2011-10-04

柳亭市馬・立川志らく・森口博子「昭和ロマンと江戸の風」(博品館劇場)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

~昭和ロマンと落語の会~市馬さんと志らくさん、ゲストの森口ちゃんによる昭和歌謡の数々。そして落語が2席。しょっぱなタキシード姿の市馬さんが「アルプスの牧場」を唄う。立姿が良い。歌もうまい。しかもフルバンドだ。次に志らくさんも唄う。本人も言ってたけど、市馬さんよりはうまくない。しかし、歌への愛が伝わる。どうしようもないほど惚れぬいているというカンジが良く伝わる。「歌」に対してだ。次々に出てくる昭和歌謡。三橋美智也、春日八郎、小畑実、伊藤久男・・・よくもこんなに古い歌を知ってるなあ。志らくさんは俺とひとつしか年が変わらないのに。師匠である談志家家元の影響で学んだそうだ。毒舌を吐きながら、師匠への愛が伝わってくる。市馬さんも「目黒のさんま」の枕で、師匠小さんが「園遊会」に参加したときのエピソードを微笑ましく語っていた。どんだけ二人が師匠にお世話になったか、師匠が好きか、痛いほど伝わってくる。志らくさんが「看板のピン」を珍しく流してやった。それほどまで「歌」に気合が入っていただろう。その後出てきた森口ちゃんの「悲しい酒」が、逆に生きた。(まあ上手いのは当たり前だけど)志らくさんは、どこまで多岐に渡って遊ぶ人なのか。演劇、映画、歌、俳句・・・でも全部落語の精進につながっていると思う。俺も似たようなことをやってはいるけど、何の精進なのか。「俺」の精進か。これは、ちょっとカッコが良すぎる。師匠への愛は?年齢とともに深まる、傲慢、不遜、自己主義。芸事への、人への愛は俺にはあるのか。考えさせられる会であった。

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大倉順憲

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