「かよちゃんの荷物」(竹書房)1~2巻 以下続刊
9月に「かよちゃんの荷物」と「いばら・ら・ららばい」が同時刊行された雁 須磨子を前後編と2回にわたってプチ特集!影になり日向になり、どちらも同じかがやく野原。そんな雁ワールドをご堪能あれ!
■たのしい たのしい アラサー女子の日常
かよちゃんの日常はゆるゆるふわふわでぬくぬく。女友達とおしゃべりしたり、突然太ったり痩せたり、生理痛に悩まされたり、休日に登山、ときには胸きゅんデートといつも日向にいるみたい。そんな女子のお話なのです。
30歳で独身。彼氏ナシ。ニート。この要素を聞いて「どよ~ん」とした人は、世に蔓延る「アラサー女子かわいそう」言説に毒されています。そんなあなたは「そもそも30歳越えて女子はねえだろ、女子は」と、続けて毒づくかもしれません。ところがどっこい、かよちゃんは紛れもなく「女子」であり、「かわいそう」じゃあないんです。
このお話の主人公・かよちゃんなんだかとっても楽しそうなんです。ふわふわゆるゆるの心地好い愛おしい日向の日々。誰が彼女を不幸だなんて決めたんですか。不幸か幸福かなんて当の本人しか決められないもの。悲壮感とは無縁なんです。
I LOVE自堕落!驚くと目が飛び出るかよちゃん。「かよちゃんの荷物」1巻より
おすすめポイントその1
三十路女子ならではのギャグとあるあるネタ
女子なら思わず共感。他人が知ったら自意識過剰!なんていう仕草や思い込みは笑いに昇華だ!笑われてナンボのもんじゃい。卑屈にならずにすくすく伸びやかなかよちゃんなので、笑うほうにも見下すような感情は生まれない。主観と客観が絶妙なバランスだからこそ、沸き起こる面白さ。彼女に悲壮感があったら笑えません。
祖母と母に結婚しないのか問い詰められ、「相手がおらんけんしんさらんとよ」と凡フライを打ち返す。「かよちゃんの荷物」1巻より
化粧時間が20分と短すぎるとの友人の助言でいざ、デパートの化粧品売り場へ。きっちり化粧をした店員を前に思わず尻込み。「かよちゃんの荷物」1巻より
おすすめポイントその2
何げに美しきかな心地好い感情
雁須磨子のマンガの特徴ともいえるのだが、思考がゆっくりゆっくり呟くようにコマに紛れて霧散し、再び発見されて繋がる。いじわるな感情が生まれても、最後は心地好いポジティブな感情へと着地する。
めんどくさいこと、わずらわしいことすべてを塗り替える白。かよちゃんにとって、弟の結婚にぶーたれていた自分さえもすべて帳消しにしちゃって応援したくなるくらいきれいな色だった。「かよちゃんの荷物」1巻より
ネガティブな感情はすべて過ぎ去りし過去の出来事。感情とは状態を現す言葉だ。私たちは生きていかなくてはならない。日常を淡々と過ごすため、女子たるものいつまでもくよくよ悩んでいられないのだ。だけどそんな過去の自分を「キモイ!」と切り捨てるのも可哀想。結局、自分をなかったことにして真っ白にして更新することは出来ないくらい人生の酸いも甘いもかみ締めたお年頃。失敗や後悔があるからこそ、次は優しくできるのかもしれない。良くなったり悪くなったりしながら生きるしかないのです。
かちょちゃんのお友達のひとみちゃんは彼氏と別れたときに半ストーカーになってしまった過去の自分を切り捨てることなく受け入れる。「かよちゃんの荷物」1巻より
おすすめポイントその3
かよちゃんはこんな女の子
★大きな鞄にたくさんの荷物
みなさん、「女性の年齢と鞄のでかさの法則」を知ってますか?鞄(化粧ポーチでも可)のサイズは年齢を重ねるごとにでかくなりがちであると!街行くティーンをご覧なさい。彼女たちが持つ小さいバッグに入っているのは、お財布とリップスティックとあぶらとり紙くらい。それに引き換えどうでしょう。大人な女性たちのバッグのどでかいこと!下手したらサブバックという名の見せ紙袋(=今日買ったわけではないお店のもの)に化粧ポーチや文庫本、寒くなったら羽織る用のカーディガン、さらにはバックinバック、そしてエコバックまで。その荷物、全部、必要なの?首を傾げずにはいられない。大人になれば大切なものが増えてくる、なんていうかわいいものではなく。いろんな後悔を経験をして、必要なものが増えていっただけ。それに鞄の中にあるグッズで結界を張れば、外に居ながらにして、いつでもどこでも家の延長線みたいにテリトリーを広げられる。それに誰かが困っていたらこのグッズで助けてあげられるし。不安を取り除く魔よけみたいな。だから全部必要なんです! 備えあれば憂いなし。失敗と後悔の数だけ持ち物は増えるのです。言い訳はいかようにも。
かよちゃんもそんな女子なのです。いるよね、そんな女の子。
かよちゃんの大きな鞄の秘密とは?「かよちゃんの荷物」1巻より
★かよちゃんの元オリーブ少女疑惑?
