2011-09-05

パトリス・ルコント監督「ぼくの大切なともだち」(DVD)を観て。 このエントリーを含むはてなブックマーク 

 ダニエル・オートゥイユの一見セレブバカさ加減がいい。それにもまして、ダニー・ブーンの情けないけど、人の良い奴がいい。こういう奴、いるいる。っつーカンジが。人間関係の機微からにじみ出る人情喜劇を描く、ルコントの真骨頂だろう。
 
「友達」の定義を考えてみたことがあるが、この作品にも出てくるように、「その人の為にすべてを投げ出されるか」ということに落ち着くのかなあ。そういう何か「見てわかる現象」にしとかないと、「定義」が成立しないのだろう。

 今から31年前、高校3年生の時、僕はアメリカ交換留学生に選ばれ、出発の日が決まっていた。確か8月の中頃だったと思う。その数日前に、バイク無免許当て逃げ事故を起こしてしまった。「無免許」の上に「当て逃げ」だ。尋常じゃない。しかも県警の目の前でだ。逃げた僕の代わりに、友人Tが「身代わりになってやる」と逃げ隠れしてた僕のところに出て来てくれた。すでにケイサツは、僕に実家にまで捜査の手配を回している。袋のねずみ状態だった。
事故で傷だらけの僕を見た友人Tは、「このままやったらバレるやろう」と、水溜りの上をゴロゴロと転がり、当時高価だったラコステのポロシャツをドロドロにして、出頭してくれたのだ。しかし、ケイサツもバカじゃない。一発で見抜き、二人を別々の取調室に入れて白状させた。(白状したのは、僕です)このとき僕はTのことを「こいつとは一生友だちだ」と、感じましたね。ありがとうT。今さらだけど。恩に着ます。友達ってこういうことなのかなあ。
(因みに交換留学は、もちろん取消。無期停学処分。青春の思い出です)

キーワード:


コメント(0)


大倉順憲

ゲストブロガー

大倉順憲


月別アーカイブ