズビアン・ゲイ同士のラブストーリーや同性愛者の結婚などをテーマとした作品が多いが、トランスセクシャルを扱った長編が少ない。今年は『悔やむ人たち』と『私はアネカ』を2本立てのプログラムとして上映する。

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映画『スプリング・フィーバー』より

1960年代に青春を謳歌したトランスセクシャルの2人が向かい合い、お互いの半生を語り始める『悔やむ人たち』。恋愛、カミングアウト、性転換手術。後悔はしないと決意したはずの行動なのに、なぜ今は悔やんでいるのか。各国の映画祭で高い評価を受けたスウェーデン映画だ。一方、『私はアネカ』は女の子のままでいたいのか、男の子になりたいのか、よく分からない12歳の女の子を描いた11分の作品。日本ではトランスセクシャルについて、法律が整備されてからの歴史がまだまだ短い。特にこれからは『悔やむ人たち』で描かれるように、性転換後に後悔する人が出てくる可能性がある。トランスセクシャルである当事者、そして手術を施す医療関係者、あるいは周囲の人たちとっても注目すべき作品だとも言える。そして今年は例年よりも多い3プログラム・9作品という日本映画を上映する。

7月19日(月・祝)には、前作『天安門、恋人たち』(06年)で5年間の映画製作禁止処分を受けたロウ・イエ監督の最新作『スプリング・フィーバー』が上映される。女性教師のリン、その夫のワン、ワンの浮気を調査するルオという名の探偵、ワンの浮気相手のゲイの青年ジャン。現代の南京を舞台に5人の男女の移ろい、漂いゆく愛と生活を描いた、2009年カンヌ国際映画祭脚本賞受賞した作品だ。公開日には主演俳優のチン・ハオ(QIN Hao)氏と、チェン・シーチェン(CHEN Sicheng)氏による来日しQ&Aセッションを開催する。



『第19回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭』
2010年7月9日(金)~7月11日(日) 新宿バルト9[地図を表示]
7月15日(木)~7月19日(月・祝) スパイラルホール[地図を表示]

※その他詳細は、公式サイトから

『スプリング・フィーバー』Q&Aセッション
7月19日(月・祝)14:00~ スパイラルホール[地図を表示]
出演:チン・ハオ(QIN Hao)、チェン・シーチェン(CHEN Sicheng)

映画『スプリング・フィーバー』
11月6日渋谷シネマライズほか全国順次公開

監督:ロウ・イエ
脚本:メイ・フェン
出演:チン・ハオ、チェン・スーチェン、タン・チュオ、ウー・ウェイ、ジャン・ジャチー
配給・宣伝:アップリンク
115分 / 中国、フランス / HD / 1:1.85/Color / Dolby SRD

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