骰子の眼

cinema

東京都 ------

2009-11-10 10:00


映画の愛に☆直感 第8回:どうせなら騙しきる方がよい!『クヒオ大佐』『脳内ニューヨーク』Wレビュー

今回のテーマは「騙す」!映画が人間にもたらす誘惑をテーマに話題の2作品を語ります。
映画の愛に☆直感 第8回:どうせなら騙しきる方がよい!『クヒオ大佐』『脳内ニューヨーク』Wレビュー
(左)『クヒオ大佐』(C)2009『クヒオ大佐』製作委員会、(右)『脳内ニューヨーク』(C)2008 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved

ごまかして、生きるより、おいしい胡麻すってトベたらなーと、感じちゃったところ、映画『クヒオ大佐』(吉田大八監督作)に出会ったのであったのだ!!実際にあった結婚詐欺事件で一億円騙しとった日本男子がおりますて、そこから吉田監督は想像しまくって、この作品を作ったのでし。そうだ!!この映画は吉田監督の初オリジナル作品である!!かもなのだ!!

お話は、1991年イラクで湾岸戦争がありますて、日米関係も大変でまー日本がアメリカの愛人になって貢いでばかりの貢献してる時に、主人公のクヒオ大佐(堺雅人)は米空軍パイロットで、睡眠時間一日三時間、サバイバルナイフと子犬がいればアマゾンの密林もサバイバルできる程の腕も経験もなく、英語もろくに話せず女に会う時間がある軍人もどきの天然パー(本物ではなく米空軍パイロットに扮しているが、できてない)に何故、人は騙されちゃうのかなー?と思うのである、で粗筋は、おいといて、堺雅人さんの騙しきれない、実は天然でテンパルと何故か周りを騙せたり、騙される役の松雪泰子さん、満島ひかりさん、中村優子さんはかわいいのだ。しかしながら、安藤サクラは相変わらずの演技なのかなんなのかもはや分らない演技ですげーーーなーーと思うのである。にしてもヘッポコな何故かしょぼい詐欺師クヒオ役の堺雅人さんは腕立てをひたすらしたり、キレルシーンもぽかぽか叩いたりカワユイのである。つい、突っ込みをブツブツとワタスが呟くいい演技なのだ。

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『クヒオ大佐』より。(C)2009『クヒオ大佐』製作委員会

海は広いいし大きいし、山も広いし大きくて、寂しい心も癒してくれるのだ。
饅頭よりタダ(愛?)が怖いなーと感じた時に、映画『脳内ニューヨーク』(チャーリー・カウフマン監督作)に出会ったのである。

お話は、というより、兎に角トリッキーな作品で、ハヤイ!!テンポが良すぎて、涙ぽろりする暇もないくらいハヤイのである。で、演劇作家の人生をニューヨークを舞台(虚構)にして、自分の人生を作品にするエエ意味でバカな話しなのです。これは実体験なのか、舞台なのか?それとも脳味噌での想像の世界なのか?真面目に観たら、気が狂いそうになる危険な映画なのである。にしてもアメリカのエンターテイメント魂は凄いのである。兎に角、振り切ってヤリキッてるのであるだ。エミリー・ワトソンはやっぱり凄くて、ジェニファー・ジェイソン・リーも相変わらず自由な人で、サマンサ・モートンは素敵で、主人公のフィリップ・シーモア・ホフマンは、芸の為にどんどん追い込まれ、また想像して、創造してほんまに人間の欲は果てしないなーと思うのであるのです。人は何かに依存してるけんど、好きな事をする事(ワタスは、音楽なのであるが)に興奮し我を忘れ、そして気持が良いので、もっともっととなるので、果てしないのである。まーほんま、こんな脳味噌がグチャグチャになる危険な映画を無事によく完成でけたなーと思うのであるます。

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『脳内ニューヨーク』より。(C)2008 KIMMEL DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved

結論、両作品とも銀幕は人の心を騙してくれて、どうせなら騙しきる方がよいのである。しかしながら、間違えるのも人間で、人間は弱いものであり、自由になかなか生きれないし……人生の主役は自分であり、みんなそれぞれの人生の主役やから、がんばろーーーとなるのであるかもだ!!!!あと、帰る場所は在るんだなーーと感じたのであるます。あ、両作品ともサントラCDが欲しいのであるだ!!ヤぁー(いい湯加減で)
MONGOL800のCD『ejght-hundreds』とS.O.Bを浴びたら、効いたので、我に帰ったのである。
ほな!!ナマステ!!!

