現在公開中の『あがた森魚ややデラックス』より
竹藤佳世監督による主演作『あがた森魚ややデラックス』が現在シアターN渋谷にてモーニング&レイトショー公開中のあがた森魚。好評を博す今作公開に合わせ、彼の伝説の監督作『港のロキシー』が、2009年10月18日(日)渋谷アップリンク・ファクトリーにて再上映が決定した。
『港のロキシー』(1999年)は、ジャン・コクトー『恐るべき子供たち』を下敷きに描き出した20世紀レトロフューチャー青春活劇で、あがた森魚の監督第3作目となる。北海道・函館を舞台に、インラインスケートに夢中になる少年たちの姿を描いた青春譚で、作家・町田康、映画監督・若松孝二など異色の出演者も話題になった。
待望の再上映となるあがた森魚監督作『港のロキシー』
そして今回は、当時『港のロキシー』の助監督だった佐々木誠のロングラン映画『Fragment』(2006年)も同時上映。『Fragment』は若き僧侶の祈祷の旅を追うことで、「9.11」をまったく別次元の断片として描いた異色のドキュメンタリーで、国内ロードショーから3年、物議を呼んだアメリカ上映を経ての凱旋上映となる。さらにこの夜はあがた森魚氏、佐々木誠監督、そして『ヨコハマメリー』プロデューサーで『港のロキシー』の撮影監督を担当した白尾一博氏を迎えてのトークイベントも行われることが決定。どのような対話が繰り広げられるか注目される。
佐々木誠監督の『Fragment』
現在公開中の『あがた森魚ややデラックス』は、2008年に敢行された、北海道から沖縄まで全国67ヵ所を、たった1台のキャンピングカーでめぐるライブハウスツアーを捉えたドキュメンタリー。表現者・あがた森魚の懐の深さをその軌跡のなかで感じることができる。最新作と合わせて、今回の企画で彼のジャンルを超えた奇才ぶりをあらためて確認してみてはいかがだろうか。
『あがた森魚ややデラックス』
『港のロキシー』×『Fragment』
2009年10月18日(日)15:00開場/15:30開演
ゲスト:あがた森魚、佐々木誠(『Fragment』監督)、白尾一博(『ヨコハマメリー』プロデューサー)
会場:アップリンク・ファクトリー
(東京都渋谷区宇多川町37-18トツネビル1F)[地図を表示]
料金:¥1,500(1ドリンク付)
映画『港のロキシー』
監督・脚本:あがた森魚
撮影:白尾一博
出演:岡和則、藤丸美哉、河原孝俊、山崎一、町田康、コモエスタ八重樫、もりばやしみほ(hi-posi)、小林克也、若松孝二 ほか
(1999年/87分/35ミリ/カラー作品/スタンダード)
映画『Fragment』
監督:佐々木誠
出演:井上実直
(2006年/日本/92分/DV/スタンダード/ステレオ)
映画『あがた森魚ややデラックス』
シアターN渋谷にてモーニング&レイトショー公開中
監修:森達也
撮影・編集・監督:竹藤佳世
出演:あがた森魚/鈴木慶一/矢野顕子/久保田麻琴/緑魔子
プロデューサー:石毛栄典
企画:成浩一/倉科杏(Dargelos Pop La)
撮影:佐伯慎亮/石垣直哉ほか
整音:有元賢二
絵:奈良美智
製作・配給・宣伝:トランスフォーマー
宣伝協力:太秦
(2009年/カラー/90分/デジタル上映/アメリカン・ビスタ/ステレオ) 公式サイト
あがた森魚 プロフィール
1948年北海道・留萌市生まれ。1972年「赤色エレジー」でデビュー。20世紀の大衆文化を彷彿とさせる幻想的で架空感に満ちた作品世界を音楽、映画を中心に展開。近作アルバムには『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』(01)、『タルホロジー』(07)など。映画監督作品に『僕は天使ぢゃないよ』(74)『オートバイ少女』(94)『港のロキシー』(99)の3本がある。俳優出演近作に『人のセックスを笑うな』(08/井口奈己監督)、『ノーボーイズ、ノークライ』(09/キム・ヨンナム監督)など。08年、還暦を迎え、全国60カ所あまりのツアー「惑星漂流60周」を展開、09年2月にはこのツアーのファイナルイベント「あがた森魚とZipang Boyz號の一夜」を九段会館にて敢行。ひき続き全国各地でライブを展開中。