2013-10-02

夕べ、『抱きしめたい! forever』を見たけれど、 このエントリーを含むはてなブックマーク 

ひど過ぎた。

なにって話の展開が。

『抱きしめたい!』と言えばいわゆる往年のトレンディドラマの代表作で、
1988年のオリジナルの放映時は、
そのリアルさと、反面あり得ないおしゃれさとで若い女性の心をつかみ、
かなり評判になったドラマだが
(浅野温子と浅野ゆう子が、W浅野と呼ばれて当時もてはやされた)、
その後、何度か続編として放映された単発ものは、
実は、3作目の木村佳乃が出てきた1999年の回のしか見ていないけれど、
あまりおもしろいと言えるものではなかった。

というのは、主人公の一人の浅野温子演じる麻子が、
最後に結婚することを「選べなかった」ので。
選べないで、男と愛を交わした翌朝にぐずぐずと泣いていた、
さらにその後、浅野ゆう子演じる大親友の夏子と、
開き直るかのように、おちゃらけて浜辺でいっしょに踊ってた
(当時、1回見たきりなんで私の記憶に間違いがなければだけれど)。

元々、麻子は恋にはどこか臆病で、どたん場で逃げ出すタイプというキャラで描かれていたので、
「いつまで経っても変わらない」とか、「あの日のまま」とかいうことをよしとする観点から見れば、
それで間違いはないのだけれど、
オリジナルの目指していたのだろう、「カッコイイ女」とか、「最先端の女」とかいう点からすれば、
全然、合致していなかった。
いざという時に結婚することを決断できない女なんて、
前に進むことを拒んでいるのと同じで、全然カッコよくない。

それで、オリジナル制作当時は、よくこれだけ若い女性を描き切ったな、と感心できた男性脚本家も、
もう時代の空気を映せなくなったのだ、とその時に感じたのだけれど、
この14年ぶりの続編については、
代わって女性の脚本家による、女性ならではの視点によるもの、という触れ込みだったし、
実を言えば、『抱きしめたい!』のオリジナルは、
私の生涯大好きドラマのトップ3に入る作品なので、いちおう見てみたんだが、
結果はやはり、最初に書いたとおりひどかった。

新郎による結婚式ドタキャンなんて、そうある話ではないでしょ。
やっと、50過ぎて結婚に踏み切る気になった女が、
結婚式当日に男に逃げられるなんて展開、
「愛なんて信じるな」とか、「男なんて信じてもろくなことはない」という、
ネガティヴなメッセージにしか聞こえない。
その後はやったジェットコースタードラマじゃあるまいし、
『抱きしめたい!』がそもそも見せようとしていたものとは違うはず。

おそらく、夕べのforever編を見て、この展開を喜べた人は誰一人としていなかっただろう
(一歩譲って、99パーセント、かな)。
それとも、同世代の独身女性は麻子にゴールインされなくてほっとしたのだろうか。
私は今は一人なものの、もちろんそうは思わなかったけど。

片割れの夏子の決断にも、あまり共感できなかった。
元々、夏子は浮気者である夫の圭介を許して結婚生活を続けてきたのだし
(続編の1と2でなにがあったのかは知らないが)、
それがここに来て今度こそ許せない、というのは、事情が事情とはいっても、なんだかぴんと来ない。
結婚は確かに双方にとって、忍耐と、時には理不尽さを伴うものではあるけれど、
別に一人でいること自体がカッコイイわけでもなんでもないんで。
ドラマの中では、麻子に向かって夏子に、
「あたしたちはちゃんと自分で(道を)選んできた」
とか言わせていたけれど、夏子はそもそもそういうキャラではなかったはずだけどね。

それにこのドラマ、どこか好き勝手してきた男への懲罰的な終わり方もしているんだけれど、
男が思い知ればいい、というのも、ほんとうに自分で道を選んできた人間なら思うことじゃない。
しかも、圭介って確か前作でEDになったはずだったんだけど……?
あれはなに? 仕事の多忙さによる一時的なストレスかなにかだったの?

毎度ドタバタ的な最後のシーンからすると、
制作側は、うまくいけば6年後の「還暦」編も作りたいのかも知れないけれど、
今度こそあまり先が期待できないそうにないなと思った、『抱きしめたい!』forever編であった。

ああ、蛇足だけど、ウェデイングドレスは、私は麻子のよりも夏子が着ていたほうのが好きだったな。
ヴェールが西洋の宮廷の女官みたいで。

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抱きしめたい!forever


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