骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2009-11-19 23:28


インド映画に注目!ハリウッドも巻き込むインド映画界の隆盛

11/21はインド映画イベント!「ナマステ・ボリウッド」編集長のすぎたカズトさんのトークも。
インド映画に注目!ハリウッドも巻き込むインド映画界の隆盛

今年9月、スピルバーグ率いるドリームワークス社がインドの複合企業・リライアンス社からの500億近い大型投資によって、パラマウントから独立したというニュースが映画業界を騒がせた。また、今年米ワーナースタジオは初めて『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』というインド映画の製作を手がけ、これがヒットとなったことから続けて投資を行う方針を示した。インドのムンバイを舞台にしたイギリス映画『スラムドッグ$ミリオネア』がアカデミー作品賞を受賞したことや、スティーブ・マーティン主演『ピンクパンサー2』のヒロインにインドが誇る美人女優アイシュワリヤー・ラーイが抜擢されたことも記憶に新しい。インドのムンバイで作られた映画のことを、ボンベイ(ムンバイの旧称)とハリウッドの合成語でボリウッドと呼ぶが、今、世界の映画界がボリウッドに注目している。そんなインド映画の状況を、日本で唯一のボリウッド情報誌「ナマステ・ボリウッド」の編集長、すぎたカズトさんに話をきいた。

「元々インドは映画大国で、映画制作は盛んだったんですけど、80年代にビデオの海賊版が出回ったり、海賊上映が増えたりで映画産業が衰退し美術のセットとかセンスがすごくチープな感じになってしまったんです。その前まで、50年代から80年代前半まではセットにもすごくお金をかけていたのですが、それが安っぽい作りになってしまった。マサラ映画というくくりで色んな要素をミックスして、アクションあり、コメディーありみたいな普通の人がいわゆるインド映画といってイメージするようなちょっと泥臭いというかコテコテの作品がそれですね」

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「ナマステ・ボリウッド」編集長・すぎたカズトさん

「ところが2002年以降、昔のインド映画界の勢いが戻ってきた感じで、映画の製作費が平均で倍以上になった。それまで4億円くらいだったところが、今だと日本円で10億から15億円くらい。物価からすると5倍から10倍違いますから、ハリウッドの一般的な作品と変わらないくらいの予算になってきた。それにより撮影機材もハリウッドと同じ感じでジブクレーンなんか普通に使われるし、海外ロケも当たり前になって、かえってインド国内で撮影されたシーンが少ないくらいになりました。その理由は、IT業界を含め、インドのビジネスのお金が大量にボリウッドに流れ込んできたためでしょう。経済開放の恩恵が10年くらいたってやっと映画界の制作面、システムに波及した。今、ちょうど日本のバブルの頃と同じような感じで突っ走っている。また、DVDが売れるようになったからということもあります。予算が増えたことによって、撮影機材が充実し、また照明の技術がすごく上がりました。それでどんどん垢抜けた作品が増えてきた。今は、7割から8割が恋愛映画ですね。80年代や90年代にあったようなどぎついアクションなどよりは、インドでは家族ものとか恋愛ものの方が実際には人気があります」

そんなボリウッドの洗練された恋愛映画のアイコンともいえるのがインドのトップスター、シャー・ルク・カーンだそうだ。

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『たとえ明日が来なくても』より

「キング・オブ・ボリウッドと呼ばれまして、もう15年くらいボリウッドのトップを走っているスターです。ブレイクしたのが95年のDDLJという映画なんですけど、それがムンバイではロングランになって、いまだにやっている映画館があるほどです。ドイツでも2002年くらいからボリウッドブームが起きて、ドイツ人に言わせるとシャー・ルク・カーンはトム・クルーズ以上に人気があるとか。日本では一般的にはあまり知られていませんが、ヨーロッパでは結構知られていたりしますね。どこが人気の秘密かと言うと、頭の回転がすごく良くて話が面白いのと、普段の人徳みたいなものでしょうか。特に日本の女性ファンはその人柄にしびれるみたいです。そんなにイケメンみたいな顔じゃないので、最初は好きではなかったという人も、見ているうちに彼の芝居から出てくる人柄みたいなものを感じて、惚れてしまうということが多いそうです」

そんなインド映画の魅力を知ってもらおうと、アップリンクではこの8月にシャー・ルク・カーン主演のボリウッド名作2本、『家族の四季』『たとえ明日が来なくても』のDVDをリリースした。興味がある方は、アップリンクWEBSHOPをチェックして欲しい。

また、10/21(水)には、すぎたさんがアップリンク・ファクトリーでイベントを行う。題して「SRKファン感謝祭!日本からのラヴ・コールを贈ろう!」この記事でボリウッド映画に興味を持った方は是非どうぞ。

(インタビュー・文:上原拓治 構成:世木亜矢子)


『SRKファン感謝祭!日本からのラヴ・コールを贈ろう!』

2001年に一瞬来日して以来、自己プロデュース作のプロモーションもステージ・ツアーも日本を素通りのシャー・ルク。11月2日の誕生日には遅れますが、みんなで祝ってメッセージを送りましょう。「ナマステ・ボリウッド」のすぎたさんによる魅どころトークもたっぷり!

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大好評だった、2009年10月開催のインド映画上映会+すぎたさんのトークの様子
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開催日時:2009年11月21日(土)
14:30開場/15:00開演

料金:1500円(1ドリンク付)
ゲスト:すぎたカズトさん(「ナマステ・ボリウッド」編集長)
会場:アップリンク・ファクトリー
(東京都渋谷区宇多川町37-18トツネビル1F)[地図を表示]
※DVD『家族の四季』『たとえ明日が来なくても』は、アップリンクWEBSHOPで販売中!

写真右)好評発売中のDVD『たとえ明日が来なくても』ジャケット

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