『ミステリー・オブ・サンバ〜眠れる音源を求めて』
5年目を迎える「ブラジル映画祭」では、日本未公開の3作品と、過去同映画祭で上映し好評だった7作品、そして今年初めて日本人監督がブラジルをテーマに制作した2作品を上映する。東京では10月3日(土)~9日(金)に渋谷シアターTSUTAYAで、大阪では10日(土)~16(金)にシネヌーヴォで開催される。
今年の見所は、日本未公開の3作品、そして日本人監督がブラジルをテーマに制作した2作品だ。未公開作品1つ目『ミステリー・オブ・サンバ~眠れる音源を求めて』は、音楽ドキュメンタリー。ブラジルの歌姫マリーザ・モンチがサンバの大御所たち=ヴェ—リャ・グアルタを訪ね、サンバの歴史を紐解いていく。サンバがいかに世代を超えて受け継がれていくのかが伝わってくる。サンバといえば浅草など日本各地で開催されるサンバカーニバルを思い出す人も多いのではないだろうか。秘められた人間の恋模様を歌う歌詞、そして生活に密着した音楽であるサンバ。マリーザ・モンチの美しく柔らかな歌声に酔いしれては。
『続・逆転夫婦!?』
そして2作目は『続・逆転夫婦!?』。お互いの身体が入れ違うというスタンダードな設定で、ブラジルで大ヒットした『逆転夫婦!?』の続編。この続編もブラジル映画の興行収入記録を塗り替えたというメガヒット作品だ。ブラジルに降り注ぐ太陽のように底抜けに明るい、ブラジリアン・エンターテイメントだ。
3作目は、孤独に生きる人々をオムニバス・タッチで描いた『星の導き』。サンパウロという大都市での希薄な人間関係とブラジル社会に色濃く残る差別と貧困。誰ともつながっていないようでありながら、誰かとつながっている。そんな大都市での人間関係とは。
『星の導き』
そして、日本人監督がブラジルをテーマに制作した2つのドキュメンタリー作品を「スペシャル・セッション」として上映。梅若ソラヤ監督の『私は幸せ』では、リオのファヴェーラ(スラム街)で暮らすグラフティ・アーティスト、サンバダンサー、警察官、家政婦などの人々が、経済的な困難を抱えながらも日々幸福を感じながら生きている様子を描いている。名倉亜希子監督の『ペルティフィカンド~僕の中にあるブラジル音楽を巡る旅』では、日本人でありながらブラジル音楽に魅せられた人々を取材している。
『私は幸せ』
『ペルティフィカンド〜僕の中にあるブラジル音楽を巡る旅』
期間中、アマゾンがテーマの短編を上映する「アマゾン・セッション」(入場無料)も開催。この機会に、ブラジル映画の魅力を知り、そしてブラジルの社会、そして音楽、自然に触れてはどうだろうか。
『ブラジル映画祭2009』
2009年10月3日(土) ~9日(金)
渋谷シアターTSUTAYA(東京都渋谷区円山町1-5 Q-AXビル)[地図を表示]
2009年10月10日(土)~16日(金)
シネ・ヌーヴォ(大阪府大阪市西区九条1-20-24)[地図を表示]
入場料:一般1,500円 学生1,300円 シニア・子供1,000 円
※その他詳細は、公式サイトから