骰子の眼

cinema

東京都 渋谷区

2008-12-02 12:01


誰もがちょっと引っかかる愛の形を紡いだ『PARIS』クロスレビュー

フランスで170万人動員というヒットした作品、そこに描かれるのは日々を懸命に生きる人々と、それを包容する街「PARIS」そのものの姿。
誰もがちょっと引っかかる愛の形を紡いだ『PARIS』クロスレビュー

(c) CE QUI ME MEUT - STUDIO CANAL- STUDIO CANAL IMAGE – FRANCE2 CINEMA

【作品概要】

『スパニッシュ・アパートメント』(02)でみずみずしい青春群像を描いたセドリック・クラピッシュ監督が、幸福のヒントを紡ぐ。

映画に登場するのは、オリエンタルなベルヴィル、高級住宅地のパッシー、ソルボンヌ大学や、エッフェル塔、サクレ・クール寺院、カタコンベ、ペール・ラシェーズ墓地、パレ・ロワイヤルの中庭などの観光地、アパルトマンでの生活やマルシェでの買い物、街角のパン屋などパリという街をありのままにヴィヴィッドに描き出した、まさに「街」そのものが主役ともいえる作品となっている。

【セドリック・クラピッシュ監督インタビューより】

この物語は、病気になり、間もなく死を迎えるだろうと考えているパリジャンの話だ。
この状況の中で彼は、出逢う人々を新しい別の見方で見るようになる。死を想像することで、突如、彼にとって、自分自身の「生」、他の人々の「生」、そして、街全体の「生」が違った意味を持ち始めるんだ。そして、また本作はパリという街についての作品でもある。パリは、まるで地下鉄の地図のように相互につながりあっている。だから、パリのポートレイトを創りたいなら、パリを画一化してはダメだ。複雑なパリの町並みを認めること。パリの街角一つ一つがパリの素晴らしさを醸し出しているのだから。

『PARIS(パリ)』2008年12月20日、Bunkamuraル・シネマにて公開
http://www.alcine-terran.com/paris/

2008年/フランス/2時間9分
監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
出演:ジュリエット・ビノシュ/ロマン・デュリス/ファブリス・ルキーニ/アルベール・デュポンテル/フランソワ・クリュゼ/カリン・ヴィアール

レビュー(5)


  • shiさんのレビュー   2008-11-20 23:16

    Paris,c'est ca.

    3月のフランス映画祭での鑑賞を逃して以来、心待ちにしていたこの作品。 WebDiceさんにご招待いただき、一般公開よりひと月早く鑑賞することができました。 描かれているのは、生活者の厳しい現実そのもの。 生活は楽ではないし、人種差別だってあ...  続きを読む

  • まっつぁんこさんのレビュー   2008-11-22 09:47

    なんという幸せ

    この映画は、2回観ることをおすすめする。 わたしは、2回目で内容がよく把握できた。 登場人物の数が多いので1回だと関連がよくわからない。 もうひとつ、パリの地図を頭にいれて見たい。 できれば、事前に行っておきたいところである。(笑) 残念な...  続きを読む

  • ぴょんさんのレビュー   2008-11-22 11:54

    パリ=人生!?

    「パリ」という街に対して抱いているイメージは人それぞれだと思います。 だだ、そうであっても、多くの日本人はその中にある種の羨望を含んでいるのではないでしょうか? そのようなイメージを良い意味で裏切ってくれる作品が『PARIS』です。 死と向...  続きを読む

  • kerakutenさんのレビュー   2008-11-24 10:31

    パリの空の下・・・

    重い心臓病の、元ダンサーのピエール。 彼は心臓移植の日をむかえるまで、自室から パリの街並みとそこを行きかう人たちを眺める毎日を送っています。 向かいのアパルトマンに住むソルボンヌの学生レティシア。 ピエールも憧れる美しい彼女は お似合...  続きを読む

  • ミッチさんのレビュー   2008-11-24 23:45

    パリの街も人生もさまざまな味わい

    セドリック・クラビッシュといえば、「スパニッシュ・アパートメント」を思い出し、 今回の「パリ」も同じような群像劇では、と思いながら、見ました。 主人公はクラビッシュ作品にはおなじみのロマン・デュリスですが、 今回は心臓移植するしか助かる道は...  続きを読む

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