1時間ノンストップの轟音ロックンロール。MCほとんど無し。途中、激昂した百々和宏が汗まみれのTシャツを脱ぎ、観客に投げ撃つ。そこから前衛舞踏家のような半裸の百々の肉体が語り出した。
モーサムでの百々の歌詞は分かりづらい。特に高音域になるとシャウトし過ぎて、ほぼノイジーな歌声になる。それがだんだん慣れてくると心地よくなってくるのだ。
胎児は胎内にいる時、母親の様々な生活音や臓器の音を、爆音ノイズで聴いていると聞いた。そんな状態、つまり百々、いやモーサムは、胎内回帰に連れていってくれるのだ。いったんチャネリング状態に入ると、百々は恐ろしいほどブッ飛ばす。そしてステージ上と同じ特権的肉体を持っているものだけが、真の観客として選ばれるのだ。前日、泥酔して負傷し、選ばれなかったビッコの俺は、なんとも気後れしてしまい、せめて特権的時間だけは共有しようと、ビールを重ねて呑んで誤魔化したのだった。今迄観たモーサムの中で、最高だったぞ!ありがとう百々ちゃん!