はじめニートだったかよちゃんも1巻の途中から晴れて雑貨屋さんで働くことになる。雑貨が好きなくらいだから実はかよちゃんはお洒落でセンスが良い。このセンス、根底にあるのは、たぶん、「Olive」である。かよちゃん、オリーブ少女疑惑。ほっこり。クーネル。そして、小林聡美。説明になってない!が、なんとなく分かる人は分かるはずだ。付け加えると、下北沢よりも吉祥寺。森ガール。時にはがっつり吉野家。でも、無添加化粧品にすっぴんみたいなメイク。だけど、瞼に緑のシャドウ。その実態はてきとーにひとつ結びした髪に前髪をヘアピンで留め、化粧は20分。
自然体、といえば聞こえがいいが、しかしてその実態はぐうたらなのであった。
かよちゃんはそんな女の子なのです。知っているよね、そんな女の子。
三十路女子の有意義な午後って?仲良し三人とはずむガールズトーク!TV番組『やっぱり猫が好き!』を思い出す人もいるかも。「かよちゃんの荷物」1巻より
★恋愛よりも欲望(シュミ)を優先
雑貨屋のボンボンで店長の輝彦、美容師なのにビジュアル系でオタクのアニメ……かよちゃんの周りにはラブの予感もあるのです。特にかよちゃんの無理難題をそつなくこなす年下のアニメとは、最近なかなかいい感じ。デートしたり朝までDVDを鑑賞したり。そんなラブ・ハプニングがあるもののまったく微動だにしないかよちゃん、動かざること岩の如し!インドに行っても価値観が変わらないタイプといえる。お相手のアニメ君のほうもがっつかない今時の草食男子なのでどうにもなりません。あたかも舞台は肉食獣の居ないアフリカ!蛇のいないエデン!「負け犬」なんていう価値観の入り込む隙もない牧歌的ほのぼの空間!モラトリアムにラブはご法度といわんばかりの排除ぶりなのでした。
でも、これってけっこうよくある話。みなさんだってそうでしょう。四六時中、恋の猟人する元気はありません。私たち、男や女である前に人間なんです。人間って、どうやら30過ぎると枯れるみたい(主に性欲)。ラブ関係の何かに対してめんどくさいが先に立ち、いい具合にこなれてきます。この恋愛への無関心さ!ときめきよりも趣味優先。
それがかよちゃん流。理解(わか)るよね、そういうの。
そんなかよちゃんがみんな大好きだ。
だけどときどきくじけちゃう。だって女の子なんだもん!「かよちゃんの荷物」1巻より
■あなたのまえに差し出された一杯のホットミルクのように
かよちゃんはきっと誰の心にも居る。めんどくさくてぐうたらな、幸せで怠惰な、物草な気分。競争から目を背け、決定的な人生の選択から逃れたい気持ち。その場に留まることを恐れない。変わらない自分。マイナスの部分はすべて省いて、自分の速度で歩いていく心地好さ。身の丈にあった無理のない自分と共に。
モラトリアムにマンネリズム。人生からのサボタージュ。道草、寄り道に迂回。「かよちゃんの荷物」が描いているのは、そんな人生の無駄ともいえる逡巡の楽しさだ。
今、ちょっと人生に疲れていて、何をやっても踏んだりけったりな人にとってこのお話は一杯のホットミルクのように差し出される。その場所に居たときには気がつけなかった在りし日の安全な日々が自分にもちゃんとあったことを思い出させてくれる。また、楽しさの渦中に在りながら、来るべき決断の日を前にしなければならない人にとっては、人生の猶予期間の楽しさを後ろめたさを感じずに楽しんでも良いのだと、一杯のホットミルクを味わうことを許してくれる。
嫉妬、焦燥、自己嫌悪、卑下といった、他人と比べることでいがいがする苦い、辛い、思いはすべて、取り除かれている。心地好い感情だけがこの物語にはある。
ぐうたら精神に打ち勝ち大掃除をやり遂げたかよちゃん。「かよちゃんの荷物」1巻より
■このマンガが面白かった人にはこんなマンガもおすすめ!
