上段左より『さようなら蚊とはえさん』、『タローの誕生』、下段左より『注文の多い料理店』、『アメリカの家庭生活 三部作』
ポレポレ東中野では12月13日(土)~12月29日(月)、53年の歴史をもつ記録映画・教育映画製作会社『桜映画社』の特集上映を開催する。桜映画社は、1955年の創立以来53年間に823本の作品を製作、短編から長編映画まで、記録映画、劇映画、アニメーション、文化映画、教育映画、PR映画、テレビ番組と幅広いジャンルを手がけてきた。
そのフィルモグラフィには、記録映画監督・藤原智子の『歌舞伎の立ち廻り』、樋口源一郎らと組んだ一連の科学映画『女王蜂の神秘』他、松川八洲雄「食」に関する映画『にっぽんチーズものがたり』から、市川房枝の一生を追った『八十七歳の青春』、七世野村万蔵の芸を追った『狂言・野村万蔵』、宮武外骨の検証映画、更にはミクロの世界に迫る『白血球』、建築土木技術を追った『急曲線を掘る』まで様々なジャンルの記録映画が中心にある。
記録映画ともう一つの柱として岡本忠成、杉井ギサブローらを起用した作家性豊かなアニメーション作品も制作し続けており、2005年の話題作・川本喜八郎監督作品『死者の書』も記憶に新しいところだ。劇映画の製作も草創期より行っており、満映でも活躍した木村荘十二監督の『海ッ子山ッ子』(1958年)でベネチア国際映画祭サン・ジョルジュ賞を受賞、また、内藤誠、神山征二郎といった劇映画作家にも活躍の場を与えている。
こういった、広範囲なジャンルの作品を製作しながら、変わらないスタンスを持ち続けている桜映画社の作品を観ることにより、記録映画の歴史だけでなく、ひいては戦後史、昭和史が再確認・再発見できるはずだ。
webDICEユーザー対象に、抽選で2組4名様に同特集上映の招待券(一回券)をプレゼントします。応募方法は下記をご覧ください。
【一部作品紹介】
『さようなら蚊とはえさん』
(1955年/21分/記録/監督:青山通春)
桜映画社の記念すべき第一作『さようなら蚊とはえさん』は当時公衆衛生の面で大きな問題となっていた蚊と蝿の駆除をテーマとした作品。
『タローの誕生』
(1981年/21分/アニメ/監督:白梅進/脚本:藤原智子/声の出演:納屋六郎、他)
近年も『ベアテの贈りもの』『シロタ家の20世紀』など優れた女性映画を手掛ける藤原智子(1932-)の脚本作・監督作。藤原は桜映画社では出産・育児などに関する映画を多く手掛けており、藤原らしい丁寧な描写で、未来を展望させる優しい作品。
『芹沢銈介の美の世界』
(1984年/35分/記録/監督:村山英治/解説:宇野重吉)
桜映画の創設者・村山英治(1912-2001)が監督した、染色作家・芹沢銈介の生涯を追った80年代の作品。
『芭蕉布を織る女たち 連帯の手わざ』
(1981年/30分/記録/監督:村山英治/解説:加藤治子)
沖縄で最初に国の重要無形文化財となった"芭蕉布"を織る女たちの記録。
『アメリカの家庭生活 三部作』
(1964年/91分/記録/監督:村山英治/解説:川久保潔)
桜映画社が手掛けた1964年のエポックメイキングな傑作。当時、プライバシーが侵されることを嫌い、家庭の中にカメラは入れないと云われていた欧米で、第一部ではアイルランド系移民の家庭生活を、第二部ではアメリカの家事の仕方や老後の生活を、第三部ではウィスコンシン州の家族酪農を記録し、当時の貴重な映像として今も親しまれる、日本記録映画史に残る作品である。
『注文の多い料理店』
(1991年/19分/アニメ/監督:岡本忠成/原作:宮沢賢治/監修:川本喜八郎)
NHK「みんなのうた」のアニメーションなど数多くの短編アニメを生み出した巨人・岡本忠成(1932-1990)による
傑作短編集。宮沢賢治の原作『注文の多い料理店』を幻想的な手書きアニメーションの世界で表現した遺作。
『桜映画社特集』
2008年12月13日(土)~12月29日(月)
会場:ポレポレ東中野(東京都中野区東中野4-4-1-B2)[地図を表示]
料金:前売 一回券1,100円/三回券3,000円
当日 一般・学生1,300円/中・高・シニア1,000円/小学生700円/三回券3,300円
※上映時間、トークイベントなどの詳細につきましてはポレポレ東中野公式ホームページをご覧ください。
【応募方法】 2組4名様に招待券(一回券)プレゼント
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■応募締切り:2008年12月10日(水)
※当選者の発表は、招待券の発送をもって代えさせていただきます。