2010-09-03

ホメオパシー論争について このエントリーを含むはてなブックマーク 

つい先日(8/24)、日本学術会議が「ホメオパシー(同種療法)は荒唐無稽である」としてその効果を全面否定したことにより、日本ホメオパシー医学協会(特に張本人となっている団体:由井寅子代表)や日本ホメオパシー振興会、インターナショナル・アカデミー・オブ・クラシカルホメオパシー日本校などといった主要な教育機関では声明を発表したりして、論争が巻き起こっている様子だ。

これまでにも様々な説が囁かれてきたホメオパシーだけど、今回の騒動はそもそも、悪性リンパ腫だった女性が亡くなった事件(テルミーやホメオパシーといった民間療法で治そうとして病院を拒み続けた)や新生児が亡くなった事件(助産師が新生児にビタミンK2の代わりにレメディを投与)が端を発している。

近年のLOHASブームなどで自然療法は人気が高まり、だんだん追い風が吹いて来ている印象はあった。アロマ商品の企画をやっていても常に肌で感じている。

ただ、ホメオパシーやフラワーエッセンスはアロマセラピーの履修時に一通り学んだものの、実はちゃんと自分で実践していない療法の1つだったりする。

…それはなぜか?

まずフラワーエッセンスに関して言うと、私にはまったく効かないのである。でも、精神科のドクターの話によると、患者さんに投与すると劇的に効いたりするらしいので、全然効果がないと断言はできないようだ。効く人には効くのである。

一方、ホメオパシーの場合、たぶん私は具合がちょっとでも悪いとすぐに薬を飲んでしまうのだ(ダメじゃん!)w…なので、ホメオパシーの出番がなかなかないのである。その割に安くもないので、ますます出番がないわけで…みたいな。

だから、余裕がある人の余裕がある時の手段かもしれない。あるいは、何を試してもダメな時の最後の手段だったり。

ホメオパシーの学校だって通おうとするとえらく高い。高くて労力を要する割には医学的には何ら認められていない茨の道なのだ。…それでもこぞって学ぼうとする人が増えているのは、現代医学だけでは解決できない、深遠なる宇宙や芸術を学びたいのではないかと想像する。

それに、かつて医療が呪術によって執り行われてきた歴史から見てもあながち外れてはいないし、ワクチンの作用だって根本は「目には目を、歯には歯を」「毒を以って毒を制す」なのだし。「病は気から」が適応するレベルまではOKなのではないだろうか。

ただし、私の周囲のアロマセラピストやプランツハンターたちは、現実的でメディカルな思考とファンタジーの両方を理解しているタイプだけれど、それでも、これらの療法は信用していない、そっちに行ってはダメ、と口を揃えて言ったりする。

…ああ、こんなんじゃ全然本題に迫っていませんが、つまり今回の事件は、使う方に問題があるのであって、ホメオパシー自体の問題ではない、と私は思うのです(日本ホメオパシー医学協会が強引な教育をしていないかどうかは知らないけれど)。

それなのに、効果がないと断定する話でやり込めてしまうのはおかしいし、こんなに自然療法が広まってきている現状を受け入れた上で、その取り扱いについて人々の認識を促すことの方が大切なのではないか。

つまり、自然療法だけを盲信せず、症状に合った治療法をバランスよく選ぶ柔軟性を持つべきである、と。

…そんなことをぼんやり思う相変わらずの残暑の日々なのでありました。

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中田 文

ゲストブロガー

中田 文

“今、ドキュメンタリーの編集にどっぷり浸かっていて、なかなかチェックできないし、webDICEのブログの仕組みもいまだよくわからないので、ほぼたまに日記状態ですが、どうぞよろしくです。”


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