本作は2007年カンヌ映画祭“批評家週間”のオープニングを華々しく飾った。しかし、本編終了後には会場を混乱の極みに陥れ、観た人の多くが鈍い衝撃に愕然とし、物語をどう解釈していいのか、そして、映画そのものに対してどう反応していいのかまったくわからずに、ただ呆然と映画のエンドロールを眺めるしかなかったという。そんな戦慄の怪作にして大問題作が、ついに日本で公開される。
D・リンチのメビウスの環的な構造や、強いてはA・ホドロフスキーの『ホーリー・マウンテン』への新約聖書的解釈を持ちながら、たんなる踏襲に終わらない、より明確な構成、構造とエンターテイメント性を備え持つ、フランス人監督ブルーノ・メルルの世紀の衝撃策(作)を目撃せよ!
【コメント】
これは合法ドラッグだ!バッド・トリップだけど。
加勢大周も非合法なことをやらないで、今作を観ればよかったのに。
― わたなべりんたろう(ライター)
この破滅、狂気は、悲しみに彩られたバラード。人生の挫折に対す、やけっぱちな反撃なのだ。
― 七里圭(映画監督)
こんなにも観客を置いてけぼりにするとは爽快なほどにドン引き。
いまだに自分が何を目撃したのかわからない。
レクター博士も嫌気をさす剥き出しの不快感。
― 五所純子(文筆業)
『変態“ピ”エロ』2008年11月29日(土)よりアップリンクXにて上映
2007年カンヌ映画祭 国際批評家週間 オープニング上映作品
監督:ブルーノ・メルル
出演:ミカエル・ユン(『Morning Live』)、パトリック・シェネ(『潜水服は蝶の夢を見る』)、他
2007年/フランス/115分
提供・配給:キングレコード+iae