骰子の眼

cinema

東京都 中央区

2009-12-24 20:15


[CINEMA] 家族の絆が開く秘密の扉。これぞフランス映画の王道『ずっとあなたを愛してる』クロスレビュー

自身の息子を殺しその秘密とともに生きる女性を、クリスティン・スコット・トーマスが熱演。
[CINEMA] 家族の絆が開く秘密の扉。これぞフランス映画の王道『ずっとあなたを愛してる』クロスレビュー
(C)2008 UGC YM - UGC IMAGES - FRANCE 3 CINEMA - INTEGRAL FILM

秘密を抱えたまま15年もの長い刑期を過ごした主人公のジュリエット。長い刑期の理由は、自身の息子を殺した罪だった。なぜ愛する息子を手に掛けねばならなかったのか? その答えを知っているのはジュリエット本人ただひとり。姉に優しく寄り添おうとする年の離れた妹・レア、ジュリエットの存在に困惑しながらも受け入れていくレアの夫、ジュリエットに無邪気になつく姪、そして良き理解者となるレアの同僚男性との出会いがジュリエットがひとり抱える秘密の扉を、少しずつ開いていく。

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(C)2008 UGC YM - UGC IMAGES - FRANCE 3 CINEMA - INTEGRAL FILM

家族との絆がジュリエットを癒し、赦していく様子が、静かな美しい音楽に乗せて描かれる。心の闇の描き方、繊細な感情表現、そして大人の恋-。まさにフランス映画の王道といえる作品。ジュリエットの再生、そして新たな旅立ち。絞り込まれた登場人物により徐々に明らかになっていく秘密。ジュリエットの、息子を失った悲しみと必死に戦おうとする姿、そして悩み、戸惑い、傷つきながらも自らの使命を全うしようとする姿は、はかなくも美しい。


『ずっとあなたを愛してる』

12月26日(土)銀座テアトルシネマ他全国順次公開
監督:フィリップ・クローデル
出演:クリスティン・スコット・トーマス エルザ・ジルベルスタイン
エンディング・テーマ:バルバラ作
提供・配給:ロングライド
宣伝:Lem
2008年/フランス=ドイツ/フランス語/シネスコ/117分
公式サイト

レビュー(4)


  • ゆきがめさんのレビュー   2009-11-27 19:00

    息子を亡くした母親が自分に与えた罰とは。

    この映画、最後の最後に泣けました。 主人公のジュリエットは、ある理由で息子を殺してしまうのですが、どうして彼女が最愛の息子を殺さなければならなかったのか、どうして裁判でなんの弁明もしないで、一番重い刑の懲役15年を受けたのか、その現実に彼女が向...  続きを読む

  • KOKさんのレビュー   2009-12-06 00:40

    ずっと愛し、愛される事はできるか

    かなり難しいテーマを扱った作品です。 人の孤独でいることへの難しさ、家族との絆の必要性などを考えさせられる 作品でした。 話としては自分の息子を手に掛けてしまった女性が服役を終え出所し 長い間音信普通であった実の妹やその周りの人々が支え ...  続きを読む

  • michiさんのレビュー   2009-12-08 06:13

    人は誰かを支え、誰かに支えられている

     初めて本作のポスターを見た時、 主人公ジュリエット役のクリスティン・スコット・トーマスの “無”な表情が強く印象に残りました。 そして、最初に興味を持ったのはジュリエットが息子を手に掛けた動機です。 全ての始まりとなるこの罪状の背景に何が隠...  続きを読む

  • 山中英寛さんのレビュー   2009-12-23 03:56

    クリスティンの名演に惹きこまれる感動作

    主演のクリスティン・スコット・トーマスが絶品の作品だ。あまり感情の起伏を見せず、ほとんどが無表情なのだが、人生で背負ってきたものの重さを内面から感じさせる、見事な演技には終始感服してしまった。そのクリスティンの名演から、声なき声で語られる元囚人の孤...  続きを読む

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