2013-05-24

インタビュー:山崎 円城「Orquesta F.I.B JOURNAL Live at Motion Blue」| @meetsPEOPLE このエントリーを含むはてなブックマーク 

 5月28日(火)、山崎円城率いるF.I.B JOURNALがモーションブルー横浜(横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫内)に登場。通常のトリオ編成に加え、キーボード、ホーンセクションを交えたビッグバンド編成でのライブが実現。

 F.I.B JOURNALは山崎円城が2003年に立ち上げた国内屈指のポエトリージャズプロジェクト。静寂と混沌、詩情とパンク、酒場とジャズ、コントラバスと拡声器、テープレコーダーとタイトなドラム、音の間と念、大人の渋さとこどもの叫び、スパークするポエジー…。どの音楽も基本的にはそうなのだと分かってはいても、「体験」を推薦することでしかその特異さと素晴らしさを伝えられないと痛感させられるバンド。

 ドラム、コントラバス、ギター兼ヴォーカルというシンプルな編成から繰り出される音楽は、時に優しく時に獰猛。スポークンワーズを好む山崎円城のスタイルからその音楽は「ジャズパンク」、あるいは「現代のビートニク」と評されるほど。

 2003年の立ち上げから今年で活動10周年。公開録音した音源を新作として発表したり(『紙よさらば』)、ライブの入場料を金銭ではなく「物々交換」としてみたり、その活動の特異さは単にライブに留まらず、そしてまた奇を衒うといった類いのものではなく、「目が離せない」「癖になる」ものとして観るものを惹きつけ、木々が根を張るようにじっくりと聴衆の耳や心に浸透してきました。

 『Orquesta F.I.B JOURNAL LIVE -「潮と、倉庫と、楽団と。」』と題されたモーションブルー公演の迫った山崎円城さんに話を伺いました。
 
◆Interview with Madoki Yamasaki
 
mP:今回はビッグバンド編成でのライブになります。F.I.B JOURNALにとっても初の試みだと思いますが、このアイディアはどうやって生まれたものでしょうか?

山崎円城:正直に言うと、思い付きです。ただ、通常は密室で行うレコーディングに、人を入れて、公開レコーディングにして作品を短時間で作ってしまったり、ライブをチャージではなく、物々交換にしたり。既成路線から、外れる活動ばかりしていましたが、こういうことが必要だと、直感的に思いました。
 
mP:当日はF.I.B JOURNALの3人に加え、演奏者6人、DJ 1人、絵描き1人、花活け1人が「出演」として発表されています。簡単に、それぞれのメンバーをご紹介いただけませんか?

山崎円城:メンバーはぼくが選んで、直接連絡しました。これもインスピレーションです。みな深い友人達で、各々とストーリーがあります。恋人が、好きな理由を言葉に出来ないのと同じで、それを簡潔に説明出来ません。でも一緒に出している音を聴いてくれたら、きっと、分かってもらえると思います。最高です。
 
mP:会場はモーションブルーです。普段F.I.B JOURNALやマドキさんが演奏している場とはまた少し毛色の異なる会場になりますね。

山崎円城:ゴミ捨て場から、オルガンを拾って独学で始めた音楽です。モーションといえば、老舗の系列ですから、ぼくのような、所謂はみ出した人間が、こういう場所でやるのは、とても面白いと思いました。拡声器でパンクする人も、初めてみたいです。
 
mP:F.I.B JOURNALとして、今年は10周年にあたるわけですね。アルバム『紙よさらば』のリリース、今回のビッグバンド編成でのライブ、また、全国各地の興味深い場所でのライブなど、木が枝を伸ばすように、水が流れるように、無理のない形で伸びやかに活動の幅が広がっているように感じています。F.I.B JOURNALやマドキさんの「繋がり」は、何よりも「人」ありきだと思いますが、立ち上げから10年が経過して、今持っている「繋がり」について思うところを聞かせてください。

山崎円城:ぼくらは農夫みたいなものだと思っていて、まずは単純に、個性的で美味しい作物を、作りたいと。販路や、マーケットを見て作ることも悪くないけど、ぼくらの活動はとてもシンプルで、作物に個性があれば、食べたい人が来て下さったり、売りたい人が出て下さったり。ライブを1本やったら、今度ウチでもと、お声掛け頂いたりして、それが、何とか今日まで、繋がって来ました。そんな、完全にインディペンデントな、身の丈の活動なので、正直黙っていても人が入るようなバンドではありません。だからこそ、ライブを開催すると、このバンドを聴かせたいという、押して下さった人の気持ちが、いつも見えます。
 
mP:つきなみな質問ですが、モーションブルーに行こうか迷っている人にメッセージをお願いします。

山崎円城:馬子にも衣装とか、そんな感じです。是非冷やかしてほしいです。ぼくにとっては、音楽は作品ではなく、単純にコミュニケーション。酔っぱらってるぼくに是非お声掛け下さい。音楽はパンクですが、自分で言うのも何だけど、温厚な奴です。

mP:ありがとうございました。
 
 
 10周年のF.I.B JOURNALによる特別な一夜。『Orquesta F.I.B JOURNAL LIVE -「潮と、倉庫と、楽団と。」』は5月28日(火)18時開場20時開演。会場は横浜赤レンガ倉庫内「モーションブルー」。
 
(インタビュー&文・峰尾亮平 )
 
◆F.I.B JOURNAL…
山崎円城が2003年に立ち上げた国内屈指のポエトリージャズ。
2005年からEgo-wrappin’のサポートベーシストとして活動する真船勝博、ドラマー沼直也が正式加入。トリオ編成に。
コントラバスとドラムのセッションを基調とし、その上にスポークンワーズが絡む独特なスタイルは、現代のビートニク音楽である。
F.I.B JOURNALとして現在までに4枚のフルアルバムを発表している。2009年に発表した『Calm & Punk』ではパンクの精神を抱いたビートニクの怒れるジャズ「ジャズパンク」とも称される。
最新作『紙よさらば』は青山「月見ル君想フ」での公開レコーディング音源を使用。
  
【Orquesta F.I.B JOURNAL「潮と、倉庫と、楽団と。」】

■日時        2013年5月28日(火)
■場所        Motion Blue YOKOHAMA(横浜赤レンガ倉庫内)
■時間        18時開場/20時開演
■料金        自由席3,200円 他
■出演        
Orquesta F.I.B JOURNAL
 山崎円城 (vo,g)+真船勝博 (b)+沼直也 (ds)
 外池満広 [ex Dry&Heavy] (org)
 NOBU [Immigrant's Bossa Band] (per)
 猪狩亮一 [Delightones] (as)
 金津朋幸 (ts)
 井登友一 (tb)
 光風 [Green Massive/Cool Wise Man] (tp)
 松岡亮 (paint)
 Tommy Returntables [Sankofa] (DJ)
 上野雄次 (花活け)
 
↓写真・映像の見れる元記事はこちらです↓
◆インタビュー:山崎 円城「Orquesta F.I.B JOURNAL Live at Motion Blue」|meetsPEOPLE|2013年5月22日掲載
( 取材&文・峰尾 亮平 / 写真&映像・野田 昌志 )
http://www.meetspeople.org/2013/05/22/feature-13/

キーワード:

fibjournal / 横浜 / meetspeople / 山崎円城


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