今回とりあげたマンガを読んだ人に何処か似た印象を持つマンガをおすすめ!また、おすすめマンガをすでに読んでいる人は今回とりあげたマンガを読むきっかけに。最後の背を押します。相互にリンクして、無限のマンガ世界へ飛び出していこう!手にとってもらわなければ意味がないので、ここではなるべく手に入りやすい本をおすすめしています。
動物の生き死と向き合うことが多いはずの獣医学部の話だけど、誰も成長なんてしません
佐々木倫子『動物のお医者さん』ほか
そもそも佐々木倫子ほどモラトリアムを描くのがうまい人もいない。『動物のお医者さん』以降、新人看護婦が主人公の『おたんこナース』、レストランが舞台の『Heven?』からTV局のレポーターが活躍する最新作『チャンネルはそのままで!』まで、頑なに安易なに感動話に着地はしない。
かくして、モラトリアムマンガの金字塔を打ちたて続けている佐々木倫子。彼女の作品の中でもダントツで心地好いのがこの『動物のお医者さん』である。どれだけモラトリアムなのかは、文庫本のあらすじと本編を読み比べれば分かるだろう。
佐々木倫子『動物のお医者さん 文庫版』(白泉社)全8巻
例えば7巻はこうだ。「鷹匠になることを夢見た小学生のハムテルは、ある日、道端で60円のヒヨコを買った。それはやがて、(中略)ニワトリに成長した。いくたびかの困難を乗り越えて西根家にたどりついた気の強い仔猫は(中略)今では近所のパトロールに余念のない毎日である。アフリカでウィッチ・ドクターとして崇められた漆原教授の威厳は(後略)。強いものはいくつになっても強いのだった」ネタバレになりそうな部分を巧妙に隠してみたが略したところでこの「あらすじ」から受ける印象はさほど変わらないだろう。ここにあるのは、ドラマツルギーからの逃避、カタルシスの無縁のこの物語に無理に「あらすじ」をつけて説明するという難しさが表現されている。まともに説明すればするほどなんだかシュールになっている。また、無理に「あらすじ」たりえようとすることで、本編との乖離が見られる。だいたい「強いものはいくつになっても強いのだ」って、書いた人の主観じゃないか!「あらすじ」って、もっと客観的に書くものなのでは!?と、思わずお節介を焼きたくなる面白さなので、本編を読んだことある人はぜひとも文庫版のあらすじのすっとこどっこいぶりに酔いしれほしい。なあに、主人公がさまざまな経験を経て成長する物語ばかりがマンガのすべてではない。結果的に『動物のお医者さん』はベストセラーになり、賛否両論ではあったがドラマ化もされる人気作となった。繰り返し読めるコストパフォーマンスの良さも人気の理由だ。
佐々木倫子のマンガの持ち味の一つに、几帳面に書かれた手書き文字による、作者のツッコミの面白さがある。『かよちゃん』にも同じような効果のある手書き文字が多く、これが登場人物たちを客観的に見つめ、読者の笑いを誘うのだった。
小学館『おたんこナース』と『Heven?』1巻。並べてみたらどちらも同じポーズだね。
例えば、かよちゃんちっくな性格の主人公・似鳥ユキエが活躍する『おたんこナース』。生理痛でのたうちまわるユキエの姿がユーモラスに描いた11話「救急車で運ばれた先は…」では、ふだん血など見慣れているはずの看護婦なのに貧血をおこし、痛みに耐えかねて鎮痛剤をオーバードーズした挙句、カミサマに薬が早く効くように祈るシーンには、一連の動作にTVのテロップやナレーションのようにツッコミが入れられている。右往左往する登場人物を笑う視点が読者と重なる瞬間だ。ここにツッコミが入らなければ滑稽さは演出できない。共感できない人には「辛そう」「かわいそう」と悲壮感と同情を誘うだけだが、その状態にツッコミを入れることで必死さが滑稽さへと摩り替わり笑うことができるのだ。これは別に見下しているわけでも、バカにしているわけでもない。必死なときほど冷静さを取りもどすべきなのだ……。と、わざわざギャグを説明するような無粋な真似をしてみたがいかがだっただろうか。これもまた文庫本の解説と同じバカ丁寧さを実践してみた結果である。批評とは、時にまじめに取り組めば取り組むほどバカらしいこともある(←それって照れ隠し?)。
どんな神様?答えは『おたんこナース』(小学館)2巻で!!
