今回限定100体で販売する『ミニ・ジャイアント・トらやん』 (C) Kenji Yanobe
現代美術家・ヤノベケンジの近年の代表作である、歌って踊って火を噴く体長7.2mの巨大ロボット『ジャイアント・トらやん』の1/10スケールのフィギア作品『ミニ・ジャイアント・トらやん』を中心としたインスタレーションの展覧会「ジャイアント・トらやんの大冒険」展が、BLDギャラリーにて6月19日より開催される。
ヤノベケンジは90年代初頭より、実際に作動可能な、あるいは装着可能な数多くの大型機械彫刻作品を制作。「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに、自作の放射線感知服を着用し、原発事故後のチェルノブイリなどを訪問する「アトムスーツ・プロジェクト」など、社会的メッセージを持つ作品を発表してきた。
21世紀の幕開けとともに、自身のテーマを「サヴァイヴァル」から「リヴァイヴァル」へと移行させ、03年には集大成的展覧会「メガロマニア」(国立国際美術館)を開催。04年には半年間に渡る滞在制作「子供都市計画」(金沢21世紀美術館)や、05年「キンダガルテン」展(豊田市美術館)など、アートの既成概念にとらわれず精力的に活動を展開している。
火を噴く『ジャイアント・トらやん』 photo: Miwa Ohba (C) Kenji Yanobe
今回の『ジャイアント・トらやんの大冒険』は、ヤノベの個人的経験が一つの大きな物語となって現れた作品。97年に自作の“アトムスーツ”を着て原発事故後のチェルノブイリを訪れたヤノベは、廃墟となった保育園で人形と太陽の絵を発見する。10年という歳月を経て、その人形と太陽の絵をモチーフに自作品の一つ一つをキャラクターに見立てたファンタジー・ストーリーを描き始め、その物語を現実社会にまるごと出現させるという新たなプロジェクト「トらやんの大冒険」をスタートさせた。以来『トらやん』を主人公とする大冒険は、さまざまなキャラクターを生み出しながら金沢、豊田、青森、横須賀、霧島、京都など、全国各地を巡回し、既成のアートの枠組みを超えた自由な表現の場として芸術領域を拡大し続けている。
絵本『トらやんの大冒険』より (C) Kenji Yanobe
BLD GALLERYでは、『ミニ・ジャイアント・トらやん』(限定100体/予価262,500円-税込)発売を記念して、次なる舞台に向かって旅立つためのトらやん船団『ラッキー・ドラゴン』構想に基づくインスタレーションを中心に、これまでに行った壮大なスケールのアート・プロジェクトのアーカイヴや映像など併せて展示をおこなう。
■『トらやん』とは
ヤノベケンジの実父の腹話術人形をオリジナルとするキャラクター。バーコード頭にちょび髭、放射能を感知するガイガーカウンターを装備した黄色い“アトムスーツ”を身にまといながら、愛らしい表情でポーランド民謡「森へ行きましょう」を歌って踊り、宇宙語と称する謎の呪文を唱える。03年開催のヤノベケンジの集大成的展覧会「メガロマニア」(国立国際美術館・旧万博記念公園)以降、ポーランド民謡を歌う「トらやん」、ミニチュアサイズで無数に増殖した「ミニ・トらやん」、子供の命令で火を噴く超巨大ロボット「ジャイアント･トらやん」など、ヤノベケンジの創り出すフィクションの世界とリアルな現実とを媒介する新たなキャラクターとして活躍。現在『ジャイアント・トらやん』が東京都現代美術館にて特別展示中(8月2日まで)。
写真：『トらやん』（オリジナル）photo: Miwa Ohba (C) Kenji Yanobe
ヤノベケンジ「ジャイアント・トらやんの大冒険」展
～ミニ・ジャイアント・トらやん発売記念～
2009年6月19日（金）～8月9日（日）
会場：BLD GALLERY
（東京都中央区銀座2-4-9 銀座SPPビル8F）[地図を表示]
開館時間：11:00～19:00
休廊：会期中無休
入場料：無料
■ヤノベケンジ トークライブ＆サイン会
日時：6月20日(土) 開場14:30/開演15:00
入場料:800円
定員：50名（事前予約制）
※イベントのご予約・お問い合わせ
TEL: 03-5524-3903 Email:info@bld-gallery.jp
※ヤノベケンジ映像上映会あり！詳細はコチラよりご覧ください。
