骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2009-09-17 23:50


ホンモノの娯楽映画には笑いが絶えない!『第2回したまちコメディ映画祭in台東』9/21(水)より開催

浅草から上野までを股にかけ、4つのステージを舞台に大規模なmovie festivalが開催。前夜祭からクロージングイベントまでの5日間を走り抜ける!
ホンモノの娯楽映画には笑いが絶えない!『第2回したまちコメディ映画祭in台東』9/21(水)より開催
(左より時計回り)第2回したまちコメディ映画祭メインビジュアル、『大洗にも星はふるなり』((C)2009「大洗にも星はふるなり」製作委員会)、浅草キッドの映画講座にて紹介される『男はつらいよ』((C)1975 松竹)

国内外のコメディ映画を対象とし、下町の“笑い”文化の元で開催される映画祭『第2回したまちコメディ映画祭in台東』が2009年9月21日(水)から25日(日)まで行われる。浅草公会堂、浅草中映劇場、東京国立博物館平成館、上野東急2/不忍池水上音楽堂の4つをメインの上映会場とし、上野恩賜公園・噴水子広場、ROX-3スーパーマルチコート、浅草公会堂ロビー、浅草パークホールにて連日イベントが開催される盛りだくさんな内容となっている。

浅草は、明治36年に日本で始めての映画専門の劇場「電気館」がオープンした場所。サイレント映画が主流であった時代に、映画と音声が同期したトーキー映画の封切をするなど日本の映画史にとって革新的な土地であった。そして同時に、エノケン、渥美清、萩本欽一、ビートたけしらコメディアンを育て、年度末には浅草芸能大賞が開催されるなど、 “関東の笑い” の礎を築きあげた聖地でもある。また、上野は東京国立博物館、東京藝術大学、東京文化会館、国立西洋美術館を要する恩賜公園、東京藝術大学、水上音楽堂野外ステージが備わるアートの一大集積地として知られている。

レッドカーペット2008

この台東区一体の文化的施設を舞台にし、昨年述べ8万5千人を動員したこの映画祭。今年は船乗り込みでレッドカーペットへするゲスト達が登場、数々の招待作品の上映、一般公募からの短編コンペティション、吹き替え声優口演ライブ、映画講座、コメディ映画講義など、“笑い”に関する数々のプログラムが展開される予定だ。

昨年11月第一回目のレッドカーペットの様子、浅草公会堂前にて

特別招待作品には、オープニングセレモニーに11月にシネセゾン渋谷にて公開予定の福田雄一監督作品『大洗にも星はふるなり』(2009年/日本)、阿甘監督作品『浮かれたゴミ屋さん』(2009年/中国)、他含め国内外の6作品を各劇場にて上映する。コンペティション部門『したまちコメディ大賞2009』では、23日(水)浅草中映劇場にて審査員に大林宣彦監督、岸本加世子氏、堀部圭亮監督、しりあがり寿氏、総合プロデューサー・いとうせいこうを迎えて、全国から集まった20分以内のオリジナル・コメディ作品の内で選ばれた10作品が上映される。

YEAR ONE
『紀元1年が、こんなんだったら!?』((c) 2009 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

注目する作品は、アメリカからの招待作品で日本未公開の『紀元1年が、こんなんだったら!?』(2009年/アメリカ)。『ゴーストバスターズ』シリーズにて脚本、俳優を担当したハロルド・ライミスの最新監督作品であり、プロデューサーのジャド・アパトーは今冬に製作予定のその続編『ゴーストバスターズ3』も手がけることが決定している。『旧約聖書』の「創世記」をパロディ化した世界を名優ジャック・ブラックとマイケル・セラが放浪する姿は、80年代から続くアメリカンコメディの沿革の一つとして数えられる内容となっているはずである。

BBCmini
『空飛ぶモンティ・パイソン ザ・ベスト』((C) 2006 Python (Monty) Pictures Limited. All Rights Reserved.

また、結成40周年を迎えた今年の4月に再結成が報道されたモンティ・パイソンの特集『空飛ぶBBC帝国』。「モンティ・パイソン大全」の著者・須田康成を進行役に、松尾貴史氏、宮沢章夫氏らを迎えて「空飛ぶモンティ・パイソン」、「リトル・ブリテン」など、公共放送ながら当時の世相や宗教さえも皮肉り、常に放送ぎりぎりのタブーへと挑戦をし続けてきた「BBC帝国」の魅力が語られる。

チャップリンの冒険スチル
『チャップリンの冒険』(1917年/アメリカ作品/20分)

そして昨年一番の盛り上がりを見せた「声優口演ライブ」が今回のクロージングセレモニーに登場。ゲストに近石伸介、羽佐間道夫、山寺広一、井上喜久子、大野裕之を迎えて『子宝騒動』(1935年/日本)、『チャップリンの冒険』(1917年/アメリカ)、また貴重なチャップリンNG集を上映。吹き替えという表現に潜む可能性を通して、訪れた人の笑顔を引き出してくれそうだ。

tekonv
「映画秘宝ナイト」の上映作、『テコンV』((c)1976 Robot Taekwon V Co., Ltd.)

前夜祭ではかつて東京国際ファンタスティック映画祭で行われ、好評を博した雑誌・映画秘宝によるセレクション「映画秘宝ナイト」の開催。他、バリアフリー企画にて『しゃべれども しゃべれども』(2007/日本)の音声ガイド付き上映、ファミリー企画にて『ゲゲゲの鬼太郎』『ヤッターマン』(共に、2008年/日本)の上映など、特定の年代だけでなく訪れる人すべてを楽しませる下町らしさの溢れる内容となっている。

総合プロデューサーのいとうせいこう氏が記者会見にて「お祭りの良きあり方をお見せできると思いますので、たくさんの人に来ていただきたいです。」と述べたとおり、下町の祭りとして定着を見せ始めるこの映画祭にぜひ訪れてみてはいかがだろうか。


『第2回したまちコメディ映画祭』

2009年9月21日(月) ~9月25日(金)
会場:浅草公会堂、浅草中映劇場、東京国立博物館平成館、上野東急2/不忍池水上音楽堂、他

※詳細、プログラムは公式ホームページにてご確認下さい。
http://www.shitacome.jp

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