やっぱり猫が好き!なんだ
大島弓子『わたしの屋根に雪つもりつ』『サバの夏が来た』他、通称『サバ』シリーズ
大島弓子といえば『綿の国星』に『バナナブレッドのプディング』などの名作を思い起こし、難解だと敬遠する人も多い。そんな人にこそ、おすすめしたいのが角川書店「ASUKA」「ヤングロゼ」で発表していた80年代後半から90年代にかけてのマンガ。とりわけ作者が主人公で飼い猫がサバだった時代の通称『サバ』シリーズのエッセイマンガはとっても読みやすい。フリーのマンガ家の日常を描いたこのシリーズ。恋愛の絡まないアラサー女子ものとしてはパイオニア的作品といえる、『かよちゃん』の元祖とも呼べる(かも?)しれない作品だ。独身貴族の気ままな暮らしぶり、そのマンネリズムが好きだな、と思った人で未読のあなたにぜひともおすすめしたい。ただし、このシリーズは1冊にまとまっておらず、いろんな単行本、選集、文庫に散在している。よく確認して『サバ』シリーズのみを探すよりも他の作品との偶然との出会いを求めて彷徨ってみるのも一興だ。人生楽しんでナンボのもんじゃいってことで、一つよろしく。別にタイトルを上げるのがめんどくさいという理由での手抜きではない。調べるのは容易いんだからね!と心のツンデレを発動しているわけでももちろんない。
大島弓子『サバの夏が来た 文庫版』(白泉社)
マンネリズムを愛する。『アンブラッセ』より
椅子をテーブルに。コーヒーカップでごはん。『月の大通り』より
夢は300年生きること。マイペースなお父さん(プロ棋士)の日常
倉多江美『お父さんは急がない』『続 お父さんは急がない』
倉多江美もまた大島弓子と同じく70年代の少女マンガ黄金期に名作を次々と生み出し、橋本治の批評集『花咲く乙女のキンピラゴボウ』でも大きく取り上げられているマンガ家だ。その後、倉多は徐々に仕事量を減らし、現在はほとんどマンガらしいマンガを描いていない。『お父さんは急がない』は、そんな彼女が90年代に入り小学館の「プチフラワー」で発表していた代表作の一つ。
倉多江美『お父さんは急がない』『続 お父さんは急がない』(小学館)
職業プロ棋士のお父さんだが、闘争心もなくいつもひょうひょうと生きている。そんなお父さんと明るいお母さん、今時の女子高生の娘・佐江子、突如プロ棋士を目指し始めはじめる弟の卓の日常を淡々と描いたのが『お父さんは急がない』である。この何も事件が起こらなさ過ぎる具合!この脱力感がたまらなく気持ち良い。ただ茫漠と日々は過ぎていくのみだ。
モラトリアムとは悟りにも似ている。中村光の『聖★おにいさん』や羽海野チカの『3月にライオン』の日常描写だけを抽出したかのような……。いや、ちっとも似ていない。もっともっと薄くて軽くて、脱力している。何も決断しない現状維持の日々とその唐突な終わり。
子どもの頃に見えた不思議な馬・コルトが成長し僕に会いに来る。『競馬場へ行こう!』98年「プチフラワー」5月号(小学館)掲載/『顔色が悪い!』(小学館)収録
同じく「プチフラワー」にて90年代に発表された『競馬場へ行こう!』(『顔色が悪い!』収録作)もまた、変化のない日常とその唐突な終わりと別れをただ淡々と描いただけの名作である。日常を淡々と描き切ることで物語は閉じたループにもなるし、もう、二度と得ることのできない何もない日々の追憶ともなる。前者が『お父さんは急がない』だとすると決定的な人生の喪失を描いた『競馬場へ行こう!』は後者といえるだろう。
■マンネリズムの死、モラトリアムの終了
何も起こらない世界の終わりほど、胸に迫るものはない。なぜなら多くの人々の人生は、取るに足らない日常の連続で出来ており、終わりなど意識しないままただ過ぎていく。その過程の中で、ほとんど予測不可能に起こるのが死という別れだ。それが早いか遅いかの違いなだけで、誰にでも平等に確実に訪れる。その残酷を受け入れるしかない現実。だから人は物語の中で永遠を夢見るのだろう。夢くらい自由に見たっていいじゃないか。それはそんなに悪いことではない。
終わらない楽しい日常を描いた作品は日向だけしか存在しない世界の出来事みたいできらきらとしている。日向があれば影もある。次回は影――、知りたくないネガティブな感情を描いた雁須磨子の『いばら・ら・ららばい』の魅力に迫りたい。
★vol.1はコチラから
http://www.webdice.jp/dice/detail/1992/
★vol.2はコチラから
http://www.webdice.jp/dice/detail/2030/
★vol.3はコチラから
http://www.webdice.jp/dice/detail/2048/
■ここでお知らせ!「マンガ漂流者(ドリフター)」が授業になった!
