2013-09-12

小林政広監督 「日本の悲劇」(渋谷ユーロスペース)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

エライもんを観てしまった。観終わってから、ご婦人と楽しくイッパイやる予定だったのが、ドヨンとした重~い気持ちになってしまった(結局は楽しくやったのだが)。「リストラ」「神経症」「離婚」「母の長患い」「就職難」「父の癌」「尊厳死」…まさに日本の悲劇総ざらえではないか。どれも身近に思い当たる節があるモノばかり。おまけに最後に救いが無い。前作の「春との旅」には救いがあったのに。いや、このラストシーンは救いなのか。息子は狂ってしまったのか。ミイラと化した父と共存して、物言わぬ父と初めて心の融合が出来たのか。監督の問いかけなのだろうけど。「マン・オブ・スティール」か「スタートレック」の開演時間が合わなかったので観てしまったモノには、ヘビイ過ぎだぜ。これ、ほぼワンセットで撮ってるから、経費もかなりタイトで出来たのでは。北村一輝が、戸板一枚隔てた仲代達矢に語りかける、叫ぶシーンは秀逸。黒澤の「天国と地獄」のラストシーンを思い浮かべてしまった。

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大倉順憲

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