ヒョウ柄ストッキングを頭から被り、全身黄色のオリジナルユニフォームに身を包む、その男の名はゼウス(写真上)。危険を冒してまでもストリートに作品を展示し続けるアウトサイダーたちのドキュメンタリー『インサイド/アウトサイド』に登場するパリのアーティストだ。
「人々は誇大広告の潜在的な影響力に気づいていないんだ。僕は赤いスプレーで広告モデルの額に点を打って"殺す"ことで、広告の力を剥奪するんだ」
ゼウスはこの行為をビジュアル・アタックと呼ぶ。
「ビジュアル・アタックは合気道の論理。相手の力を利用し、最低限の力で倒す。これは広告のイメージを殺すための殺傷手段だ。その後に僕は"体を盗む"っていうアイデアを思いついた」
彼が実行した次なる作戦はイメージの誘拐。
「2時間かけてビルボード広告のモデルの体を切り抜き、誘拐した。僕は"人質"の指を企業に送付し、身代金を要求した。金額は50万ユーロ(約7000万円)、この企業の広報予算はそれくらいの額だからね」
このアイデアの目的はアートに対して企業から金を出させること。意外にも誘拐された企業はこのゲームに乗った。身代金は小切手で振り出され、ゼウスは全額を国立アートセンターに寄付したのである。
街でよく見かける壁に施された文字やイラストはアートなの? 日本の価値観とはまた違う、世界で起こっているストリート・アートの現状を『インサイド/アウトサイド』でご覧ください。
『インサイド/アウトサイド』 ~REBEL WEEK/反逆者たちの七つの証言~ 七夜連続イベント+上映
4月5日(土)~4月11日(金)
時間:開場19:00/開演19:30
会場:アップリンク・ファクトリー(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)
料金:予約1,800円 当日2,000円
- 出演:
- 4月5日(土)
ゲスト:名越啓介(写真家)、林文浩(DUNE編集長)、他 - 4月6日(日) 近日発表
- 4月7日(月)
「TALK/LIVE」(予定)
ゲスト:Shing02(革命家)、鈴木ヒラク(アーティスト) - 4月8日(火)
「態度としてのアート/武闘派アーティストのグラフィティ観」
ゲスト:天明屋尚(アーティスト)、窪田研二(インディペンデント・キュレーター) - 4月9日(水)
「マンガ、アート、インターネット/ストリート発!世界をおもしろくする遊びの達人たち」
ゲスト:マストワン(ペインター/漫画家)、猪子寿之(チームラボ)、宮村周子(編集者/ライター) - 4月10日(木)
ゲスト:有太マン、他 - 4月11日(金)
「落書反戦/アートで反戦」
ゲスト:ECD(ラッパー)、三田格(ライター)、小田マサノリ(イルコモンズ)
この作品を読み解く鍵として、"REBEL/反抗"をテーマにした7日間連続のイベント+上映。イリーガル・アートはアートなのか? 表現に規制は必要か? アートで反戦活動は可能か? そもそもアートである必要があるのか? などをテーマに様々な分野からゲストを迎えて開催。
【チケット予約方法】
下記項目を明記の上、件名を『予約:インサイド/アウトサイド』とし、メールにてお申込みください。
(1)お名前 (2)参加日程 (3)予約人数 (4)電話番号 (5)住所
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