オリヴィエ・アサイヤス最新作『夏時間の庭』が5月16日に日本公開され、引き続き夏には『NOISE』(7月中旬吉祥寺バウスシアター/配給:boid+iae)、『CLEAN』(8月イメージフォーラム/配給:トランスフォーマー)も公開される。これを機に、東京日仏学院と樋口泰人主宰のboidが共に、フランス映画の枠を果敢に超え、現代映画に挑んできたオリヴィエ・アサイヤスの作品を、5月8日より東京日仏学院で特集上映する。
移ろい行く時の中には、老いて、死んで逝く者、残された者、別れて行く者、寄り添い合いながら留まる者、それぞれの時が平等に存在している。オリヴィエ・アサイヤスの映画には、自伝的要素から着想された作品もあれば、音楽、絵画、文学との接点で今、ここで、世界を捉えようとする作品もある。変化を恐れずに、前をみつめて進んできた彼の映画を、人生を見つめるように、一本ずつ辿る。
5月17日には、青山真治監督とジム・オルーク氏のトークショー、中原昌也氏とジム・オルーク氏のユニット「suicidal 10cc」のスペシャルライブもおこなわれる。
【上映作品】
『無秩序』
(1986年/フランス/95分/出演:レミ・マルタン、シモン・ドゥ・ラ・ブロス/英語字幕付)
イヴァン、アンヌ、アンリは音楽を通じて結びついている若者たち。彼らは偶然、罪を犯してしまう。警察は彼らに嫌疑をかけることはないが、彼らの運命、そして彼らの近親者たちの運命は激変してしまう。
『冬の子供』
(1988年/フランス/84分/出演:クロチルド・ド・ベゼール、ミシェル・フェレール/無字幕/作品解説配布)
ステファンとナタリアは6年間一緒に暮らしている。まだ25歳の若いステファンは、この関係に嫌気がさしてしまい、身ごもっているナタリアを置いて、失踪してしまう。
『イルマ・ヴェップ』
(1995年/フランス/98分/出演:マギー・チャン、ジャン=ピエール・レオー/英語字幕付)
往年の犯罪活劇映画のリメイクの主演女優に起用された香港スター女優マギー・チャンと、彼女を取り巻く製作スタッフたちが織りなす人間模様を、鮮烈な感覚で綴った一編。映画批評家時代から香港映画の大ファンであったオリヴィエ・アサイヤスは、マギー・チャンと出会い、この作品を企画した。
『HHH:侯孝賢』
(1997年/台湾=フランス/90分/出演:侯孝賢/英語字幕付)
台湾の映画作家侯孝賢のフランスのテレビシリーズ「我らの時代の映画作家」の一編。侯孝賢が、自らの故郷で少年時代の記憶や映画制作のプロセスを自由に語ってゆく。
『8月の終わり、9月の初め』
(1998年/フランス/112分/出演:フランソワ・クルーゼ、マチュー・アマルリック/日本語字幕付)
編集者のガブリエルは、長年付き合ったジェニーと別れ、アンヌと付き合い始める。そんな時、敬愛している友人の小説家が病で倒れる……。親しい者の死を前に、生き残った者たちは、それぞれどのようにその死を受け止め、新たな人生を生きていくか模索する。
『感傷的な運命』
(2000年/スイス=フランス/180分/出演:シャルル・ベルリング、エマニュエル・ベアール/日本語字幕付)
原作はフランス人作家ジャック・シャルドンの同名小説。20世紀初頭、陶器作りの名家に生まれながら牧師の道を選んだジャンは、ナタリーとの間に一人娘がいるが、夫婦仲が上手くいかず、離婚する。ジャンは舞踏会で20歳の娘、ポリーヌと出会う。周囲の目に逆らい、彼らは運命的に結ばれ、ジャンは、家業の陶器工場の経営を引き継ぐ。
『デーモンラヴァー』
(2001年/フランス/120分/出演:コニー・ニールセン、シャルル・ベルリング/日本語字幕付)
ディアーヌはヴァーチャル世界をめぐるビジネスに関わっている。上司、同僚、仲間、敵、取引、嘘、秘密。操る側にいたはずのディアーヌは知らぬ間に操られる側へと反転し、やがて肉体的にもヴァーチャルな世界の傀儡となってゆく。今回のスペシャル・ゲスト、ジム・オルークが参加したソニック・ユースが音楽を担当。
『ノイズ』
(2003年/フランス/115分/出演:キム・ゴードン、サーストン・ムーア/無字幕 ※作品解説配布)
2005年6月、サン=ブリユーのアート・ロック・フェスティヴァルが名高い「白紙委任状(カルト・ブランシェ)」をオリヴィエ・アサイヤスに託した。『デーモンラヴァー』のサウンド・トラックを制作したソニック・ユースは、映像からインスパイアされた3つの並行するプロジェクトを担当し、ジム・オルークは『ドア』という映像作品を上映し、その周囲に音響をライブで築き上げている。
オリヴィエ・アサイヤス特集
2009年5月8日(金)~17日(日)
会場:東京日仏学院エスパス・イマージュ
(東京都新宿区市谷船河原町15)[地図を表示]
料金:一般1,000円/会員500円
※当日の1回目の上映の1時間前より、すべての回のチケットを発売します。開場は20分前、全席自由、整理番号順での入場となります。
詳細は公式サイトから
■スペシャル・ライブ開催
出演:中原昌也×ジム・オルーク(suicidal 10cc)
日時:5月17日(日)20:00開場/20:30開演
会場:東京日仏学院 ラ・ブラスリー
料金:前売3,000円(ドリンク別)/当日3,500円(ドリンク別)
東京日仏学院受付にて好評発売中!