【映画『クヒオ大佐』を楽しむ無駄なキーワード】
アイアン・メイデンのボーカルのブルース(人間)、十字軍、上方落語壷算、モサド、映画『揮発性の女』、ディオゲネス

【映画『脳内ニューヨーク』を楽しむ無駄なキーワード】
チベット密教(エヴァンゲリオンとか)、ザッパの後期の作品、ニーチェの後期の作品、映画『オープニングナイト』、映画『バベル』、マリリン・マンソン、岡本太郎!!

(文:松本章)

【過去の映画コラム】
『バサラ人間』(2009.3.25)
『buy a suit スーツを買う』『ニセ札』(2009.4.10)
『サスペリア・テルザ 最後の魔女』(209.5.1)
『インスタント沼』『サガン-悲しみよ こんにちは-』(2009.5.23)
『レスラー』『ディア・ドクター』(2009.6.13)
『童貞放浪記』『バーダー・マインホフ』(2009.7.26)
『九月に降る風』『ライアン・ラーキン』(2009.8.29)

『クヒオ大佐』
全国ロードショー公開中

時は、湾岸戦争が始まった90年代初頭。軍服を着て穏やかな笑みを浮かべる男、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。36歳のアメリカ人だという彼の肩書きは「父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ、6歳でワシントン大学に入学、現在は米軍特殊部隊ジェットパイロット」。甘いマスクと流暢な日本語で女性に声をかけ、戦場での武勇伝を語って気を引く彼の正体は、次から次へと女性を騙しては貢がせる稀代の結婚詐欺師である。あの手この手でいろんな女性を口説き落としていくクヒオ。しかし彼の嘘は少しずつほころび始め、彼を取り巻く女たちの疑念も徐々に膨らんでいく。もつれあっていくタコ足状態の男女関係。いつしか、警察の手も忍びよる!果たして、クヒオは裁かれるのか!?

監督:吉田大八
原作:吉田和正
脚本:香川まさひと、吉田大八
撮影:阿藤正一
美術:原田恭明
編集:岡田久美
音楽:近藤達郎
出演:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、内野聖陽
配給:ショウゲート
2009年/日本/カラー/103分
※詳細は公式HPにて


『脳内ニューヨーク』
2009年11月14日(土)よりシネマライズほか全国ロードショー

人気劇作家ケイデン・コタードは、演出を手掛ける新作の舞台稽古に毎日明け暮れていた。それは、ニューヨークのとある超巨大な倉庫の中に、ありのままの"もうひとつのニューヨーク"を作り上げてしまうという前代未聞の壮大なプロジェクトだった。その計り知れない構想に惹かれ、次々と俳優、スタッフ達が彼のもとに集結した。しかし、俳優たちには、いつまでたっても告げられないことがあった。それはこの舞台は、いつになったら上演がはじまるのか?ということ。稽古を始めてから、すでに17年もの月日が流れてしまっていた……。

監督/脚本/製作:チャーリー・カウフマン
製作:スパイク・ジョーンズ
撮影:フレデリック・エルムズ
音楽:ジョン・ブライオン
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、ミシェル・ウィリアムズ、サマンサ・モートン、キャスリーン・キーナー、エミリー・ワトソン、ダイアン・ウィ-スト、ジェニファー・ジェイソン・リー、ホープ・デイヴィス、トム・ヌーナン
配給:アスミック・エース
2008年/アメリカ/カラー/124分
※詳細は公式HPにて



松本章(まつもと・あきら)PROFILE

1973年生まれ、伊勢男子、現在西成在住。熊切和嘉監督全作品、山下敦弘初期作品の映画音楽をプロデュース。最近は、熊切和嘉監督『ノン子36歳(家事手伝い)』(全国上映中)、内藤隆嗣監督『不灯港』(ユーロスペース公開中)、山﨑裕監督『トルソ』の音楽を手掛けた。特技は、直感。なりたいのは、音楽の、あつかいにくい新人?でした。
マイスペース
ブログ・新今昔日記第二巻

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