2010-07-07

『ぼくのエリ 200歳の少女』クロスレビュー:美しく儚い このエントリーを含むはてなブックマーク 

英エンパイア誌の「史上最高のワールドシネマ100本(100 Best Films of World Cinema)」で、15位にランクインし、『クローバーフィールド』のマット・リーブスがリメイクし、全米公開が決定しているこの作品。近年ヴァンパイア映画がフューチャーされていますが、そういった映画とは一線を画す作品です。幻想的なスウェーデンを舞台に、孤独な少年とヴァンパイヤという秘密をもつ少女が出会い、友情、愛とはなにかを問いかけ深い余韻を残す・・・哀しく、切なく、ピュアなラブストーリーなのです。本編はヨーロッパテイスト満載でとても情緒的で映像美もあり、引きこまれました。映画の冒頭から雪が暗闇を舞い、その闇につつまれた町を見下ろすオスカー。彼の表情も素晴らしく、孤独で屈折した性格を持ちつつ、エリに一途な気持ちを持つ演技にとても切なくなりました。いじめられっこのオスカーが命をかけて守ろうとする恋愛、エリもヴァンパイアとして生きていくには人間の血を目の当たりにしながら、オスカーの血は吸わないという決意。神秘的な恋愛のはがゆさ。この先オスカーは年齢を重ねるが、エリは一生若いままの姿。。。この行く末を想像するだけでも涙が止まりませんでした。ホラー要素がある作品とはいえ、映像も配慮がありますので、若干血が苦手な方には目を覆いたくなる部分もあるかもしれませんが、是非この切なくも悲しいストーリーを劇場で鑑賞して頂きたいと思います。

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まいこっこ

ゲストブロガー

まいこっこ

“映画は月10本(新作がほとんどです)、DVDも10本見てます。”