(左から)大畑創監督、伊藤淳監督、にいやなおゆき監督、間野ハヤト監督
インディペントの映画監督4人が「映画本来の面白さを追求したい!」という志のもとに、アクション、ホラー、オペレッタ、アニメといったさまざまなジャンルで作品を監督、それを集めた『傑・力・珍・怪 映画祭(けつりきちんかいえいがさい)』が、アップリンクでいよいよ8月8日(土)よりスタートする。
「娯楽映画の復権!」を掲げて立ち上がった、同映画祭の発起人であるこの4人は、大畑創、伊藤淳、間野ハヤト、にいやなおゆき。
現代のフィルム・ノワールとも言うべき『大拳銃』を監督したのが大畑創。PFFアワード2009にノミネートされ、惜しくもグランプリは逃したが審査員特別賞を受賞。審査員の松田龍平も「世界観と雰囲気とストーリーが僕のツボだった」とコメント。「ラストの銃撃戦を是非スクリーンで見てください」と監督は語る(大畑)。
『大拳銃』監督・大畑創 (2008年/16ミリ→DV/31分)
縣郁夫(小野孝弘)、聡(岡部尚)兄弟の鉄工所は倒産寸前だった。闇の商人、霜島(三宅和樹) が依頼した仕事は、拳銃の密造。納期が迫る中、いつしか郁夫は暗い情熱に突き動かされ始めていた 。ゆうばり映画祭審査員特別賞、 ぴあフィルムフェスティバル入選の話題作!映画美学校第9期F高等科修了作品。
続いて一見温厚そうだが、ダリオ・アルジェントばりの残酷描写を得意とする『魔眼』の伊藤淳監督。マンガ家としての顔も持つ伊藤監督は、個性派マンガ家を多数輩出しているアフタヌーン四季賞に佳作入選を果たしたこともあり、その特異なセンスは今回の作品にも存分に生かされている。「血がたくさん出る映画ですが、骨格としては怪奇物語の古典を踏襲しているつもりです」(伊藤)。
写真:『魔眼』監督・伊藤淳 (2008年/16ミリ→DV/25分)
水科家に現れた謎の男は、母(渡辺美穂子)と妹 (舘美涼)を惨殺。長女真知子(谷更紗)の左目に刻印を残し忽然と姿を消す。その日から、「魔眼」が映し出す異様な世界…。家族を信じる事もできず、 恋人も失った真知子の前に、謎の男が再び姿を現す。映画美学校第9期F高等科修了作品。
そして、賛否両論、監督の頭の中を覗いてみたいと評判の問題作『地獄に堕ちたシェイクスピア』を監督した間野ハヤト。時空も国籍も超えシェイクスピアとその戯曲の登場人物が現代の渋谷を跋扈し、監督の奔放なイマジネーションが映画の関節を外しまくる衝撃作。「主人公の中年男性はバイト先の先輩です。彼の生き様が画面ににじみ出ているはず」(間野)。
写真:『地獄に堕ちたシェイクスピア』監督・間野ハヤト(2008年/DV/25分)
自らをシェイクスピアと名乗るオッサンが、町のパンスケ集団に袋だたきにされ、迷い込んだのは虚構でも現実でもない世界だった!現代と第二次大戦が交錯し、もんぺガールズ達が歌い踊る! あなたの煩悩を直撃する、人情悲喜劇オペレッタ!
最後に、去年の作品完成以来、映画関係者、業界人を中心に、「とんでもない映画があるらしい」と口コミで噂が広がりつつある紙芝居アニメ『灰土警部補の事件簿 人喰山』を監督した、にいやなおゆき。『リング』シリーズの脚本家、高橋洋氏の名著『映画の魔』においても、独自の映画理論を展開し、高橋氏を驚かせたにいや監督、その独特の映画観から導き出される唯一無二の映像は必見。「単純に人を楽しませたいという4人が集まりました。ゲスト作品も含め、ここでしか体験できないことがあると思います」(にいや)。
『灰土警部の事件簿 人喰山』監督・にいやなおゆき(2008年/DV/28分)
連続殺人事件の現場検証にやってきた灰土警部一行。 しかし、そこは「人喰山」と呼ばれる阿鼻叫喚酒池肉林の恐怖地帯であった!血も涙も無い灰土警部が、薄幸の美少女ハルコとのふれあいによって、赤子のような心を取り戻すまでの、涙々の物語。作者自身が弁士も務める、紙芝居アニメの超大作!
いずれも昨年作り上げた映画の完成度、衝撃度の高さに正式上映を期待する声が高まっていたという同映画祭。『大拳銃』、『魔眼』、『人喰山』の3作品は連日上映、『地獄に堕ちたシェイクスピア』は特別ゲスト作品として上映される。特別上映作品は、他にも見逃せない作品ばかり。伝説の作品として名高いが決してDVD化されることは無いと思われる原田浩監督の『二度と目覚めぬ子守唄』他、高橋洋、花くまゆうさく等が登場。この機会を逃せば次はいつ見られるか分からない!
面白い映画に飢えている方は、かつてないこの濃密な映画祭に足を運んでみよう。
『傑・力・珍・怪 映画祭』
2009年8月8日(土)~9月4日(金)
タイムスケジュール:
『大拳銃』20:40 / 『魔眼』21:15 / 『人喰山』21:40 / 『日替わりゲスト作品』22:20
※日替わりゲスト作品につきましてはコチラから
会場:アップリンクX
(東京都渋谷区宇多川町37-18トツネビル2F)
料金:当日1,200円/前売り1,000円
※劇場にて配布しているチラシの下部分にリピーター割引のためのスタンプあり。2回目800円、3回目600円、4回目400円、5回目200円、6回目無料!毎回200円安くなります。
※連日監督による挨拶あり。特別ゲスト、出演者のトーク、その他イベントも企画中。
詳細は公式サイトをご覧ください。
http://ketsuriki.com