第10回を迎える今年のテーマは「映画の未来へ」。政治的な社会問題に注目したシャープな視点を備えた作品が目立ったラインナップになっている。映画製作自体が厳しい状況の中、国際的な合作などの活路を見出しながら完成にこぎつけた力強い作品も際立っている。
同映画祭では、チェンジの年にふさわしい10本を上映。ベテラン監督たちによる新境地を切り開いた作品や、コンペ部門にはスリランカとマレーシアからの作品が初登場する。特別招待作品として、ペルー、アメリカ、中国、韓国、日本からの作品を上映。その他、「コードネームはメルヴィル」と題したジャン=ピエール・メルヴィル作品上映や、松竹の1930年代の作品に光を当てた「ニッポン★モダン1930」などの特集上映のほか、北野武監督や黒沢清監督、是枝裕和監督らを招いたシンポジウムや、過去10年の受賞作の上映など10周年記念企画が多数開催される。
コンペティション部門で上映される全作品をご紹介。その中から、マレーシアから出品される『セルアウト!』に10組20名様をご招待!
『天国の七分間』(イスラエル)
Seven Minutes in Heaven/2009/94分/監督:オムリ・ギヴォン
1年前の自爆テロにより負傷してその瞬間の記憶を失った女性のもとに、事件時に着けていたネックレスが届けられるが…。テロが市民に与える傷跡という重厚なテーマを、リアリズムとファンタジーを交え新鮮に描く。
『天国の七分間』(イスラエル)
『ペルシャ猫を誰も知らない』(イラン)
No One Knows About Persian Cats/2009/106分/監督:バフマン・ゴバディ
ポップ・ミュージック演奏が禁止されているイランで、ヨーロッパ公演の夢を目指すミュージシャンたちの鮮烈な青春群像ドラマ。ゴバディがテヘランでの撮影に初挑戦し、新境地を見せる。カンヌ映画祭「ある視点」部門で特別賞を受賞。
『ペルシャ猫を誰も知らない』(イラン)
『グリーン・デイズ』(イラン)
Green Days/2009/72分/監督:ハナ・マフマルバフ
6月のイラン大統領選下で苦悩する若い女性を軸にドキュメンタリーとドラマを融合させ、テヘランの現状に迫る。改革派ムサヴィを支持する民衆のエネルギーや警官隊との衝突など、衝撃的映像に圧倒される。ヴェネチア映画祭で上映。
『グリーン・デイズ』(イラン)
『2つの世界の間で』(スリランカ)
Between Two Worlds/2009/83分/監督:ヴィムクティ・ジャヤスンダラ
スリランカの海辺・都市・山間部の絶景を舞台に、ある若者を軸として、時空を超えたかのような寓話的世界が展開される。神秘的な映像が豊かなイメージを喚起する。新鋭監督による2作目で、ヴェネチア映画祭コンペ部門で上映。
『2つの世界の間で』(スリランカ)
『ニンフ』(タイ)
Nymph/2009/94分/監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
ビジネス・ウーマンのメイは、冷えた関係となっているカメラマンの夫にキャンプへ連れて来られるが、夫は姿を消してしまう…。神秘的な深い森を背景に、不条理なドラマが展開される。カンヌ映画祭「ある視点」で上映。
『ニンフ』(タイ)
『セルアウト!』(マレーシア)
Sell Out!/2008/110分/監督:ヨ・ジュンハン
系列企業で働いている女性TVレポーターと家電開発者、職場に限界を感じる2人が出会い、波乱万丈の物語が繰り広げられる。ポップなミュージカル・シーンを織り交ぜ、マレーシア社会を鋭く捉えたブラック・コメディだ。この『セルアウト!』に10組20名様をご招待。
『セルアウト!』(マレーシア)
『お父さん、元気?』(台湾)
How are you, Dad?/2009/107分/監督:チャン・ツォーチ
『最愛の夏』のチャン・ツォーチによる、様々な父親像を描いた10短編のオムニバス映画。ノスタルジックな街並や海辺など台湾の風景を美しく捉え、子を想う父の優しさや老父への慈しみといった家族の情愛を淡々と見つめる。
『お父さん、元気?』(台湾)
『意外』(香港)
Accident/2009/89分/監督:ソイ・チェン
異色なやり方の殺し屋(ルイス・クー)が絡め取られてゆく極上の心理サスペンス。ジョニー・トーが製作を手がけ、香港のロケ撮影も冴えて抑制のきいた静かな不穏さの奥に真実が潜む。ヴェネチア映画祭コンペティション部門で上映。
『意外』(香港)
『息もできない』(韓国)
Breathless/2008/130分/監督:ヤン・イクチュン/提供:スターサンズ、配給:ビターズ・エンド
逃れられないしがらみの中で生きてきた主人公と勝気な女子高生の純愛を息苦しいまでにパワフルに描く。俳優経験を積んだヤン・イクチュン自身が主演した鮮烈な初監督作。ロッテルダムなど多くの映画祭で絶賛され、韓国でも大ヒット。
『息もできない』(韓国)
『堀川中立売』(日本)
Doman Seman/2009/130分/監督:柴田剛/配給:シマ・フィルム
『おそいひと』(04)の柴田監督が、京都を舞台に大胆なパラレルワールドを描く。ヒモ生活を送る信介はホームレスのツトムと出会って奇妙な展開に巻き込まれ、式神と妖怪の闘いが勃発する。現代の混沌を投射する刺激的な作品。
『堀川中立売』(日本)
第10回東京フィルメックス
期間:2009年11月21日(土)〜29日(日)
会場:有楽町朝日ホール、東劇、シネカノン有楽町1丁目ほか
入場料:1回券 一般・学生1,000円〜 ※前売券1,000円〜
※平日昼間3回券、指定席券などあり
※詳細は、公式サイトから
第10回東京フィルメックス・コンペ部門作品『セルアウト!』に
10組20名様をご招待
日時:2009年11月24日(火)15:20上映(15:00開場)
場所:有楽町朝日ホール
(東京都千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン11F) [地図を表示]
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