第4回「描く快楽~このマンガ家のこの描き方~」 11/30(月)20:00~@渋谷ブレインズ
■授業内容
聞こう!学ぼう!「マンガ漂流者(ドリフター)」。
物語、構成、そして、作画。
第4回の講義はマンガに大切な要素である「作画」がテーマです。
これまでの流行を一変させ多くの作家に影響を与えた作画、絵がうまい作家の特徴(描くことでおろそかになるセリフなど)、大島弓子の絵が与えた影響、大友克洋ショックから高野文子までニューウェーブマンガの特徴、講談社系青年誌マンガの絵の特徴、90年代の女性マンガから発達した女性のくちびる表現、特徴的なトーンの貼り方、アニメからの影響、絵を描く快楽に憑かれている森薫、入江亜紀など「コミックビーム」「フェローズ!」で活躍する作家たち、みんな大好き中村珍先生の作画への情熱!など、主にニューウェーブ以降の作画のトレンドを追いつつ、さらにマンガ家が絵を描く快楽とは何なのかを探っていきます!さらに今回はテーマが作画なので資料を多めに用意!マンガに限らず「絵」に興味がある人も集まれ~!
さらに今回はゲストとして、小学館「ヤングサンデー」の編集を務めたのち、河出書房「九龍」、ポプラ社「ピアニッシモ」にて編集長を務めた島田一志さんをお迎えします。担当だった五十嵐大介、西島大介、多田由美、鈴木志保、古屋兎丸の話はもちろん、上條淳士、浅田弘幸、小畑健など巧すぎる絵のマンガ家たちへの熱き想いを聞け!
■おまけ
懇親会ではマンガにまつわる酒がふるまわれます!
気になる人は早めに予約を!読者のみなさんと授業で会えることを楽しみにしています。
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webDICEでの連載では、作家をメインにしていますが、授業では「マンガ」とは何か?そのものを問い、全体を俯瞰し、さらに気になる部分を掘り下げ、現状の確認、そしてこれからについて考えていきます。連載では一部の引用しか見ることができませんが、授業には資料をいろいろ持参していきますので、原典を手にとってもらえることもメリットでしょうか。もちろん授業や連載の内容で分からなかったこと気になることがあった人も安心!毎回、懇親会(※ 料金含む)にて、それぞれの個人的な疑問、質問にお答えしています。もちろん差し入れも大歓迎!マンガ好き集まれ~!
(文:吉田アミ)
■吉田アミPROFILE
音楽・文筆・前衛家。1990年頃より音楽活動を開始。2003年にセルフプロデュースのよるソロアルバム「虎鶫」をリリース。同年、アルスエレクトロニカ デジタル・ミュージック部門「astrotwin+cosmos」で2003年度、グランプリにあたるゴールデンニカを受賞。文筆家としても活躍し、カルチャー誌や文芸誌を中心に小説、レビューや論考を発表している。著書に自身の体験をつづったノンフィクション作品「サマースプリング」(太田出版)、小説「雪ちゃんの言うことは絶対。」(講談社)がある。2009年4月にアーストワイルより、中村としまると共作したCDアルバム「蕎麦と薔薇」をリリース。また、「ユリイカ」(青土社)、「野性時代」(角川書店)、「週刊ビジスタニュース」(ソフトバンク クリエイティブ)などにマンガ批評、コラムを発表するほか、ロクニシコージ「こぐまレンサ」(講談社)やタナカカツキ「逆光の頃」の復刻に携わっている。現在、佐々木敦の主宰する私塾「ブレインズ」にて、マンガをテーマに講師を務めている。
・ブログ「日日ノ日キ」