(C)2008 EUROPACORP-AVALANCHE PRODUCTIONS
麻薬組織への潜入捜査の実態を、疾走感あふれるカー・アクションと、緻密な捜査の描写や組織の裏側を大胆にあばくことで、フレンチ・アクションを次のレベルへと押し上げた映画『ゴー・ファースト 潜入捜査官』が公開される。
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実際にフランス警察、そして麻薬組織にリサーチを行うことでリアリティを突き詰めたことが、両者の間の均衡を描ききることへ繋がっている。そして主演のロシュディ・ゼムの存在感がこの物語の緊迫度や訴求力を高めていることは間違いない。少々こわもての面構えながら、冷静沈着(でも実はあるものにはめっきり弱い)かつ、親愛なる同僚を殺されたことへの怒りを内に秘め、捜査に乗り込んでいく姿は秀逸。カンヌ映画祭で最優秀男優賞受賞した『デイズ・オブ・グローリー』や『あるいは裏切りという名の犬』といった良作に出演を続けているものの、日本ではこれまであまり知名度は高くなかったが、今作のかっこよさを契機にブレイクが期待される。決してド派手なスター性は強くはないが、こうしたクールなクライム・アクションになくてはならない存在になるのではないだろうか。
リュック・ベッソンのヨーロッパ・コープが提供するだけに、アクションのクオリティはお墨付き。さらに主人公の捜査官の過酷な訓練を経て、警察、麻薬組織、運び屋、そしてマレクそれぞれの思惑が絡み合いながらクライマックスまで突き進んでいくストーリー運びの巧みさに、ぜひ酔いしれてほしい。
『ゴー・ファースト 潜入捜査官』
2009年8月29日(土)より、新宿バルト9 他、全国ロードショー
監督:オリヴィエ・ヴァンホーフスタッド
出演:ロシュディ・ゼム、オリヴィエ・グルメ、ジャン=ミシェル・フェット、他
2008年/フランス/89分
配給:アスミック・エース 宣伝:アステア
公式サイト