2014-12-17

ハイブリッド・アニメーションで2014年のしめくくり このエントリーを含むはてなブックマーク 

こんにちは、オフィスHの伊藤です。

2014年も残り2週間となりました。
みなさんは、夢の実現に近づかれましたか。わたしも一歩近づきました。
年内最終のHNews(アッシュ・ニュース)をお届けします。

日本アニメーション学会の機関誌「アニメーション研究」(第16巻第1号、9月7日発行)に拙稿「ヨーロッパにおけるハイブリッド・アニメーション」を上梓しました。
2000年代に進む、技法・制作者、観客・ターゲット、テーマ・ジャンル、メディアのハイブリッド化(混合、混成)を、『はちみつ色のユン』といくつかの作品で考察してみました。

フランスの子ども向きアニメーションでは、移民、両親が離婚した子、人種の違う養子縁組、文化の違う子たちの友情(いじめ)など、多様な文化性を織り込んでいます。
上記拙稿では紹介しませんでしたが、フランスのFolimage、Foliscope、カナダNFBなどが制作したシリーズ「レオンとメリー」もハイブリッド傾向かな、と思います。
ミツバチ飼い夫婦に育てられたクマの子レオンと森の王国のメリー姫が活躍する「レオンとメリー」シリーズは、子どもを取り巻く”おとなの事情”を、中世ヨーロッパの美しい装飾図を交えて、フランス随一のコマ撮りアニメーションスタジオが子どもたちに届けます。

シリーズ後半の「夏のボニファシオ」と「秋のプーニュ」は、オレ様キャラの語り部ボニファシオと不平屋・皮肉屋ハリネズミのプーニュが舞台回しをすることで、前2作より話が深まりました。

挿入画像「秋のプーニュ」より
(c)Folimage - Foliscope - Piwi – CarpeDiem Film & TV (Pougne) inc. - National Film Board of Canada - 2012

12月20日(土)と21日(日)に、アンスティチュ・フランセ東京(東京・飯田橋)の「フランスアニメーション映画祭2014」で全4話が上映されます。

現実的な社会と幻想的な自然界にまたがり成長する少年を描いた『森に生きる少年~カラスの日』と、『スタレヴィッチによるラ・フォンテーヌの寓話』も同日上映されます。
『森に生きる少年~カラスの日』は1997年にパリのゴブランを卒業したジャン=クリストフ・デッサンさんの長編監督デビュー作。昨年のフランスアニメーション映画祭の好評に応えた再上映です。

フランスアニメーション映画祭2014>> http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1412061221/

2012年の公開後も、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞や世界の映画祭での受賞が続いた、ハイブリッド・アニメーション映画『はちみつ色のユン』は熱心なサポーターに支えられ、劇場スクリーンだけでなく、自主的な上映が続いています。
2月のJung監督来日を機に、原作BD(バンデシネ)全3巻の邦訳完全版発売準備が進みました。
日仏漫画コーディネーターの鵜野孝紀さんが翻訳され、来月、1月にDU BOOKSから発売されます。

奈良美智さんが推薦を寄せてくれ、Jungさんも喜んでします。

鏡に映る君は誰?
心の落ち着く場所はどこにある?
さぁ、ユンの心と体の旅に同行しよう

コミック「はちみつ色のユン」>> http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK072

みなさま、健やかに年の瀬をお過ごしください。
そして、来年もよろしくお願いいたします。

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HNewsのバックナンバー掲載
http://blogs.yahoo.co.jp/hiromi_ito2002jp

フランスのFolimageスタジオの短編アニメーション(字幕or吹き替え版)を貸し出します
http://www.wat-animation.net/wat_Folimage.html
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伊藤裕美

ゲストブロガー

伊藤裕美

“インディペンデント映画(アニメーション)を広める活動をしています。”


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